製造業・工場のお仕事
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2023.11.10

生産管理に資格は必要?おすすめの資格と取得メリットを紹介

生産管理の仕事には、特別な資格は必要ありません。しかし、関連する資格を取得することで、生産管理の職務に就きやすくなるだけでなく、より質の高い仕事ができるようになります。おすすめの資格と資格取得のメリットを紹介します。

そもそも生産管理とは

生産管理の女性

生産管理とは、製造業において材料・原料調達から出荷までの全ての工程を管理する仕事です。生産工程の仕組み化や設計、人員配置、流通など、生産にかかわる全ての業務の管理も含まれます。

生産管理をおこなうことで、製造がスムーズに進むだけでなく、生産工程における課題を早期に発見し、より効率性の高い仕組みの構築や製品の品質向上・社会的信用の獲得が可能になります。競争力ある企業として成長するためにも、生産管理の仕事の重要性は高まる一方といえるでしょう。

生産管理の仕事に資格は必要?

生産管理の仕事には、特定の資格は求められません。しかし、生産管理に関連する資格を持っていることで、生産管理の仕事に就きやすくなります。転職を考えている方であれば、仕事の選択肢が広がるでしょう。

また、生産管理業務の経験年数が増えることで、管理職などの役職に就きやすくなります。キャリアアップにも有利になるため、ぜひ資格取得を目指しましょう。

資格取得のメリット

資格取得後の給与支給明細書

資格を取得するためには、時間もお金もかかります。しかし、決して無駄なことではありません。新しい知識や技術を習得できるだけでなく、仕事に関連する資格であれば実務に活かし、より良い成果を得られることもあるでしょう。

また、次のメリットもあります。

昇給・昇進の可能性がある
転職で有利になる可能性がある

それぞれのメリットについて説明します。

昇給・昇進の可能性がある
会社によっては、特定の資格を有していることが昇給・昇進の条件とされていることもあります。また、資格手当を支給している会社なら、手当の対象資格を取得することで年収が増えます。

たとえば資格手当が月1万円でも、年収では12万円の増加です。資格取得に費用がかかったとしても、長期的に見れば十分に回収できるでしょう。

転職で有利になる可能性がある
資格取得は、自分自身の市場価値を高めることにもなります。直接業務に役立つ資格であれば、採用の可能性が高まるだけでなく、高い役職に就ける可能性も高まります。

また、業務に関連のない資格であっても、コツコツと学ぶ姿勢や、着実に成果を出す人間性をアピールすることが可能です。転職の際にほかの求職者と差別化ができ、採用に有利になることがあります。

生産管理の仕事におすすめの資格

資格取得の勉強

生産管理の仕事を目指すなら、次の資格がおすすめです。

・ビジネス・キャリア検定試験
・中小企業診断士

いずれの資格もビジネスにおいて幅広く活用できるため、キャリアアップにつながることもあります。受験条件や試験範囲、合格率、受験費用などについて詳しく見ていきましょう。

ビジネス・キャリア検定試験

ビジネス・キャリア検定試験とは、人事・人材開発、営業・マーケティング・生産管理、企業法務・総務などのビジネスに関わる8分野41試験から選択できる試験です。厚生労働省が定める職業能力評価基準に準拠し、延べ受験者数は60万人を超える実績のある試験で、転職の際にも評価されやすいというメリットがあります。

ビジネス・キャリア検定試験の41の試験のうち生産管理に関連する試験としては、次のものがあります。

・生産管理BASIC
・生産管理プランニング
・生産管理オペレーション
・生産管理

生産管理BASIC

生産管理BASICとは、製造工程の全体像を把握し、コミュニケーションを円滑に図るために必要な知識についての試験です。業務の前提となる基本的用語や概念などが出題されます。

受験条件なし
試験範囲生産システムと生産計画の基礎
製品企画
工程管理基礎
作業管理と設備管理の基礎
資材・在庫管理と物流管理の基礎
品質管理
原価管理
納期管理
安全衛生管理
環境管理
合格率約70%
受験費用3,300円

生産管理プランニング

生産管理プランニングとは、製造計画を立てるために必要な知識についての試験です。2級と3級があり、2級は実務経験5年以上、3級は3年以上が目安となります。

受験条件なし
試験範囲製品企画
設計管理
設計工程管理
生産システム
工程管理
工場計画と設備管理
品質管理
原価管理
納期管理
安全衛生管理
環境管理
合格率2級(約40~55%)、3級(約70%)
受験費用2級(7,700円)、3級(6,200円)

生産管理オペレーション

生産管理オペレーションとは、作業工程における管理業務を主に問う試験です。2級と3級があります。

受験条件なし
試験範囲作業管理
職場の改善
工程管理
設備管理
資材・在庫管理
運搬・物流管理
品質管理
原価管理
納期管理
安全衛生管理
環境管理
合格率2級(約45~60%)、3級(約60%)
受験費用2級(7,700円)、3級(6,200円)

生産管理

生産管理とは、生産管理の基礎とプランニング、オペレーションを包括する試験です。「生産管理1級」とも呼ばれ、実務経験10年以上で部長クラスの方を受験対象者の目安としています。

