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2023.12.14

電気工事士とは?資格の種類や仕事内容について解説

工場の倉庫を管理している電気工事士

「電気工事の仕事に携わりたいが、資格は必要だろうか?」という疑問のある方もいるでしょう。電気工事に従事するには電気工事士の資格が必要です。そのため、第一種電気工事士を取得しておくことで、さらに活躍の場が広がります。 本記事では、電気工事士の概要や第一種・第二種の違い、資格取得のメリットなどを解説します。

この記事の監修

ウイルタス編集部

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電気工事士とは電気設備に関する国家資格のこと

電気工事士とは、電気工事や設備のメンテナンスを行うために必要な国家資格のことです。電気関係の設備を安全に稼働させるため、工事の内容ごとに所定の資格がなければ電気工事に従事できないことが電気工事士法で決められています。

また、資格は作業範囲の違いにより、第一種と第二種に分類されています。試験は学科試験と実技による技能試験の2段階で行われ、毎年11万人以上の人が受験する人気資格です。

第一種電気工事士と第二種電気工事士との違い

個人宅の電気設備を確認している電気工事士

第一種電気工事士と第二種電気工事士は、以下の点が異なります。

・対応できる電気工事の範囲

・試験の難易度

・資格の有効期限

・年収などの待遇 第一種電気工事士と第二種電気工事士の違いについて、詳しくみていきましょう。

第一種電気工事士とは

第一種電気工事士とは、一般住宅や小規模な店舗など600V以下で受電する設備の工事のほか、最大電力500 kW未満のビルや工場、大規模な店舗などの電気工事に従事できます。

第二種に比べて試験の難易度も高く、最初の学科試験の合格率は51%程度と、受験者の半数程度しか合格できません。

また、第一種・第二種の免状には有効期限や更新制度はありませんが、第一種電気工事士の免状は、5年に一度、定期講習を受講する法令上の義務があります。特別な理由なく定期講習を受講しない場合、免状の返納が必要です。

第一種電気工事士の資格を取得していることによって、就職・転職では特に有利に働きます。従事できる電気工事の幅が広く、インフラや公共工事関連の求人も少なくありません。さらに、第二種電気工事士よりも年収が高い傾向にあります。

第二種電気工事士とは

第二種電気工事士の仕事内容は、一般住宅や小規模施設など600V以下で受電する設備の工事に限られます。

第一種に比べて試験の難易度も下がり、学科試験の合格率は約60%と高めです。試験の出題傾向は基本的な内容が多く、未経験者でもチャレンジしやすいでしょう。そのため、第一種電気工事士を取得するために、まず取得しておきたい資格です。

資格の有効期限はなく、講習の受講や更新手続きなどの手間がありません。ただし、第一種よりも従事できる電気工事の幅に制限があるため、スキルアップや年収アップを目指したい人は将来的に第一種電気工事士を取得することをおすすめします。

配線の点検をしている電気工事士

電気工事士の主な仕事内容

電気工事士の主な仕事は、「建設電気工事」と「鉄道電気工事」に分類されます。ここでは、それぞれの仕事内容をみていきましょう。

建設電気工事

建設電気工事とは、ビルや事業所、一般住宅などさまざまな建設物の屋内・屋外電気設備の設計や施工をする仕事です。屋外にある電線をビルや一般住宅などの建物に引き込む外線配線工事や、引き込んだ電線を屋内でつなぐ屋内配線工事などを行います。

さらに、エアコンの取付け・取外し、クリーニングなど冷暖房設備に関する工事も電気工事士の仕事です。このほかにも建設電気工事では、エレベーター・エスカレーターなどの大型機器から火災報知器など小型機器まで、あらゆる電気設備の設置や保守・メンテナンスを手がけます。

鉄道電気工事

鉄道電気工事とは、鉄道に関する電気設備の施工や保守業務を行う仕事です。鉄道のさまざまな電気設備を手がけ、鉄道の安全な運行を支えます。なお鉄道は日中、運行業務が行われているため、基本的に鉄道電気工事は運行しない夜間に行われることが一般的です。

鉄道電気工事の主な仕事内容は、線路や踏切、信号、駅の改札などの設置やメンテナンスです。また、電力を供給するための発電所・変電所でのメンテナンスも行います。

鉄道の写真

電気工事士の資格を取得するメリット

電気工事士の資格を取得することで、次のようなメリットがあります。

・転職や就職で有利

・活躍の場が広い

それぞれ、詳しく解説します。

転職や就職で有利

電気工事は電気工事士の資格がなければ従事できないため、資格保持者のニーズは高く、転職や就職で有利になる点がメリットです。例えば、電気工事会社や建設会社、ビル管理会社など、電気工事士の資格保有者を応募の条件とする求人も少なくありません。

応募条件ではない場合でも、資格があることは高いアピールポイントになります。資格を取得していることで知識やスキルがあることを証明できるほか、電気工事という仕事への意欲の高さを伝えやすくなるでしょう。

活躍の場が広い

電気工事の仕事は人々の生活になくてはならないものであるため、常に需要があります。そのため、活躍できる場面は多く、 電気を扱う機械や設備がある場所には電気工事士が必要です。

また近年は、オール電化住宅や太陽光発電、電気自動車の普及など、電気はますます生活に欠かせないものになってきています。そのため電気工事士の将来性は高く、資格を取得しておけばキャリアアップにつながり、幅広く活躍できるでしょう。

