転職 How to
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2024.04.05

期間工と派遣の違いは?それぞれに向いている人の特徴まで解説!

ダイカストマシンを使用して金型の加工をしている男性(派遣社員)

期間工と派遣は「正社員ではない」という点が共通するものの、その他にはさまざまな違いがあります。当記事では、期間工と派遣の概要や違いから、それぞれのメリット・デメリットと向いている人の特徴まで徹底解説しています。

自動車工場をはじめとする製造業への転職を検討している方の中には、正社員とは異なる雇用形態である「期間工」や「派遣社員」として働くことを考えている方もいるでしょう。期間工と派遣社員は「正社員ではない」「有期雇用である」という共通点があるものの、それぞれに特徴が異なる点に注意が必要です。

この記事では、期間工と派遣社員の概要や、期間工と派遣社員との違いについて解説します。それぞれのメリット・デメリットや、それぞれの働き方に向いている方の特徴をふまえた上で、自分に合った働き方を選びましょう。

期間工とは?

期間工として工場の倉庫で働く男性

期間工とは、事前に働く期間が決められている従業員であり、工場やその親会社、製造メーカーと直接雇用契約を結んでいる有期契約社員のことです。3~6か月ほどの期間に限定して働くことや、繁忙期に合わせて募集がかけられることが多いことから、期間契約社員や期間従業員、季節工、臨時工などとも呼ばれています。

期間工は自動車メーカーの工場での募集が多く見られますが、精密機械や電子部品の工場などでの募集も珍しくありません。メーカーや工場が扱う製品によって業務内容が異なるため、自分の興味や得意を活かせる勤務先を選ぶとよいでしょう。

派遣とは?

派遣とは、派遣元となる人材派遣会社と雇用契約を結んだ上で、派遣先である他の企業に派遣されて働く雇用形態のことです。派遣先の企業は、必要なタイミングでスキルをもった人材を確保するために人材派遣会社に労働者の派遣を依頼します。そのため、派遣社員には即戦力として働けるスキルが求められることを押さえておきましょう。

また、派遣社員は派遣先で勤務しますが、派遣先の企業と雇用契約を結んでいるわけではないため、給料は派遣元である人材派遣会社から支払われます。同じ職場で働いていても、派遣社員はあくまで「別の会社から派遣された助っ人」というポジションとなることにも留意しましょう。

【項目別】期間工と派遣の大きな違い

期間工と派遣は「有期雇用である」「正社員ではない」などの共通点もありますが、下記のような大きな違いがあることに注意が必要です。

【期間工と派遣の大きな違い4つ】

●   雇用主(契約主)
●   報酬形態
●   待遇・福利厚生
●   失業保険の受給条件

ここでは、上記の4つの違いについて、それぞれ詳しく解説します。

雇用主(契約主)

期間工と派遣の最も大きな違いとして、雇用主(契約主)が異なることが挙げられます。

期間工は、実際に働く工場やその親会社、製造メーカー本社による直接雇用であるケースがほとんどです。期間工として働く労働者は、工場などの直接雇用による契約社員であり、その工場・企業の社員(従業員)の一員となることを押さえておきましょう。

一方、派遣は実際に働く工場や企業と雇用契約を結ぶのではなく、人材派遣会社と雇用契約を結びます。期間工とは異なり、実際に働く職場の社員にはなれない点に注意してください。

報酬形態

期間工と派遣では雇用主が異なるため、同じ職場で同様の業務を担当していても報酬形態に違いが見られることも少なくありません。

期間工の場合、基本給や残業代だけを見ると派遣社員より収入が低くなるケースもありますが、さまざまな手当が支給されるという魅力があります。勤務先の企業によって支給される手当の種類や金額、条件などは異なりますが、主なものとして入社祝い金や皆勤手当、満了慰労金があることを押さえておきましょう。

一方、派遣の場合、時給を日給換算すると期間工より収入が高くなるケースもあるものの、直接雇用ではないため期間工のような手厚い手当は支給されません。基本給以外の報酬は期間工と比べて少なく、賞与が時給に含まれる場合もあるため、勤務条件や働く期間によっては期間工のほうが収入が高くなるケースもあるでしょう。

待遇・福利厚生

期間工は勤務先の企業から直接雇用されている従業員であるため、募集段階で企業が提示する待遇と大きく異なる条件で働くことはありません。企業の一員であることから、比較的良い待遇・手厚い福利厚生を受けられるでしょう。

また、期間工向けの寮を利用する場合、寮費や光熱費が無料(会社負担)となるケースも少なくありません。従業員向けの安価な食堂や食事補助といった福利厚生もあります。

一方、派遣の場合、待遇や福利厚生は雇用契約を結んでいる人材派遣会社のルールに準ずることになります。期間工と同じ職場・同じ内容の業務をしていても、待遇や福利厚生といった面で差が生じるケースも多いことに留意しましょう。

