保育園と幼稚園の違いって何?ワーママが安心なのはどちら?【認定こども園についても解説】
これから仕事探しをする未就学児子育て中のママやプレママ向けシリーズ第3弾。「保育園と幼稚園のそもそもの違いとは?」「ワーママにはどっちが向いている?」などの疑問にお答え。それぞれのメリット・デメリットについてまとめました。
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目次
保育園と幼稚園の違いは?
保育園と幼稚園、いずれも小学校に入学する前の子どもたちが通う場所ですが、その違いをご存じでしょうか。働くママにとって、日中子どもが安心して過ごせる場所を確保するのは大事なミッションの一つです。詳しく解説していきます。
保育園 | 幼稚園 | |
管轄 | 厚生労働省 | 文部科学省 |
法令 | 児童福祉法 | 学校教育法 |
位置づけ | 児童福祉施設 | 学校教育施設 |
対象年齢 | 生後57日~小学校就学前まで | 満3歳~小学校就学前まで |
目的 | 「保育に欠ける」乳児・幼児を保育すること 健全な心身の発達を図ること | 義務教育の基礎を培い、 心身の発達のために適当な環境を与えること |
入園条件 | 「保育の必要性」認定が必要 | 特になし |
プログラム内容 | 生活トレーニング+基礎学習 食事のとり方の練習 トイレトレーニング お片付け お昼寝 お散歩・外遊び 室内遊び ひらがな・数字の練習 英会話 など | 就学前の基礎学習 情操教育 リトミック 体操 英会話 室内遊び・外遊び ひらがな・数字の練習 など |
預かり時間 | 8~11時間 (保護者の就労時間による) | 4時間前後 |
給食の義務 | 〇 | × 園により異なる |
先生の資格 | 保育士資格 | 幼稚園教諭免許 |
保育園と幼稚園は管轄が異なる
そもそも、保育園と幼稚園は管理管轄している省庁が異なり、保育園が厚生労働省所管の児童福祉施設であるのに対し、幼稚園は文部科学省所管の学校教育施設と、別管轄の施設となっています。
保育園は、保護者が就労中、または疾病・死別などで子どもの世話ができない状況にある「保育に欠ける」乳児・幼児を保育することを主な目的としています。
特色は園ごとにさまざまですが、トイレトレーニングや食事のとり方の練習、お片付け、お昼寝など生活に根差したプログラムが組まれていることが活動内容の特徴と言えます。
また、2018年の保育所保育指針の改正により、保育園は「幼児教育を行う施設」と位置づけが改正されたため、最近では、幼稚園のような教育要素の強いカリキュラムを用意している園も増えてきています。そのため、「保育園の教育と幼稚園の教育機会の差」は少なくなっています。
一方、幼稚園は義務教育の基礎を培い、心身の発達のために適当な環境を与えることを主な目的としています。
活動内容としては、遊びを通じた知識習得や情操教育、言葉や数などの就学前の基礎学習などが主体で、保育や生活支援ではなく、あくまで教育や学習をメインとしています。園ごとに内容はさまざまですが、英会話やリトミック、体操などのプログラムを実施している施設もあるようです。そして保育園と比較すると、親子で一緒に楽しむイベントごとが多く、運動会や遠足、音楽発表会など行事が盛んな傾向にあることや、PTA活動が活発なのも特徴と言えます。
じつは幼稚園の教育要領も2018年の保育所保育指針の改正と同時に改められ、幼稚園・保育園・認定こども園の共通項目として「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」が策定されました。よって、3つの施設の目標指針は同じものになっているのです。
最後に細かいところになりますが、それぞれの施設の先生は持つ資格が異なります。
保育園の先生は保育士という扱いとなり、厚生労働省管轄の国家資格「保育士資格」を所持していますが、幼稚園の先生は幼稚園教諭という扱いで、文部科学省認定の教職課程にて所定の単位履修を終え免許取得できる資格を所持しています。
それぞれ資格の種類が異なるので、幼稚園教諭免許を持たない保育士資格者が幼稚園の先生になることや、保育士資格を持たない幼稚園教諭免許所持者が保育園の先生になることは出来ません。
何歳から通えるの?
続いて、それぞれの施設の対象年齢について説明します。
保育園は基本的に生後2ヶ月にあたる生後57日以上から就学前まで通園可能です。これは母親に対し産前産後休業が労働基準法で義務付けられているため、その期間終了後からという意味合いとなります。しかしながら、園によって生後3ヶ月・6ヶ月以上など、対象月齢の規定が設けられていることが多いです。
一方、幼稚園は一般的に満3歳から就学前まで通うことができます。
最近では、プレ幼稚園や未就園児クラスなどの位置づけで2歳くらいから体験入園を受け入れているような施設もあります。
費用面の違いは?
