製造業・工場のお仕事
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2024.03.15

電気エンジニアとは?仕事内容・必要スキル・向いている人・将来性も

電子回路をチェックする電気エンジニアの男性

近年は、遠隔操作のできる電気製品も普及しつつあります。こうした技術の開発に中心となって関わるのが、電気エンジニアです。今回は、電気エンジニアの概要から仕事内容、やりがい、向いている人の特徴、おすすめ資格、将来性までを徹底解説しています。

電気エンジニアは、人々の生活を支える電気製品の開発や修理に欠かせない職業です。最先端技術を駆使したデジタル家電から、スマートフォンやタブレットなど、日常生活で密接に関わる製品の普及に伴い、この分野の専門家への需要に陰りは見えません。

当記事では、電気エンジニアの概要と仕事内容、やりがいや向いている人の特徴、電気エンジニアを目指す方や興味のある方に役立つ資格などを紹介します。将来性が期待される電気エンジニアの世界に踏み出すための第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。

電気エンジニアとは?

電気の配線をチェックしている電気エンジニア

電気エンジニアとは、電子技術を駆使してさまざまな製品の設計・開発・製作・修理を行う専門家です。これには家電製品からモバイル端末、さらには電気自動車や医療用機器まで、幅広い範囲の製品が含まれます。

この職業の特徴は、電気や電子回路に関する深い知識と技術を持ち、それを活用して人々の日常生活に密接に関わる製品を生み出す点です。

近年は、インターネットに接続された家電製品をモバイル端末で遠隔操作することが一般的になりました。このような技術の開発に中心となって関わるのが、電気エンジニアです。

ITエンジニア・ソフトウェアエンジニア・機械エンジニアとの違い

ITエンジニア・ソフトウェアエンジニア・機械エンジニアの3つは、いずれもよく似た印象を持たれがちですが、担当する範囲や専門分野に大きな違いがあります。

ITエンジニアは、コンピュータシステムやソフトウェア、サーバー、ネットワーク環境の開発・設計・構築・運用、保守が専門の職種です。情報技術全般を扱い、サイバー攻撃からシステムを守る情報セキュリティも担当します。

ソフトウェアエンジニアは、アプリケーションや制御ソフトウェアの開発に特化した職種です。プログラミングやソフトウェアの設計、ユーザーサポート、エラーチェックなど、ソフトウェア開発全般を担当します。

機械エンジニアは、機械やプラント設備の設計・開発・製作・設置・運用・保守に関わる職種です。主に担当するのは物理的な機械の仕組みや構造に関することであり、産業用ロボットや自動車のエンジンなど、具体的な機械部品の設計を行います。

そして電気エンジニアは、電子回路や電気製品などの製造設備の設計・開発・製作・修理が専門の職種です。電気エンジニアはハードウェアの設計に重点を置き、特に電子技術が使われる部分を担当します。

例えば、ロボット本体の仕組みや構造を設計するのは機械エンジニアですが、動作を制御するソフトウェアを担当するのは、ソフトウェアエンジニアです。そのロボットがネットワークとつながっているのであれば、ITエンジニアの専門領域になります。そして、ロボットの動作を制御するモーターの回路やセンサーの設計は、電気エンジニアの範疇です。

各専門分野は相互に依存しており、それぞれのエンジニアが持つ独自のスキルと知識は、いずれも技術の進歩と社会の発展に欠かせません。

電気エンジニアの仕事内容

配線コードと工具

電気エンジニアの仕事内容は、「ヒアリング・調査」「計画・設計」「開発・テスト」「保守」の4段階に大別できます。将来的に電気エンジニアへの就職・転職を考えているのなら、仕事の全体的な流れを頭に入れておきましょう。

ここでは、電気エンジニアの仕事内容を段階別に紹介します。

(1)ヒアリング・調査

電気エンジニアの業務は、クライアントの要望を詳細に把握することから始まります。

ヒアリング・調査の段階で、どのような機器や設備が必要かクライアントと直接話し合い、仕様を検討しなければなりません。クライアントの要望を正確に理解し、それを基に設計や開発に反映させるのが、電気エンジニアの重要な初期業務です。

(2)計画・設計

顧客の要望に基づいた開発計画を立案した後、電気エンジニアはその計画に従って機器の設計を進めます。

この段階では、クライアントのニーズを具体的な仕様に変換し、図面を描いて設計書を作成します。設計書は、機器の開発において必要不可欠な文書であり、プロジェクトの成功に直結する重要な工程です。

