転職 How to
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2024.02.20

期間工とは?応募前に知っておきたい仕事内容から給与・雇用待遇まで解説

期間工とは期間を定めて働く契約社員を指し、期間従業員と呼ばれることもあります。企業に直接雇用され、メーカーなどの工場の生産ラインで働く仕事です。未経験でも採用されやすく、給与が比較的高いといったメリットがあります。 本記事では期間工の仕事内容や待遇、メリット・デメリットなどを解説します。

期間工(期間従業員)とは

食品メーカーで作業中の工場で働く人

期間工とは、働く期間が決められている契約社員のことです。期間従業員とも呼ばれます。主に製造業の工場などで募集される雇用形態です。生産を拡大している繁忙期などに、期間限定で就労しています。

期間工の概要について、派遣社員との違いと合わせてみていきましょう。

派遣との違い

期間工は有期雇用契約という点で派遣社員と似ていますが、雇用形態が異なります。派遣社員は派遣会社と契約を結んで企業に派遣されるのに対し、期間工は企業と直接雇用契約を結ぶ契約社員です。

派遣社員は派遣元の会社から給与を受け取り、福利厚生も派遣会社から提供されます。一方、期間工は直接雇用のため、給与や各種手当、福利厚生は全て雇用先企業から受けられます。

また、派遣社員は人材派遣会社と雇用契約を結んでいるため、派遣先企業の社員になることはできません。待遇面の要望を行う先も、雇用されている派遣会社です。

これに対し期間工は有期雇用とはいえ直接契約であり、企業の一員です。待遇面の要望があれば、雇用されている企業に行います。直接雇用のため、正社員に登用される可能性もあるでしょう。

期間工と派遣社員は、失業保険を受け取るタイミングも異なります。期間工は契約期間が満了して退職する場合、会社都合の退職となり、失業保険を申請してから約1カ月で給付が開始されます。

これに対し、派遣社員が派遣会社から紹介された派遣先への就業を拒否した場合、自己都合退職とみなされるため、給付開始となるのは失業保険申請から3〜4カ月後です。

期間工の主な仕事内容

期間工が働く現場は主に製造業の工場で、生産ラインの一つの工程を担当するのが主な仕事です。作業にはマニュアルがあり、手順に沿った単純作業をすることが多いでしょう。

業種は自動車や精密機器、食品などのメーカーが多く、詳細な仕事内容は企業によって異なります。一例として、以下のような仕事があげられます。

・部品の組立、取り付け、溶接
・機械の操作
・不良品の検査、点検
・プレスなどの機械加工

どの作業を担当するかは、各企業や配属先によって異なりますが、いずれの場合も最初に簡単な研修を行うため、未経験者でも不安はありません

単純作業ではあっても、スピードと正確な仕事が要求されます。オートメーションの作業についていけないとラインが止まってしまうことになるため、集中力が求められるでしょう。

期間工で必要な資格とスキル

種類ファイルを持った工場で働く男性

期間工は生産ラインに沿った単純作業のため、基本的に資格やスキルは要求されません。ただし、工場勤務の経験者は優遇される傾向にあります

また、以下のような資格を持っていれば、採用にあたって有利といえるでしょう。

・フォークリフトの運転免許資格
・アーク溶接作業者
・ガス溶接技能者
・玉掛け技能講習修了
・クレーンデリック運転士
・普通ボイラー溶接士

これらの資格があれば、正社員に登用される際にも有利です。正社員を目指す場合は、求人情報で「正社員登用制度」の有無を確認しておきましょう。

フォークリフト、玉掛けの資格については別コラムにて詳しく解説していますので、こちらもご参考になさってください。

玉掛け作業に必要な資格とは?技能講習や特別講習の内容や受講方法を解説

フォークリフトの資格を取るには?免許の種類や取得方法を解説!


