製造業・工場のお仕事
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2024.02.20

生産管理に向いている人・向いてない人の特徴は?仕事内容や魅力、必要なスキルも解説!

生産管理は、製造に関する業務全般を管理する、非常に重要な仕事です。求人に応募する前に、生産管理に向いている人の特徴や必要なスキルを理解し、適性があるかを見極めましょう。今回は、生産管理に適性がある方の特徴や仕事内容、必要な資質などを解説します。生産管理に興味がある方は必見です。

生産管理の業務内容は?

生産管理とは、生産に関する業務全般を管理する仕事です。品質・コスト・納期(QCD)を意識して、生産業務を管理します。また、近年ではQCDにサービスを加えたQCDSも注目されており、顧客の体験価値を高めることも意識しなければなりません。

生産管理では、以下のように幅広い業務を担当するのが特徴です。

  • 生産計画
  • 生産実施
  • 品質管理
  • 在庫管理
  • 原価管理

ここでは、それぞれの業務内容について解説します。

生産計画

生産計画では生産に必要な部品や資材の量、スケジュールや設備、人員など生産に必要な情報を整理して計画を立てます。生産能力やQCDを考慮しながら、生産性の向上を実現できるスケジュールを立てることが求められる重要な仕事です。

計画を立てるためには、需要を予測したり、現場の状況を理解したりする必要があります。

生産実施

生産計画や資材の調達購買計画を立てたら、実際に部品や資材などを仕入れ、現場に供給して製造を開始します。これが生産実施です。仕入れの際は、適切な量を見極める必要があります。量が不足すると生産が実施できない一方、過剰に仕入れると在庫過多になって利益の損失につながるためです。

生産実施時には不測の事態にも対応できるよう、余裕のあるスケジュールで行うことが求められます。

品質管理

品質管理は、製品の品質に問題がないかを検査したり、不良品に対応したりするプロセスです。QCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期の頭文字)を満たすためには欠かせません。すべての製品を検査する場合と、製品をランダムに抜き出して検査する場合があります。

完成品の品質だけでなく、調達した資材や、製品が適切な工程で製造されたかについても細かくチェックします。不良品が発生した場合は、製造日やロット番号を特定して、原因を明らかにしなければなりません。

在庫管理

在庫管理では、製品ごとの在庫数を把握・管理します。需要予測が外れると、在庫が足りず供給が追いつかなくなったり、在庫が余って損失につながったりします。そのため、適切な在庫管理が不可欠です。

在庫数によっては、生産計画を調整して、製造数を増減させて対応する必要があります。

原価管理

原価管理とは、製造にかかるコスト(原価)を把握・分析し、利益率を向上させる管理業務です。はじめに目標の原価を見積もり、実際の原価との差異を確認して改善に取り組みます。

原価管理を適切に実施することで、利益向上や業務改善などにつながります。原価管理は重要な仕事であるため、案件ごとにこまめに行うことが大切です。

生産管理の仕事の魅力とは

生産管理の会議で発言する男性

生産管理の仕事は、製造に関する業務全般を管理する、重要な仕事です。製造業において欠かせない仕事であり、生産管理ならではの魅力があります。

ここでは、生産管理の魅力3つを紹介します。

● 達成感が得られる
● 幅広い知識を得られる
● さまざまな人と関われる

達成感が得られる

計画どおりに製造を進められるようコントロールする生産管理の仕事は、大きな責任を伴います。その分、自身が関わった製品が販売されているのを目にした際のやりがいは格別です。達成感ややりがいを得られることは、生産管理の大きな魅力といえるでしょう。

また、業務改善や生産性向上、利益率アップなどの施策に取り組み、成果が数字として現れたときには大きな達成感を得られます。

幅広い知識を得られる

生産管理は、生産に関する幅広い工程に携わるため、さまざまな知識が求められます。製品に関する知識はもちろん、パソコン操作スキルや原価管理のために財務諸表を読み解く能力などが必要です。

このように、生産管理の仕事を通じて幅広い知識・スキルを身につけられるのは、大きな魅力といえます。

さまざまな人と関われる

生産管理では進捗の把握や、部品や資材の量に問題がないかの確認、遅れが出た際の調整など、生産に関係する各所との調整が必要です。現場の監督として、さまざまな人と関わりながら指揮をとります。黙々と単純作業を繰り返すのではなく、多くの人と協力しながら製品を作り上げられるのは生産管理ならではのメリットです。

生産管理に向いている人は?