(3)開発・テスト

設計書を基に開発作業が始まり、必要な資材や機材の調達、製品の製作、そして品質検査が行われます。

この過程では、電気エンジニアが開発現場に常駐するのが一般的です。プロジェクトの成功には、さまざまな分野のエンジニアとの連携が不可欠であり、開発からテストまでの全段階で品質を確保しながら進めていきます。

(4)保守

納品後の機器や設備に対して、電気エンジニアは品質を維持するために定期的なメンテナンスを行います。

異常や故障があれば修理・復旧するのはもちろん、そもそもトラブルが起こらないよう細心の注意を払ってチェックを続けなければなりません。この保守活動は、製品が長期間にわたり安定して機能し続けるために不可欠な作業です。

電気エンジニアに求められる知識とスキル

電気エンジニアに求められる知識とスキルには、以下のようなものがあります。

●専門的な知識と技術

電気エンジニアにとって、電気工学や電子工学の基本的な知識は必須です。「電荷と静電気」「電圧と電流」「抵抗」「直列回路と並列回路」「交流と直流」「周波数」といった基本的な概念は、確実に押さえておかなければなりません。

また、コンデンサ・コイル・半導体(ダイオード・トランジスタ)といった部品に関する深い理解も必要です。これらの知識は、電気回路の設計・評価・トラブルシューティングといったあらゆる仕事の基盤となります。

●最新技術への適応能力

近年の化学技術の進歩は非常に速く、電気エンジニアは常に最新の技術動向に敏感でなければなりません。一度基礎を身につけたからといって勉強を怠れば、目覚ましい進化を続ける現場では通用しなくなっていくでしょう。

新しい電子部品の特性と進化する電気・電子技術、新しいプログラミング言語やツールについて、常に学び続けることが重要です。電気エンジニアには、専門誌の閲覧やセミナーへの参加など、自己啓発のための努力が求められます。

●忍耐力

電気エンジニアの仕事は常時細部にわたる注意を要する上、膨大な数の反復試験や微細な調整が必要とされるケースも少なくありません。小さなミスが大きな問題や巨額の損失につながるため、綿密な設計と丁寧な作業が求められます。このため、粘り強い忍耐力と、細かな作業をコツコツと進めることができる忍耐力が不可欠な職種です。

●論理的思考力

電気エンジニアは、複雑な問題解決を行う際に、原因と結果の関係を正確に把握し、適切な解決策を導き出す必要があります。論理的思考力は、仕様書に基づいた設計や問題発生時の原因追及、効果的な解決策の提案において、欠かせないスキルと言えるでしょう。

●コミュニケーション力

電気エンジニアがプロジェクトをスムーズに進めるためには、チーム内の他職種のメンバーやクライアントと的確に情報を共有して連携を取らなければなりません。プロジェクトの進行において、自分の意見を的確に伝えつつ他者の意見を理解し、協力して課題を解決するためには、優れたコミュニケーション力が必要です。

これらの知識とスキルは、電気エンジニアとして成功するための基盤を形成します。継続的な学習と経験の積み重ねによる各能力の向上は、キャリアの発展にも大きくつながるでしょう。

電気エンジニアのやりがいと大変なこと

電気エンジニアとして働くことは、多くのやりがいと同時に、いくつかの大変な点があります。下記は、電気エンジニアがやりがいとして多く挙げる点です。

【電気エンジニアのやりがい】
●   自分が関わった製品・サービスが世に出る
●   最先端の技術に携わることができる
● 社会的な貢献を実感できる

自分の手がけた製品やサービスが市場に出て、人々の生活を便利にしたり新しい価値を提供したりするのを実際に目にするのは、大きな喜びです。また、「5G・AI・自動運転・IoT」などの最先端技術に携わることで、未来を形作る達成感も味わえます。

これらの技術を支える電子回路や通信インフラの開発に関われるのは、社会に対しても大きく貢献できる仕事として誇りをもてるでしょう。

電気エンジニアにはやりがいがある一方で、次のような点が原因で「大変だ」と言われることもあります。

【電気エンジニアの大変なこと】
●   完成までの道のりが長い
●   仕事量が多く、納期に追われる
● 突発的な変更が発生する

1つのプロジェクトを完成させるまでには、設計からテスト、改良に至るまで多くの時間と労力が必要です。納期が明確に設定されている中で、多くの仕事をこなさなければならず、プレッシャーを感じるケースも少なくありません。また、開発途中での設計変更が必要になると、想定外の残業が増える場合もあります。