失業保険の受給条件

雇用保険の加入期間が12か月以上であれば、期間工・派遣を問わず、契約更新のタイミングで退職した際には失業保険を受け取れます。しかし、退職する理由が「会社都合」か「自己都合」かにより、失業保険の受給時期が異なることに注意が必要です。

期間工の場合、1回の契約期間は3~6か月ほどですが、勤務態度などに問題がなければ契約更新のタイミングで「再契約」となります。12か月以上期間工として勤務した後、契約更新のタイミングで退職すれば満了退職(会社都合扱い)となるため、失業保険の受給決定から7日後より失業保険が支給されます。

一方、派遣の場合、前の派遣先を辞めた後に人材派遣会社から別の派遣先を紹介されたにもかかわらず、働くことを拒否した場合は自己都合退職とみなされます。自己都合退職の場合、失業保険の申請から受給開始まで4か月程度かかることに留意しましょう。

期間工として働くメリット・デメリット

MERIT、DEMERITと書かれた壁と右手人差し指を立てて手を挙げている男性の写真

期間工として働くことには多くのメリットがある一方で、気を付けておきたいデメリットも存在します。

ここでは、期間工として働く3つのメリットと2つのデメリットについて詳しく解説します。メリットとデメリットの両方をふまえた上で、期間工の働き方について理解を深めましょう。

メリット(1)短期間で高収入を得られる

期間工は、一般的なアルバイト・パートや専門的なスキルを必要としない派遣社員と比べて、基本給が高い傾向にあります。工場では残業や交替勤務による夜勤もあり、時間外手当や深夜勤務手当なども支給されるため、収入をさらに増やすことができるでしょう。

また、入社祝い金や皆勤手当、満了慰労金、経験者手当など、支給される手当の種類が豊富であり、3~6か月の勤務でも十分に高収入を得られるという魅力があります。満了慰労金は長く勤務するほど金額が増える傾向があるため、状況によっては期間工として2~3年勤務することもおすすめです。

メリット(2)契約期間が決まっているため目標やスケジュールを立てやすい

期間工は契約期間が事前にはっきりと決められているため、目標を立てやすいというメリットがあります。「海外へ行くために貯金する」「大学に行く資金を確保する」といった目標があれば、目標から逆算して働くこともできるでしょう。

また、契約の満了日も明確に定められているため、次の仕事に向けたスケジュールも考えやすくなります。契約満了後に転職する場合でも「次の期間工の仕事を探す」「正社員として働ける就職先を見つける」などの方向性を考えられ、余裕をもって転職活動を進められるでしょう。

メリット(3)正社員登用のチャンスもある

期間工は勤務先の企業から直接雇用されており、労働実績や勤務態度、能力によっては正社員として登用される可能性があることも大きなメリットの1つです。期間工から正社員として登用されれば、より安定した生活を送れるようになるでしょう。

ただし、期間工であれば誰でも正社員登用制度を利用できるというわけではありません。企業によって条件は異なるものの、基本的には上司から正社員登用の推薦を受ける必要があります。自分から正社員登用を申し出ることはできないため、上司や同僚から評価されるよう真面目に仕事に取り組むことが大切です。

デメリット(1)肉体的・精神的負担を感じやすい

人員の入れ替わりが多い期間工の仕事は、単調な作業や力仕事が多い傾向があります。単調な仕事は飽きやすく、力仕事は体力を消耗するため、人によっては精神的・肉体的負担を感じやすいでしょう。

また、場所によっては「空調設備が十分に整備されていない」「工場独特のにおいが強い」などの理由で心身に不調をきたすケースもあります。期間工として働く職場を検討する際には、業務内容だけでなく職場の環境もチェックしておくとよいでしょう。

デメリット(2)生活リズムが不規則になりやすい

期間工を採用している工場では、2交替制や3交替制といったシフト制を導入しているケースも少なくありません。夜勤シフトに入ると深夜勤務手当などが支給されるというメリットもありますが、日勤とのローテーションで生活リズムが崩れやすくなることに注意が必要です。

期間工の仕事には夜勤がついてくることが多いものの、日勤のみの期間工求人も少なくありません。交替制勤務をベースとした生活スタイルが合わない方は、「日勤のみ」を条件に期間工の求人を探してみましょう。

派遣社員として働くメリット・デメリット

ネクタイを直している派遣社員の男性

期間工として働くことにメリット・デメリットの両方があるように、派遣社員として働くことにも、魅力的なメリットと注意したいデメリットがあります。

ここでは、派遣社員として働く3つのメリットと2つのデメリットについて解説します。期間工と派遣社員のそれぞれの長所・短所を考慮した上で、自分に合った働き方を考えてみましょう。

