半導体のはなし
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2024.07.05

「n型半導体」と「p型半導体」とは?「pn接合」についても解説!

半導体のn型p型のイメージ

半導体は、「n型」「p型」と呼ばれる2つの型が存在します。それぞれに性質や特徴、そして由来があります。またこの2つを結合させた「pn接合」や、半導体の性質や材料など基礎部分も併せわかりやすく簡単に解説しています。

はじめに

半導体には、「n型」「p型」と呼ばれる半導体が存在します。この2つの型には、それぞれの性質や特徴そして由来があります。

半導体と言えば、「導体」や「絶縁体」・・・・などが基本であり、半導体の世界も幅広いため、この2つの型を初めて知る方も多いのではないでしょうか?

今回は、半導体の「n型」「p型」について、そのほか半導体の性質や材料、「pn接合」についても併せて解説していきます。

半導体の性質や材料

半導体は、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」、それぞれ中間の性質を持つ物質です。

・「導体」・・・電気を通す(金・銀・銅・アルミニウム・鉄など)

・「半導体」・・・条件によって電気を通したり、通さなかったりする(シリコン/ケイ素、ゲルマニウムなど)

・「絶縁体」・・・電気を通さない(ゴム、プラスチック、ビニールなど)

半導体の性質が変わる理由には、温度が関係しています。半導体が高温の状態では、電気が通しやすい「導体」となり、反対に低温の状態では電気が通りにくいことから「絶縁体」となります。

また、半導体の材料としてシリコン/ケイ素やゲルマニウムなどがあげられます。これらは真性半導体と呼ばれる不純物が入っていない単結晶の半導体です。

純粋な単結晶は、電気が通りにくいため微量の不純物(リンやヒ素など)を混ぜ、電気を通しやすくします。どの不純物を混ぜたかにより「n型」か「p型」に分類されるというものです。

半導体の性質や材料

「n型半導体」「p型半導体」とは?

「n型半導体」とは、負電荷の自由電子によって電気伝導が起こる半導体のことです。電圧をかけると自由電子がプラス局側へと移動、その結果、電流が流れ出します。自由電子は電気を運ぶ役割=キャリアとも呼ばれています。

一方、「p型半導体」には自由電子が存在しません。しかし、正孔(ホール)と呼ばれ電子が抜け出た穴が存在し、この穴に隣り合うプラス(+)の電子が自由電子のような役割をしているのです。

この2つの半導体の特徴と構造から、負電荷を持つ「n型半導体」はnegative(ネガティブ)の頭文字を取り「n型」、正電荷を持つ「p型半導体」は、positive(ポジティブ)の頭文字を取り「p型」と呼ばれています。

「pn接合」とダイオード

 「p型半導体」と「n型半導体」の接触面をpn接合と呼びます。pn接合は、整流性と言い電流を一方向のみに流しやすい性質を持つことから、半導体素子であるダイオードやトランジスタに利用されています。

本記事では、ダイオードを例にあげ解説していきます。

ダイオードは、「p型」のアノード(陽極)から「n型」のカソード(陰極)に向かって電流を一方向に流し、逆方向へ流れる電流を阻止する働き(整流作用)の特性を持ちます。ダイオードが電気を流すしくみは、電気を運ぶキャリアの自由電子と正孔が結合し消滅、キャリアが不足状態となり空乏層ができます。そこへ、プラス(+)とマイナス(-)の電荷が次々と流れ込み、結合、消滅を繰り返します。これが順方向接続と呼ばれ、電気が流れ続けるしくみや理由でもあります。

ではダイオードは、どのような役割を担っているのか見ていきましょう。

1.整流作用・・・電流を一方向のみに流す、交流電流のうち順方向のみを取り除く

2.電圧抑制・・・過電圧からの回路を保護する

3.検波・・・ラジオなどの無線信号から音声信号を取り出す

4.電流変換・・・光を電流に変える(光に当たっている間は太陽電池として、電圧を加えている状態ではダイオードとして働く)

ダイオードは半導体の中でも基本的な部品でもあり、パソコンやスマートフォンなど私たちの身の回りの製品として幅広く活用されています。

半導体のn型p型イメージ

まとめ

今回は半導体の性質や材料、「n型」「p型」それぞれの特徴や由来、「pn接合」された半導体についてわかりやすく解説いたしました。

・半導体は、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」2つの中間性性質を持つ物質である

・「n型半導体」=negative(ネガティブ)の頭文字を取り「n型」、キャリアは自由電子

・「p型半導体」=positive(ポジティブ)の頭文字を取り「p型」、キャリアは正孔(ホール)

・「pn接合」は、電流を一方向のみに流しやすい性質を持つことから、半導体素子であるダイオードやトランジスタに利用されている

「n型半導体」や「p型半導体」については、なぜそう呼ばれているのか由来についても解説いたしました。

その覚えやすさから、身近である半導体がより身近に感じたように思えます。まだまだ知らない半導体について一緒に学んでいきましょう。