電気エンジニアの仕事は、技術の進歩に直結し社会に大きな影響を与えるため、そのやりがいは計り知れません。一方で、その過程で直面する課題も少なくないものの、これらを乗り越えたときの達成感はほかの何物にも代えがたいものがあるでしょう。

電気エンジニアに向いている人の特徴

パソコンに向かっているエンジニアの男女

電気エンジニアに向いている人の特徴は、主に以下の5つが挙げられます。

【向いている人の特徴】
●   数学や物理など理系の基礎知識がある人
●   学び続けることが好きな人
●   論理的に考えることが得意な人
●   地道な作業をコツコツと続けられる人
● コミュニケーション能力が高い人

電気エンジニアには、電気工学や電子工学などの専門知識はもちろん、その基礎となる数学や物理の知識も必要です。技術の進歩は速いため、新しい知識を学び続ける意欲もなければ続きません。電気エンジニアは明確なロジックで物事を考え、複雑な回路設計やシステム構築を行うため、論理的思考力も必須です。

また、精密な作業が多く、細かい作業を地道に続ける忍耐力も求められます。さらに、チームで働く現場が多いため、スムーズなコミュニケーションを取れる能力も欠かせません。

電気エンジニアに向いている人は、以上の特徴を持ち合わせているケースが大半です。ただし、すべてを完璧に備えている必要はありません。重要なのは、これらの能力や姿勢を育てようとする意欲です。

技術や知識は学ぶことで身につけられますが、好奇心や忍耐力、コミュニケーション能力は日々の生活や仕事の中で養われます。電気エンジニアとして働くことに興味がある人は、これらの特徴に自分がどれだけ当てはまるかを考え、必要なスキルや知識を身につけるための努力を始めるとよいでしょう。

電気エンジニアにおすすめの資格

以下の資格は、電気エンジニアとしての技術力や知識を証明するだけでなく、キャリアアップにも役立ちます。

●電気主任技術者

電気設備の保安監督者として活躍するための国家資格です。事業用電気工作物の電圧により、第一種(無制限)、第二種(17万ボルト未満)、第三種(5万ボルト未満)に分類され、特に難易度が高いことで知られています。

●電気工事士

電気設備の安全な工事を行うための国家資格です。第一種と第二種があり、第一種は最大電力500キロワット未満の設備を、第二種は住宅など600ボルト以下の設備を扱います。

●E検定(電気・電子系技術検定試験)

電気・電子系エンジニアの短期育成を目的とした、幅広い知識とスキルを問う検定試験です。国家試験ではありませんが、就職やキャリアアップに有利です。

これらの資格を取得すれば電気エンジニアとしての専門性が高まり、よりチャンスを掴みやすくなるでしょう。

電気エンジニアの将来性

電気エンジニアの将来性のイメージ図(人が行き交う道路の写真にプログラムが写し出されている))

電気エンジニアの将来性は非常に高いとされています。スマートフォンやタブレットをはじめ、インターネットに接続された家電製品は、現代の生活で欠かせないものとなりました。

電気エンジニアは、これらのデバイスやシステムの設計・開発に必須と言えます。また、技術の進化に伴い、新しい技術や製品を市場に投入するための開発競争が激しくなっており、高度な設計・開発能力を持つ電気エンジニアへの需要は増加する一方です。

AI技術の進展により一部業務の自動化が進む中でも、電気エンジニアの業務の多くは専門性が高く、AIでは代替が難しいものが少なくありません。ハードウェア関連の設計や開発には人間の創造性や洞察力が必要であり、これらをAIがすぐに奪うのは難しいでしょう。

さらに、インフラ関連の点検やメンテナンスなど、安定した需要が見込まれる業務も多くあります。以上の理由から、電気エンジニアの将来性は非常に明るく、技術進化の最前線でも長く活躍できる職種だと言えるでしょう。

まとめ

電気エンジニアは、モバイル端末の普及やIoT技術の発展がとどまるところを知らない現代社会において、欠かせない技術を担う職種です。将来性も高く、社会貢献度の高い仕事として多くのやりがいを感じられる職種でもあります。

専門的な知識と技術が身についており、論理的思考力や学習意欲、そしてコミュニケーション能力などがあれば、電気エンジニアの仕事に向いているでしょう。電気主任技術者や電気工事士などの資格があると、就職やキャリアアップに役立ちます。

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