IT-情報技術系
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2023.12.14

システム開発とは?エンジニアを目指す上での基礎をわかりやすく解説

システム開発について打合せをしているエンジニアたち

システム開発とは、企業や自治体などが抱える課題を解決するための「仕組み」を作る仕事です。開発するシステムも、目的によってさまざまな種類があります。しかし、具体的にどのような仕事なのかがわからない方も多いでしょう。 本記事では、システム開発についてわかりやすく解説します。携わる職種や実際にシステムを開発する流れのほか、スキルを身に付けるための方法など、エンジニアを目指す上での基礎を紹介するため、ぜひ参考にしてください。

システム開発とは?

上司と相談するウイルテックのITエンジニア

システム開発とは、企業や自治体などが抱える課題を解決するための「仕組み」を作る仕事です。

開発するシステムには、さまざまな種類があります。たとえば、企業や自治体には、”既存業務を効率化してコスト削減したい”、”新規事業に参画したい”といったビジネス上の目標や課題があるでしょう。

そういった課題を解決する仕組みをコンピューターシステムを使って実現することが「システム開発」です。

システム開発で解決する課題としては、以下のようなものがあります。

・業務効率化にともなうコストダウン

・顧客満足度の向上

・競争力強化

・新製品開発、新規事業への参画

・業務継続性の維持

外部規制、コンプライアンス、法制度などへの対応

そのため、システム開発を行う前に自社が抱えるビジネス課題は何かをしっかりと考えた上で、システムを開発することが重要です。

上記の課題に対して、開発されるものには以下のようなものがあります。

・勤怠管理システム:社員の出退勤時刻や出社日数、有給休暇の日数などを管理できます。

・在庫管理システム:商品の在庫数や価格などを、効率的に管理することが可能です。飲食店や量販店などで運用されます。

・生産管理システム:製造業において、製品を作る工程や品質などを管理するためのシステムです。

勤怠管理システムは、社員の出退勤管理に役立つシステムです。在庫管理システムがあれば、飲食店や量販店などにおいて、商品の在庫数や価格などを効率的に管理できます。また、生産管理システムでは、製造業における製品作成の工程や品質の管理が可能です。

システム開発に携わる主な職種

パソコンでプログラムを入力するシステムエンジニア

ここからは、実際にシステム開発に関わる職種について解説します。主な職種は、以下の3つです。

  • プロジェクトマネージャー
  • システムエンジニア
  • プログラマー

なお、システム開発にかかるコストの多くが人件費です。そのため、システム開発の見積では「人月」と呼ばれる単位で計算されることも理解しておきましょう。

人月とは、1人のスタッフが1か月稼働する場合の工数です。たとえば5人月であれば、1人が5か月か、5人が1か月稼働することを意味します。

それでは、各職種の仕事内容をみていきましょう。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーとは、プロジェクト全体を管理するマネジメント職のことです。

プロジェクトが円滑に進むように、プロジェクト実行計画の立案から、スケジュール管理、ステークホルダー管理まで幅広い業務を担当します。また、リソース管理やコスト管理といったマネジメント業務も担当する点が特長です。

プロジェクトマネージャーには、システム開発の知識はもちろん、マネジメントやコミュニケーションスキル、問題解決といった多岐にわたる高度なスキルを要求されます。

システムエンジニア

システムエンジニアとは、システム全体の設計図を書く技術職です。通常、プログラミングは行わないことが多いです。

主に、ユーザーへのヒアリングや要件定義の作成、システムの設計・開発を担当し、システム開発の技術的側面において、重要な役割を担っています。システム設計に携わるため、技術に関する幅広い知識はもちろん、ビジネスに対する知識も求められるのが特徴です。

また、システムエンジニアがプロジェクトマネージャーを兼ねている場合もあるでしょう。その場合、プログラマーと連携してプロジェクト全体のマネジメントをすることもあります。

プログラマー

プログラマーは、システムエンジニアの指示や詳細設計書に従って、実際にコードを書いてシステムを構築していく職種です。

ほかにも、コーディングやバグ修正などの業務も担当します。そのため、プログラミング言語やITシステムに関連する深い知識が必要です。

プログラマーとして経験を積んだあと、システムエンジニアになるのが一般的といわれています。

システム開発の流れ7ステップ

パソコン作業している女性プログラマー

続いて、システム開発の流れを解説します。基本的にシステム開発における大まかな流れは同様です。おおむね、以下の7つのステップで構成されています。

  1. 要件定義
  2. 外部設計(基本設計)
  3. 内部設計(詳細設計)
  4. プログラミング
  5. テスト
  6. リリース
  7. 運用とサポート

ここでは、それぞれのステップについて説明します。

ステップ1.要件定義 

要件定義とは、システム開発の目的や必要な機能、希望の納期などを明確化する工程を指します。

まず、クライアントが、どういったシステムを必要としているのかをヒアリングし把握します(この作業を要件分析と呼びます)。その後、要件分析によってクライアントの課題を把握し、解決のために必要なシステムが何かを考えるのが一般的です。

その後、システム化する部分を決定し、ハードウェアの構造やソフトウェアの機能を検討します(=要件定義)。また、予算や工期なども決定しなくてはいけません。

ステップ2.外部設計(基本設計)

次は、システムの基本的な構成の設計である、外部設計(基本設計)と呼ばれるステップです。

外部設計(基本設計)では、要件定義に従ってシステムで実現させたい機能操作画面などのシステムの見た目を設計していきます。デザイン以外にも、ボタンを押したときの挙動など、ユーザーインターフェースを設計する作業です。

そのほか、システムで使用するネットワーク、プログラミング言語などの、ソフトウェアについても検討を行います。そのため、クライアントとのしっかりとした打ち合わせが欠かせません。

ステップ3.内部設計(詳細設計)

