工場用語辞典
セラミックコンデンサ 【よみ】 せらみっくこんでんさ 【英語】 ceramic condenser
**セラミック(陶磁器)を誘電体として使用したコンデンサ(キャパシタ)**の一種です。電気を一時的に蓄える部品で、電子回路において非常に広く使われています。その特徴として、小型で高周波特性に優れており、ノイズ除去や電圧の安定化など、様々な用途に使用されています。
構造と仕組み
セラミックコンデンサは、2枚の導体(電極)とその間に挟まれたセラミック材料から構成されます。セラミック材料は電気を通さない「誘電体」であり、ここに電圧をかけると一時的に電荷を蓄えることができます。これがコンデンサとしての基本的な働きです。
セラミックコンデンサには「積層型」と「ディスク型」があります。現在では、多層のセラミックと金属電極を交互に積み重ねた**積層セラミックコンデンサ(MLCC:Multilayer Ceramic Capacitor)**が主流です。これにより、同じ体積でもより多くの電荷を蓄えられるようになります。
種類と用途の違い
セラミックコンデンサは、その**誘電体の種類(クラス)**によって性能が大きく異なります。代表的な分類は以下の通りです:
- クラス1(例:C0G)
高精度で温度変化による容量の変化が少ない。タイミング回路や高周波回路に使用されます。 - クラス2(例:X7R、Y5V)
大容量を実現できるが、温度や電圧によって容量が変動しやすい。主にデカップリング用途(ノイズ除去や電源安定)に使われます。
実際の使用例
例1:スマートフォン
スマートフォン内部には数百個以上のセラミックコンデンサが使われており、CPUや通信モジュールへの電源供給の安定化に役立っています。
例2:ノイズ除去
マイコン(マイクロコントローラ)などの電子回路において、セラミックコンデンサをGNDとの間に配置することで、**高周波ノイズを短絡(バイパス)**し、誤作動を防止できます。
メリットと注意点
メリット:
- 小型で大容量が可能
- 高周波特性に優れる
- 長寿命で信頼性が高い
注意点:
- 高電圧や温度で容量が変化する場合がある
- はんだ付け時の機械的衝撃に弱い(クラックが入ることがある)
◎ちなみに
【セラミックコンデンサー】の呼び方も間違いでがないが、
辞書検索などの用語解説では「セラミックコンデンサ」と表記されている。

半導体 ●半導体製造装置 ●ダイオード ●トランジスタ●基盤 ●基板 ●IC ●フォトIC
●LSI