また、期間工として契約をする際は健康診断が行われ、健康状態が良好かどうかをチェックされることが一般的です。一般の健康診断とほぼ変わりない内容ですが、作業によっては運動機能などをチェックする検査が加わる場合があります。 

期間工のメリット

製薬工場の機械

期間工の仕事は短期間の仕事を探している人にとってメリットですが、ほかにも未経験で採用されやすいなどいくつかの利点があります。

ここでは、期間工のメリットを紹介します。

未経験で採用されやすい

期間工の仕事は部品の組立など生産ラインでの単純作業が多く、特別なスキルを要求されません。難しい工程は、熟練の社員が携わっていることが多いでしょう。仕事に就く前に研修が行われることも多く、マニュアルも完備されています。そのため、未経験でも採用されやすいのがメリットです。

企業によって作業内容や条件は異なり、経験者を優遇する企業もあります。期間工の経験がない場合は「未経験OK」の求人を探すとよいでしょう。

給与が比較的高い

企業によって違いはあるものの、期間工の給与は比較的高い傾向にあります。大手企業であれば週休2日で月収30万円前後と高い水準です。さらに残業代や各種手当もあり、同年代の一般的な会社員よりも高い収入を得ることも可能です。

また、一定期間勤務した場合、企業によっては「満了金」や「満了一時金」といった名称でまとまったお金を受け取れます。応募する際は、これら一時金の条件も確認してみるとよいでしょう。

福利厚生が充実している

期間工は大手メーカーが募集するケースも多く、福利厚生が充実していることがメリットです。期間工の大きな特徴に、寮が用意されている場合が多いことがあげられます。ワンルームの個室でテレビや冷蔵庫、エアコンも完備されています。寮費は無料の場合が多く、水道光熱費もかかりません。寮にも工場にも食堂があり、格安料金または無料です。食事補助の手当がつく場合もあります。

生活費があまりかからないため、短期間でまとまった貯金を作ることも可能です。車の頭金や会社起業などさまざまな目的で資金が必要な場合、期間工は大きく稼げるチャンスがあります。

期間工のデメリット

悩む工場で働く人たち

期間工はメリットばかりではありません。有期雇用で不安定な生活になるなど、デメリットな側面もあります。期間工で働きたいと思っている人は、あらかじめデメリットな点も把握しておくとよいでしょう。

ここでは、2つのデメリットを紹介します。

1.働ける期間が短く、不安定

期間工は有期雇用のため働ける期間が限られており、不安定になりやすいのがデメリットです。労働基準法により、有期雇用契約の雇用期間は原則として最長3年までとなっています。さらに、1回の契約更新は3年ごとではなく、3カ月・6カ月など企業側が決めた期間で更新されます。

欠勤が多いといった従業員側の問題がない限り更新はされるものの、会業績悪化など企業側の都合で人員を削減する場合、まず真っ先に雇用が打ち切られるのは期間工です。

そのため、長く安定した収入を得たい方には向いていません。

参考:厚生労働省「労働契約(契約の締結、労働条件の変更、解雇等)に関する法令・ルール」

2.仕事内容がきついと感じる場合がある

期間工は単純作業が多く、単調な仕事が苦手な人や、自分で考えるクリエイティブな仕事をしたい人には向いていません。

また、配属先によっては不規則な勤務形態になることもあります。たとえば、工場が24時間稼働している場合は、早朝から夕方、夕方から深夜といった2交代制になることもあれば、休日出勤になる場合もあるでしょう。

体力を使う仕事もあり、きついと感じることも少なくありません。体力に自信がない場合は、仕事内容をよく確認する必要があります。

ただし、「マニュアルに沿ってできる仕事がしたい」「体力には自信がある」という人には向いている仕事です。

また、働く場所は基本的に工場ですが、屋外で仕事をする場合もあります。夏は暑く、冬は寒いのがデメリットです。室内であっても、広い施設の場合は空調があまり効かないこともあるでしょう。

一方で、工場施設の福利厚生は充実していることも多く、敷地内にジムや入浴施設、カフェ、売店などが備わっているところもあります。仕事中は大変でも、休憩時間などはしっかり休息できる環境はあるといえるでしょう。

期間工についてよくある質問

期間工についてのQ&A

期間工が初めての場合、残業や有給休暇の取得など、分からないことも多いでしょう。ここでは、期間工によくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。

残業や夜勤はある?