外部設計(基本設計)よりも、さらに詳細な設計を行うステップが内部設計(詳細設計)で、システムのプログラムを設計します。

外部設計(基本設計)で決定した機能について具体的な作成方法を設計し、システム仕様書を作成する流れです。また、使用するサーバーやAPI、データベースなども決定します。

この段階で書かれた仕様書をもとにプログラミングが実施されるため、プログラマーに伝わりやすい表記で作成しなくてはいけません。

ステップ4.プログラミング

プログラミングは、内部設計(詳細設計)をもとに、プログラムを作成していくステップです。「コーディング」とも呼ばれます。 ただし、仕様書には必要最低限の内容しか記載されていないことも多くあります。そのため、どのようなコードで求められる動作を実現するかは、プログラマー次第です。また、システムエンジニアがプログラミングを行うこともあります。

ステップ5.テスト

プログラムを確認するウイルテックの男性エンジニア

テストは、設計書どおりにプログラムが作成されているか、確認するステップです。不具合が見つかった場合は、プログラマーが修正を担当します。システムのリリースをする前に、不具合やミスなどを事前に解消して、品質を高めるのが目的です。

どんなに注意して作業しても、人間が行う以上ミスは発生します。また、設計時にはまったく予想できなかった不具合のほか、プログラム部品を複数組み合わせることで発生する不具合などもあります。

ユーザーへ導入・使用できるように提供する前に、そういった不具合やミスを解消して、品質を高めるのが目的です。

ステップ6.リリース

開発とテストが完了し品質が確認できたら、システムをユーザーに導入・使用できるように提供します(=リリースする)。

なおリリースする際は、ただ受け渡すだけではなく、システムを使用するユーザーが困らないように、操作方法の講習を行ったりドキュメントを整備したりするのも仕事の1つです。

ステップ7.運用とサポート

システム開発は、リリースしたら終了ではありません。安定した動作が確保できるよう、サポートを継続する必要があります。

実際に運用を開始すると、開発段階では予測できない不具合が起こる可能性もあるでしょう。また、ユーザーによる想定外の操作が原因となってエラーが発生する場合もあります。

そのため、問題に対処する運用チームを用意しておくとよいでしょう。運用チーム側でシステムが安定稼働しているか監視したり、問題が発生していないかヒアリングを行ったりすると効果的です。

システム開発に携わる上で必要なスキル

パソコン画面にプログラムが書かれている

システム開発に携わる技術者には、技術力だけでなくさまざまなスキルも求められます。必要となるスキルは以下の3つです。

・プログラミングスキル

・コミュニケーションスキル

・マネジメントスキル

ここでは、それぞれの内容を解説します。

プログラミングスキル

プログラミングのスキルは、システムを構築するために必須のスキルです。そもそも、プログラミングのスキルがなければ、具体的なシステムをイメージできません。また、開発メンバーのそれぞれが抱えている、悩みや状況を把握することも難しいでしょう。

そのため、まずはプログラミング言語のスキルを身に付けることが大切です。ただし、プログラミング言語には、多くの種類があります。

たとえば、WebサービスであればJavaなどがよく使われる言語です。ほかにも、Python、Ruby、C言語などがあります。目的に応じて使う言語も異なるため、必要な言語を把握した上で習得していきましょう。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルとは、ヒアリングで顧客の要望を聞き出したり、開発メンバーとプロジェクトを進めたりする上で必要なスキルです。

なかでも、相手が何を伝えたいのかを理解するスキル、その上で自らの考えを相手にしっかり伝えるスキルは非常に重要だといえます。円滑なコミュニケーションをとるためにも、これらの能力を身に付けるようにしましょう。

マネジメントスキル

スムーズに開発を進めるためには、全体の流れを管理するマネジメントスキルも必要です。

たとえ万全の準備をしていても、開発に遅れなどが生じてしまうことはよくあります。その際、顧客との交渉・調整を行い、プロジェクトを管理するマネジメントスキルが重要なカギとなるでしょう。

システム開発のスキルを身に付けるには?

プログラミングを勉強する女性

システム開発のスキルを身に付けるには、以下のような方法があります。

  • 教材などを使って独学で学ぶ
  • プログラミングスクールで学ぶ
  • 企業に勤めて実務経験を積む

近年は、書籍やWebサイト、動画などさまざまな学習素材があります。価格も非常に安価なため、独学でも手軽にシステム開発を学べるでしょう。ただし、システム開発を独学でできるようになるには、かなりの努力が必要です。独学の場合、わからないことを質問できる場所がないため、自分で調べて解決できる人や自分で学習のモチベーションを維持できる人などに向いています。

実践的な技術や知識を身に付けたいと考えている方には、プログラミングスクールに通う方法がおすすめです。ただし、仕事を続けながら学ぶ場合はスクールに通う必要があり、費用もかかる点には注意が必要です。近年は、オンラインでの授業もあるため、自分の都合に合わせて選択するとよいでしょう。

そのほか、未経験者として企業に就職し、実績を積む方法もあります。現在、どの企業もエンジニアやプログラマーが不足しているのが原状です。そのため「未経験者OK」という採用も増えています。その場合、未経験者でも企業の技術研修を受けた上で、実務経験を積むことが可能です。

まとめ

システム開発とは、企業や自治体などが抱える課題を解決するための「仕組み」を作る仕事です。実際にシステム開発に関わる職種には プロジェクトマネージャーやシステムエンジニア、プログラマーなどの職種があります。

また、システム開発のステップは7つあり、おおむね共通した流れで進んでいくことも理解しておきましょう。システム開発のスキルを身に付けるには、独学やスクールで学べるほか、未経験で企業に入社して学ぶことも可能です。

エンジニアとして活躍できるように、自身に必要なスキルを見極めましょう。

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