受験条件なし
試験範囲2級生産管理オペレーション、2級生産管理プランニングの全体
テーマ問題
時事問題
合格率約30%
受験費用1,1000円

中小企業診断士

中小企業診断士とは、中小企業の経営課題を診断・助言するための国家資格です。資格を取得することで、経営コンサルタントとして活躍できます。

受験条件なし
試験範囲経済学・経済政策
財務・会計
企業経営理論
運営管理(オペレーション・マネジメント)
経営法務
経営情報システム
中小企業経営・中小企業政策
合格率約30%
受験費用一次試験(14,500円)、二次試験(17,800円)

生産管理のキャリアアップにおすすめの資格

資格取得の勉強道具

すでに生産管理の業務に従事している方は、資格取得によりキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。おすすめの資格の紹介をします。

品質管理検定(QC検定)

品質管理検定(QC検定)とは、品質管理に関する知識を客観的に判断するための試験です。2005年に始まり、学生や社会人など累計66万人を超える方が受験してきました。1級・準1級、2級、3級、4級があります。

受験条件なし
試験範囲品質管理の実践
品質管理の手法
合格率1級(約10%)、2級(約45%)
3級(約55%)、4級(約85%)
受験費用1級(11,000円)、2級(6,380円)
3級(5,170円)、4級(3,960円)
団体割引、2級同時受験の割引などもある

技術士

技術士とは、科学技術に関する専門知識と応用能力、実務経験を有することを証明し、高い技術者倫理を備えた技術者を育成するための試験です。文部科学省所管の認定制度で、産業経済から社会生活までの21の技術部門をカバーします。

受験条件特にないが、大学や大学院で関連単位を取得している場合は第一次試験の受験を免除される。また、大学院で関連単位を取得している場合は、第二次試験受験に必要な実務経験の年数を2年を限度として免除される
試験範囲機械部門
化学部門
建設部門
森林部門
応用理学部門
総合技術管理部門
船舶・海洋部門
繊維部門
上下水道部門
推算部門
生物工学部門
航空・宇宙部門
金属部門
衛生工学部門
経営工学部門
環境部門
電気電子部門
資源工学部門
農業部門
情報工学部門
原子力・放射線部門
 
なお、いずれの部門も大学のエンジニアリング課程修了程度の知識が問われる
合格率第一次試験(約40%)、第二次試験(約10~15%)
受験費用第一次試験(11,000円)、第二次試験(14,000円)

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)とは、プロジェクトマネジメントに関する国際資格です。プロジェクトマネジメントの経験や知識を測り、プロフェッショナルとして活躍できる水準にあることを確認します。

受験条件次のいずれかの資格を満たしていること
 
高校卒業以上、なおかつ、60カ月以上にわたる一意かつ重複しないプロジェクトマネジメントの実務経験
4年制大学卒業以上、なおかつ、36カ月以上にわたる一意かつ重複しないプロジェクトマネジメントの実務経験
GAC認定プログラムによる学士号取得または大学院卒業以上、なおかつ、24カ月以上にわたる一意かつ重複しないプロジェクトマネジメントの実務経験
試験範囲コンフリクトの管理
チームパフォーマンスのサポート
チーム形成
チームの行動規範の形成
チームパフォーマンスの向上
コミュニケーションの管理
リスク評価 など
合格率公表していない
受験費用555USドル(PMI会員は405USドル)

TOEIC

TOEICとは、世界160ヶ国で実施されている英語試験です。合否はなく、英語によるコミュニケーション能力を点数で評価します。

受験条件なし
試験範囲Listening & Reading
Speaking & Writing
合格率TOEIC® Listening & Reading Test:
600点 程度(10~990点)
TOEIC® Speaking & Writing Tests:
Speaking 130点程度(30~200点)Writing 150点程度(10~200点)
受験費用TOEIC® Listening & Reading Test:7,810 円
TOEIC® Speaking & Writing Tests:10,450 円

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験とは、IT技術者の登竜門としての位置づけの試験です。ITに関わる業務に携わる方が必要とする知識を網羅しているため、応用力や発展力を習得しやすくなります。

なお、さらに基礎的な内容を網羅した「ITパスポート試験」や、応用力を問う「応用情報技術者試験」などもあります。ITの経験や知見に応じて、適切な資格を受験しましょう。

受験条件なし
試験範囲基礎理論
コンピュータシステム
技術要素
開発技術
プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント
システム戦略
経営戦略
企業法務
合格率約50~60%
受験費用7,500円

まとめ

生産管理は、多くの会社で必要とされる業務です。特別な資格は必要ありませんが、関連する資格を取得することで、生産管理の業務に携わりやすくなり、実地経験を積むことが可能になります。

また、生産管理を理解することでより深く産業全体を理解できる点もメリットです。職業の選択肢を広げるためにも、生産管理の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などの関連国家資格を取得すれば、製造業だけでなくIT系企業などを目指すときにも役立ちます。

ウイルテックでは、一人ひとりのスキルアップを応援しています。モノづくりに特化した当社だからこそ、生産管理のお仕事に活かせる資格取得をバックアップする資格取得支援奨励制度があります。資格は強みやアピールポイントになります。将来に向けてステップアップを目指しましょう。