残業や深夜・休日出勤の有無は、企業や配属先によって異なります。時間外労働を避けたい場合は、応募の際に確認しておいてください。ただし、自動車メーカーの場合、ほとんど残業などはあると思ってよいでしょう。

期間工は車の生産台数を増産する際、製造部門の社員では対応しきれず、人手が足りない部分を補う仕事です。そのため、超過勤務の必要があれば、臨機応変に対応してもらうことを前提に雇用しています。期間工の給与が比較的高く設定されているのも、このような理由からです。

また、普段は残業がない職場でも、繁忙期になると残業や夜勤、休日出勤を要請される可能性は高いといえるでしょう。

残業や夜勤があっても割増手当がつくため、より多く稼ぎたい人にはかえってメリットと考えられます。

有給はある?

期間工に限らず、一定期間勤続した労働者は有給休暇を取得できます。有給休暇を取得できる要件は、以下の2点です。

・雇い入れの日から6カ月経過している
・その期間の全労働日の8割以上出勤している

この要件に該当していれば、期間工にも有給休暇が与えられます。

ただし、権利はあっても繁忙期などは取りづらいことがあるかもしれません。消化できなかった分の有給休暇を買い取る制度を設ける会社もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

女性でも働ける?

女性も期間工で働けます。積極的に採用している企業も少なくありません。たしかに、重いものを運ぶなど体力が必要になる仕事もあります。しかし、検品や組立など、女性でもできる仕事は多く、配属先でも女性ができる仕事を考慮してくれます。

ただし、基本的に期間工は立ち仕事など体力必要とする仕事も多く、ある程度の体力は要求されるでしょう。

仕事内容が気になる場合は、よく確認してから応募することをおすすめします。

期間工から正社員になれる?

期間工でも、正社員になることはできます。そのためには、正社員登用制度のある企業に勤めること、試験に合格することが必要です。制度を設けているメーカーの登用率は高く、毎年多くの期間工が正社員に登用されています。

倍率の高い通常の正社員採用と比較すると、期間工から正社員になる方が近道ともいえるでしょう。

正社員登用試験を受けるには、一定の勤務実績と上司からの推薦が必要になるなど条件があります。

条件は会社によって異なりますが、一般的に以下のような条件が設定されています。

・期間工として半年〜1年以上勤務している
・年齢は20〜30代
・現場の上司から正社員登用に推薦される

年齢は、多くの会社が20~30代までとしていますが、実力次第では40代でもチャンスがあり、年齢制限をしていないケースもあります。

正社員登用試験は、基本的な学力を判定する筆記試験と面接が行われることは多く、普段の勤務成績や勤務態度なども評価の対象になると考えられます。

正社員に登用されるチャンスはありますが、上司の推薦や試験・面接を経ることから、なかなか狭き門といえるでしょう。

まとめ

工場で働く男性

期間工は、働く期間が決められている契約社員です。比較的給与が高く福利厚生も充実しており、多くの企業では寮も完備されています。短期間でまとまったお金を貯めることができ、大手メーカーでの仕事を経験できるといったメリットがあります。

ただし、短期間の雇用であるため、生活の安定性には欠けるでしょう。

ウイルテックでは、期間工と同じようにメーカーでのモノづくりが経験できる仕事を多く募集しています。そのうえで、より安定的な長期雇用や無期雇用の仕事が豊富です。社会保険完備で福利厚生も充実しています。安心して長く働ける職場を選びたい方は、ぜひウイルテックにご応募ください。

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