生産管理の女性

製造業の要である生産管理は、誰もができる簡単な仕事ではありません。ここでは、生産管理に向いている人の特徴を4つ紹介します。

● モノづくりに興味がある人
● 物事を俯瞰してみられる人
● 人と関わるのが好きな人
● 学ぶことが好きで向上心がある人

モノづくりに興味がある人

生産管理では、さまざまな知識やスキルを身につけることも必要です。モノづくりに興味があれば、必要な知識やスキルを積極的に吸収し、生産管理として活躍できるでしょう。

また、生産に関する幅広い仕事に取り組み、現場を指揮するためには、仕事への興味関心も欠かせません。そのため、モノづくりに興味がある方は、楽しみながら生産管理の仕事に取り組むことが可能です。

物事を俯瞰してみられる人

現場全体を把握して進捗を管理したり、トラブルが発生した際に柔軟に対応したりするためには、視野の広さが必要です。よって現場を管理する生産管理は、物事を俯瞰してみられる方に向いています。

1つの業務に没頭して取り組む方よりも、状況を多角的に把握し、適切な判断ができる方に適しているでしょう。

人と関わるのが好きな人

生産管理は、さまざまな人と関わる必要があるため、人と接するのが好きな方や、コミュニケーション能力に長けている方に適した仕事です。現場のメンバーや顧客と密にコミュニケーションをとり信頼関係を構築できれば、よりスムーズかつ効率的に業務を進められます。

トラブルが発生した際も良好な人間関係を築ける方であれば、適切に対応できるでしょう。

学ぶことが好きで向上心がある人

生産管理の業務は覚えることが多いため、学ぶことが好きで向上心がある方におすすめです。知的好奇心が旺盛で、積極的に新しい知識やスキルを吸収しようとする方は、生産管理で活躍できます。

ただし、業務の無駄や課題を発見して改善するためには、ただ「改善しろ」と言うだけでは不十分です。自身も現場に関する知識を身につけ、具体的な施策や行動を示す必要があります。

生産管理に向いていない人は?

仕事に行き詰まる男性

一方、以下の特徴に当てはまる人は、生産管理に向いていない場合があります。

● 人と話すのが苦手な人
● 想定外の事態に弱い人

適性がないにもかかわらず生産管理の仕事に従事しても、活躍できず、ストレスを抱えるばかりです。求人に応募する前に、自身が特徴に当てはまっていないか確認してみましょう。

人と話すのが苦手な人

生産管理の仕事をこなすためには、多くの関係者をまとめ、協力しあう必要があります。そのため、人と話すのが苦手な方は生産管理の仕事に向いていない場合があります。

スケジュールや指示を伝えたり、納期に間に合うよう進捗を把握したりするためには、コミュニケーション能力が必要です。人と関わるのが苦手な方や、コミュニケーション能力に自信がない方には、生産管理の仕事はあまりおすすめできません。

想定外の事態に弱い人

生産管理では、事前に綿密な計画を立てて生産を実施します。しかし、すべてが計画どおりに進まないこともあります。そのため、想定外の事態が発生することに弱い方も、生産管理には向いていない場合があります。

また、不測の事態が発生した際に、冷静さを欠いて感情的になってしまうと、適切な判断が難しく事態はより悪化してしまいます。想定外の事態にも、冷静に対応できる能力が必要です。