電気工事士資格の概要

電気工事士の参考書と配配線図と配線コード

第一種電気工事士、第二種電気工事士ともに受験資格は特に必要なく、全国47都道府県の試験会場で受験できます。それぞれの試験概要をみていきましょう。

第二種電気工事士試験の概要

第二種電気工事士試験の概要は、以下のとおりです。

試験方式学科試験:CBT方式または筆記方式(マークシート)
技能試験:持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で完成させる
試験日上期:学科試験 4〜5月 技能試験 7月
下期:学科試験 9〜10月  技能試験 12月
試験時間学科試験:120分
技能試験:40分
問題数・配点学科試験:50問×各2点
技能試験:1問
合格基準学科試験:約60点
技能試験:欠陥をせず、時間内に完成させること
技能試験の出題範囲事前公開の候補問題(13課題)より1題出題

CBT方式とは「Computer Based Testing」の略で、コンピューターを利用して実施する試験方式のことです。 受験者はコンピューターに表示された試験問題に対し、マウスやキーボードを使って回答します。

第二種電気工事士は、試験を受けるチャンスが年2回(上期・下期)ある点が特徴です。

第一種電気工事士試験の概要

第一種電気工事士試験の概要は、以下のとおりです。

試験方式学科試験:CBT方式または筆記方式(マークシート)
技能試験:持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で完成させる
試験日学科試験:9〜10月
技能試験:12月
試験時間学科試験:140分
技能試験:60分
問題数・配点学科試験:50問×各2点
技能試験:1問
合格基準学科試験:約60点
技能試験:欠陥をせず、時間内に完成させること
技能試験の出題範囲事前公開の候補問題(10課題)より1題出題

第一種電気工事士の免状申請には、試験の合格とともに実務経験が3年以上必要です。さらに、免状の交付を受けた日から5年以内ごとに定期講習を受講することが義務づけられています。

参考:一般社団法人 電気技術者試験センター

収入アップも!電気工事士の関連資格

電気工事士に受かったウイルテックの従業員たち

電気工事士には関連する資格が複数あり、電気工事士と合わせて取得することで携われる電気工事の幅が広がります。また、転職・就職をさらに有利に進められ、収入アップも期待できるでしょう。

ここでは、電気工事士の関連資格を5つ紹介します。

特種電気工事資格者

特種電気工事資格者とは、最大電力500kW未満の電気工事において、ネオン工事と非常用予備発電装置工事に従事できる資格です。国家試験による取得制度はなく、特種電気工事の種類に応じた要件(実務経験や講習の受講など)に該当する人が、経済産業省により認定されます。

一般住宅や工場、ビルなどの電気設備について、工事段階で不完全な施工をすると感電や火災といった事故が発生する危険もあります。特種電気工事資格者は、このような電気工事の欠陥による災害を防止することを目的に、自家用電気工作物のうち特種な分野の電気工事について定められた資格です。

認定電気工事従事者

自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)のうち、電圧600V以下で使用する電気工作物の工事に従事するために必要な資格が認定電気工事従事者です。

特殊電気工事資格者と同じく、国家試験による取得制度はありません。認定電気工事従事者は、第一種電気工事士試験に合格している、もしくは実務経験や講習の受講など、定められている要件に該当する場合に認定されます。

電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士とは、電気工事に関する施工計画の作成、工事現場における工程管理・品質管理・安全管理などを行うために必要な国家資格です。

資格には1級と2級があり、それぞれ第一次検定と第二次検定があるのは特徴です。第一次検定に合格した人は「電気工事施工管理技士補」を、第二次検定に合格した人は「電気工事施工管理技士」を名乗れます。

電気工事施工管理技士は施工管理上の技術責任者として高く評価され、幅広い電気工事に関する知識や技術があることを証明できます。また、電気工事施工管理技士の資格取得者が在籍する企業は、公共工事の受注を受けられる可能性が高く、企業の信用度も高まるのがメリットです。

したがって、電気工事施工管理技士も合わせて取得しておくことで、転職・就職の際には高いアピールポイントになるでしょう。

第三種電気主任技術者(電験三種)

第三種電気主任技術者とは、発電所や変電所、 工場やビルなどに設置されている電気設備の保守・監督に従事できる国家資格です。第一種~第三種に分類され、それぞれ次のように扱う電気工作物が異なります。

・第一種:全ての事業用電気工作物

・第二種:電圧が17万V未満の事業用電気工作物

・第三種:電圧が5万V未満の事業用電気工作物(出力5,000 kW以上の発電所を除く)

電気工事士は工事現場で電気工事を行うための資格であるのに対し、電気主任技術者は保安・監督のための資格です。一緒に取得しておくことで、電気設備の保守・監督を行うためのスペシャリストとして評価されるでしょう。

消防設備士甲種4類

消防設備士甲種4類とは、建物の消防設備に関する工事や点検・整備に従事できる国家資格です。消防設備にはさまざまな種類があり、消防設備士甲種4類では主に自動火災報知設備やガス漏れ火災警報設備などを取り扱います。

消防設備士の資格には甲種と乙種という2種類があり、乙種は消防設備の整備・点検ができるのに対し、甲種はさらに機器の設置や取換などの工事にも従事できる点が異なります。

また、乙種は誰でも受験できますが、甲種の受験には所定の要件に該当することが必要です。一定の国家資格を取得しているか、もしくは学歴による受験資格が定められています。

消防設備会社やビルメンテナンス会社など、消防設備士の資格取得を要件とする会社は少なくありません。電気工事士と合わせて取得しておくと、転職や就職の際に有利になるでしょう。

まとめ

作業の確認をするウイルテックの従業員たち(男女)

電気工事士は電気工事に携わるために必要な国家資格であり、仕事で電気工事に従事したい場合は電気工事士の資格取得が必須です。まだ資格を取得していない場合、まず第二種電気工事士の資格取得を目指すとよいでしょう。その後、第一種電気工事士を取得すれば、作業範囲が広くなり、年収アップが期待できます。

電気工事士の資格を持つことで転職や就職に有利になりますが、関連資格も一緒に取得しておけば、より活躍の場が広がるでしょう。

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