メリット(1)仕事の悩みを派遣会社に相談できる

派遣社員として働くメリットとして、仕事の悩みを派遣会社に相談できることが挙げられます。

直接雇用の従業員の場合、人間関係を気にして社内の方に仕事の悩みを相談しにくいというケースも少なくありません。

一方、派遣社員の場合は就活中・就業中を問わず仕事の悩みを派遣会社に相談できます。適切なアドバイスを受けられるほか、場合によっては派遣会社が間に入って派遣先企業と交渉してくれることもあるでしょう。

メリット(2)採用されやすい

派遣会社には人材派遣に関するプロが揃っており、企業に人材を派遣する際にはマッチングを行った上で派遣先に合った人材を選出しています。その上で履歴書や面接など採用選考に関するアドバイスももらえるため、派遣先企業から採用されやすくなるでしょう。

また、自分で直接応募する場合、応募先企業の研究を行う必要がありますが、派遣社員の場合は派遣元からある程度教えてもらえます。就職活動を効率よく行える点も、派遣社員として働く大きなメリットと言えるでしょう。

メリット(3)あらゆる職場を経験できる

一部の派遣先は特定のスキルが必要な場合もありますが、派遣の仕事には未経験でもチャレンジできる職種が数多く存在します。幅広い業界・職種の中から、経験してみたい仕事や希望する仕事を自由に選べるでしょう。

また、派遣契約期間の終了後、次の派遣先として別の業界・職種を選ぶことも十分可能です。さまざまな企業・職種を経験してスキルアップすれば、自分自身の仕事の幅も広がり、キャリアアップへとつなげることもできるでしょう。

デメリット(1)派遣切りのリスクがある

派遣社員として働くことのデメリットとして、契約期間途中で解雇される「派遣切り」のリスクがあることが挙げられます。

基本的には派遣社員が契約期間中に解雇されることはありません。しかし、派遣先の経営悪化などやむを得ない事由がある場合は、派遣社員の契約解除が認められている点を押さえておきましょう。

派遣切りに遭った場合は派遣会社が次の派遣先を見つけてくれるため、落ち着いて転職活動を進めることが大切です。

デメリット(2)スキルの有無による給与の差が大きい

派遣社員の報酬形態は時給制である場合が多く、専門の資格を持つ方や特定の分野における高いスキルのある方、経験豊富な方などは時給が高くなる傾向があります。このように、資格の有無やキャリアの長短によって給与に差が出る場合があることに注意が必要です。

また、閑散期や大型連休がある月は「残業が少ない」「稼働日が少ない」などの理由から月収が下がる場合があります。派遣先企業の繁忙期や休日のことも考慮した上で、家計を考えることも大切です。

期間工が向いている人・派遣社員が向いている人

作業服を着て腕を組んでいる男性

期間工や派遣社員には、それぞれ働く上でのメリット・デメリットの両方が存在するため、これらをふまえた上で自分に合った働き方を選ぶことが大切です。

期間工が向いている人・派遣社員が向いている人のそれぞれの特徴を押さえた上で、自分のキャリアパスやライフスタイルに適した働き方を選択しましょう。

期間工が向いている人の特徴
●   短期間で大きな収入を得たい人
●   単調な作業が苦にならない人
●   体力に自信がある人
●   勤務地にこだわらない人

期間工は日給や残業代のほか、満了慰労金などの手当や寮費無料といった手厚い福利厚生を受けられます。短期間で大きな資金を確保したい方に向いているでしょう。

また、単調な作業や体力が必要な作業をこなす自信がある方にもおすすめです。期間工を採用する工場は日本各地にあるため、勤務地にこだわらない方にも向いていると言えるでしょう。

派遣社員が向いている人の特徴
●   幅広い業界・職種から仕事を選びたい人
●   定期的に職場環境を変えたい人
●   働きやすさを重視したい人

派遣社員は幅広い業界・職種から希望する仕事を選べるため、製造業以外の業界・職種にも興味がある方に向いています。派遣先を変える際には別業界・別職種を選ぶこともできるため、定期的に仕事を変えたい方にも適していると言えるでしょう。夜勤や残業がない仕事も多いため、プライベートを重視したい方にもおすすめです。

まとめ

期間工と派遣は雇用主が異なっており、期間工は勤務先企業から直接雇用されており、派遣は派遣会社と雇用契約を結んでいるという違いがあります。これらの違いにより、報酬形態や待遇・福利厚生、失業保険の受給などに差が生じる場合があることを押さえておきましょう。

期間工や派遣社員として働くことにはそれぞれメリット・デメリットがあり、向き不向きも人によって異なります。単調な作業や力仕事が苦にならない方や、短期間で大きな収入を得たい方、製造業での正社員登用を目指したい方は、ぜひ期間工にチャレンジしてみましょう。

期間工、派遣社員についてはこちらでも詳しくご紹介しています。ご参考になさってください!

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