生産管理に必要な資格とスキル

スキルアップの勉強をする人

生産管理は、特別な資格が必要な仕事ではありません。しかし、関連する資格を取得することで、より活躍できるでしょう。

ここでは、生産管理に必要な資格やスキルを紹介します。

● 生産管理オペレーション
● 生産管理プランニング
● 生産管理
● 中小企業診断士

生産管理オペレーション

生産管理オペレーションは「ビジネス・キャリア検定試験」の1つです。生産システムの統制や運用業務に携わる方を対象にしており、資材の手配や設備管理、物流に関する知識などが問われます。

基礎知識が問われる3級と、専門的な知識や応用力が求められる2級があるのが特徴です。2級になると、範囲が「作業・工程・設備管理」と「購買・工程・在庫管理」に分けられます。

参考:「生産管理」分野 

管理プランニング

生産管理プランニングは「ビジネス・キャリア検定試験」の1つであり、生産システムの設計や生産計画の策定に従事する方を対象としています。生産管理プランニングを取得することで、効率的で生産能力を向上できる生産計画を立てられるようになるのが魅力です。

2級と3級があり、2級では製造業のタイプに合わせて「加工型・組立型」と「プロセス型」のどちらかを選択できます。

参考:「生産管理」分野 

生産管理

生産管理は「ビジネス・キャリア検定試験」の1つであり、実務経験10年以上が対象の資格試験です。上記の生産管理オペレーションと生産管理プランニングの知識に加えて、現場のマネジメントに必要な専門知識や応用力が求められます。

テーマや実例ごとに、課題の解決法やマネジメント施策を論述する必要があり、非常に難易度が高いのが特徴です。

参考:「生産管理」分野 

中小企業診断士

中小企業診断士は、経営コンサルタントに関する国家資格です。資格を取得するためには、生産管理に加えて、販売管理、経営情報システム、企業法務などの知識も必要です。

中小企業診断士の資格を取得することで、経営者視点での生産管理業務を行えるようになります。

参考:「中小企業診断士」 

生産管理に必要な資質

最後に、生産管理の仕事を遂行するうえで必要な資質を3つ紹介します。

● 論理的に考えられる能力
● 司令塔となるコミュニケーション力
● 生産工程を進めるためのマネジメント能力

上記の資格取得とともに、スキルの習得や向上にも努めましょう。

論理的に考えらえれる能力

製品を無駄なく生産したり、適切な在庫量を確保したりするためには、必要な資材や人員を見積もったり、在庫予測をしたりする必要があります。そのためには、論理的に考え、定量的に物事を捉えて判断する能力が欠かせません。論理的思考力や判断力があれば、無駄が発生するのを防ぎ、利益率を向上させられます。

司令塔となるコミュニケーション力

生産管理の仕事では、司令塔として現場を統括し、担当者との折衝を重ねながらさまざまな調整を行うことも必要です。そのためには、高いコミュニケーション能力が求められます。

日頃から現場スタッフとこまめにコミュニケーションをとり、信頼関係を構築することで、万が一の事態が発生した際もスムーズに動いてもらえるでしょう。

生産工程を進めるためのマネジメント能力

綿密な計画を立てても、計画どおりに実行できなければ意味がありません。生産工程をスケジュールどおりに進めるためには、マネジメント能力が重要です。全体を見渡して一連の工程を把握したり、適切な人員配置や業務のバランスを考えたりする必要があります。

また、トラブルが発生した際にすぐに対応できるよう、起こりうるトラブルを想定して対策しておくことも大切です。

人と関わるのが好きな人は生産管理に向いている

生産管理は、計画の策定やスケジュール管理、品質や在庫の管理など、生産に関する幅広い業務を管理する重要な仕事です。大変ではありますが、その分達成感を得られたり、多くの知識を吸収できたりと、やりがいの多い仕事と言えます。特に、現場スタッフや顧客など、さまざまな人と関わるため、人と関わるのが好きな方におすすめです。

本記事を参考に、生産管理の仕事に挑戦してみてください。