次に通園にかかる費用面についてですが、それぞれ料金システムが異なるため、どちらが一概に安いとは言えません。
認可保育園 | 認可外保育園 | 公立幼稚園 | 私立幼稚園 | |
利用料(0~2歳児クラス) | 世帯収入による 0~7万円(大阪市の場合) | 平均5~7万円 25万円以上の園も | ||
利用料(3~5歳児クラス) | 無償(子ども・子育て支援新制度の対象とならない幼稚園は、月額2.57万円まで) | |||
入園料 | 0円 | 1~5万円 | 0~1万円 | 5~35万円 |
入園準備費用 | 1.5~3万円 | 1.5~6万円 | 2~2.4万円 | 5~10万円 |
諸経費/月 | 500~3500円 | 1000~5000円 | 1000~7000円 | 2000~2.5万円 |
送迎バスや習い事、延長保育などのオプションで必要な金額は異なりますので、基本的には各家庭の利用状況で金額は変わってくると言えるでしょう。
参考「子供の学習費調査」
保育園と幼稚園のメリットとデメリット
それでは、保育園と幼稚園それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。長所短所を確認して、ご自分のご家庭にはどちらが合っているか、判断材料の一つとしてお考えください。
保育園
メリット
・預かり時間が長く、仕事や介護など親の都合に影響が出にくい
・長期休暇がない
・規定時間を超えても延長保育がある(園ごとに規定有)
・0歳から通園可能
・給食が義務付けられているため、お弁当の用意が要らない
・行事関連が少なめ、あっても土日開催が主流
・保育士が生活面の発達支援において強い味方になってくれる(離乳食、トイレトレーニングなど)
・教育に力を入れている園が増えてきている
デメリット
・地域によっては希望する園に入れない可能性がある
・退職など、保育要件から外れるといずれ退園となってしまう
・預かり時間が長い分、子どもと過ごせる時間が少ない
幼稚園
メリット
・教育内容が充実していて、小学校の勉強中心のライフスタイルに移行しやすい
・預かり時間が短い分、習い事などに通える
・保護者同士の交流機会が多く、家族ぐるみの交友関係が生まれる
デメリット
・預かり時間が短いため、就労中だと送迎が難しい
・就労中の場合、別途延長保育の料金が発生する
・園によっては給食がなくお弁当の用意がいる
・行事関連が平日開催のこともある
・PTAなど親が関わる集まりが活発な傾向
・降園後に親子で集まって遊ぶ機会に、共働き家庭は参加できず寂しい思いをすることも
共働き家庭に向いているのはどちら?
では、夫婦共に仕事をしながら子育てをしている共働き家庭にとっては、保育園と幼稚園のどちらが向いているのでしょうか。
この答えは勤務時間や通勤にかかる時間、ご家庭ごとの教育方針などによってさまざま別れることでしょう。
8時間以上のフルタイム勤務の場合、長時間の保育を担ってくれる保育園利用を選ぶ方が多い傾向にありますが、働いていてもパートや時短正社員、在宅勤務などある程度時間の融通が利く状態であれば、保育園に偏ることなくあえて幼稚園利用を選ぶご家庭もあるようです。
また、近年幼稚園でも延長保育や放課後の習い事制度などのオプションを導入している施設が増えてきており、近くにそういった園があればフルタイム勤務でも幼稚園に入園させる方や、3歳から幼稚園に切り替える方も増加しているようです。
子どもにとってはどちらが良いの?
では、子どもの立場になったときに、保育園と幼稚園ではどちらのほうが良いのでしょうか。
これに関しては「子どもが毎日楽しく通えるか」どうかなので、保育園だから幼稚園だからといった違いではなく、その園の特徴や教育方針、ご家庭の状況との相性、見学や説明会で受けた印象が重要と言えますので、各ご家庭で吟味することをオススメします。
また、上記でも説明したとおり、幼稚園と保育園では教育目標に違いはなくなってきています。従来の考え方だと「保育園は生活のお世話をしてもらうだけ」といった印象がありますが、そのような差はなくなってきていると言えますので、保育園に行ったからといって、教育機会が著しく減少するというわけではありません。
認定こども園について解説
認定こども園とは、保育園・幼稚園両方の機能を持った施設のことで、管轄しているのは文部科学省や厚生労働省ではなく、内閣府です。
入園対象となるのは、0歳から就学前までのすべての子どもで親の就労形態に関わりません。ですので、どちらかの親が未就労であっても保育園と遜色ない時間の預かりが可能で、かつ在職中から離職したとしても、退園扱いとなることがなく、融通の利く施設となっています。
両親がフルタイム勤務でも、幼稚園と違わない教育を受けることができるという点も非常に人気を集めており、保育時間終了後、習い事制度なども充実している園が多く、年々数は増えています。しかし人気が高いのと、保育園と同様、保育要件の点数が高めの方から優先されるため、結果的には「誰でも利用できる」状態とは言えないのが現状です。
保育園と幼稚園の無償化とは
2019年10月から始まったのが「幼児教育・保育の無償化(幼保無償化)」です。対象となるのは、幼稚園・保育所・認定こども園などを利用する3〜5歳児クラスまでの子どもと、住民税非課税世帯の0~2歳児クラスの子どもです。国公立、私立関係なくすべて対象となります。
ただし、無償化の対象になるのはあくまで「利用料」のみですので、それ以外に発生する給食やおやつなどの食事代、教材費、行事費、制服代、送迎バス代、保護者会の参加費、おむつ代などは保護者に請求されます。
利用料以外に発生する費用は、園によってさまざまですので、見学や説明会で内容を確認するのが良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
それぞれ管轄している省庁や預かり時間、カリキュラムの内容は異なりますが、子どもたちの健全な育成と教育に取り組んでいる施設であることには変わりありません。
「ワーママだから絶対にこっち」という決まりはありませんので、用意されたさまざまな選択肢の中から、ご家庭ごとの状況やその子の個性に応じて、ベストな方法を選んであげられると良いですね。
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