半導体のはなし
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2023.08.04

半導体製造の「企業業態」「工程」「注意点」を解説!

半導体製造工程イメージ

半導体は、とてもデリケートな製品です。そのため企業業態や製造工程を分けることで、開発のコスト削減やスピード感を保ちながら、半導体製造を行えるといったメリットがあります。今回は、半導体製造について企業業態や製造工程などを解説します。

はじめに

半導体は、完成するまでに月日や多くの技術を用いて製造され、スマートフォンやパソコンなどの電化製品、自動車などに使用されるようになります。

私たちの日々の暮らしの中で、便利さや安心を追及できるのも丁寧な製造工程や最新技術が用いられているからこそなのです。

そこで今回は、半導体がどのような過程を経て製品化されているのか、企業業態や製造工程についても

解説していきます。そのほか、半導体製造における注意ポイントも併せて解説していきます。

半導体企業業態は4つに分類

半導体メーカーの業態は、主に以下の4つに分けることができます。

1.IDM開発、設計、製造、組み立てや試験、販売を一括
(IDM=Integrated Device Manufacturerの略)
2.ファブレス設計、製造、組み立てや試験、販売
3.ファウンドリー製造のみ
4.OSAT半導体の後工程の組み立て検査や試験
(Outsourced Semiconductor Assembly and Testの略)

4つの業態に分けることで、開発のコスト削減やスピード感を保ちながら、テクノロジーの進化に対応していけるといったメリットがあります。特にファウンドリーであるTSMC(台湾)やUMC(台湾)は、先進技術も高く重要な役割を担っています。

半導体製造イメージ

半導体製造は3工程

半導体の製造工程は、大きく分けて『設計』『前工程』『後工程』の3つに分けることができます。

1.設計・・・フォトマスク(原版)にパターンを設計

2.前工程・・・洗浄(4段階による洗浄の後、乾燥)→イオン注入(不純物原子のイオン化)・熱処理→リソグラフィ(基盤となるウエハに転写)→エッチング(配線等の形状に加工)→成膜(ウエハ上に金属薄膜層を形成)→平坦化、この6工程を何度も繰り返しウエハ特定検査を行う

3.後工程・・・ダイジング(ウエハ上に作られた数百個のチップを切り離す)→パッケージング(切り離したチップを損傷から保護する)→最終検査

前工程では、ウエハ上での作業となり集積回路(IC)の形成を行うというものです。作業完了までには約3か月。実際には、600もの工程と多くの技術が加わっています。後工程では、良品のみがチップとしてパッケージングされ、最終検査に合格したものが出荷となります。

半導体製造における注意ポイント2つ

半導体は非常にデリケートな製品であることや、常に新しい技術が求められるため、製造工程においても

注意ポイントが2つあります。

【注意ポイント1.】

常にクラス1~100(ハイレベルな塵埃管理)のクリーンルームを保つ!

半導体は、わずかなほこりや細菌が付着することで、ショートする原因となってしまいます。クリーンルームに入室前にも、エアーシャワーで衣服に付着したほこりや髪の毛を取り除きます。

【注意ポイント2.】

常に顧客のニーズに合った半導体を製造する必要がある! 日々最新の製品が求められるように、半導体の進化が求められます。半導体は、半導体製造装置の質がそのまま反映されるため、必要に応じて入れ替えておくことが重要です。

クリーンルームでエアーシャワーを浴びてる様子

まとめ

今回は半導体製造における業態や製造工程、製造における注意点についても併せて解説いたしました。

半導体は、先述したようにほこりや細菌に弱く非常にデリケートな製品です。そのため多くの手間や時間をかけて、ようやく製品化され家電製品や自動車として店頭に並ぶことになります。

半導体不足を取り戻すため、各企業では増産が行われています。製品化されるまでの過程を知ることで、改めて身近にある製品へのありがたさを感じるとともに、モノを大切にする気持ちも沸いてくるのではないでしょうか。