製造業・工場のお仕事
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2023.11.10

品質管理とはどんな仕事?内容や仕事のやりがい、向いている人を解説

完成品の品質を検査しているウイルテックの従業員

品質管理とは、製品の製造工程で不良品が出ないように管理する仕事です。企画から納品まで、製品の品質を維持するために必要な管理・検証・改善を行います。 本記事では品質管理の仕事内容や品質保証との違い、やりがいやきついと感じるところなどを解説します。

品質管理の仕事内容とは?

品質チェックをしているウイルテックの従業員

品質管理とは製品の品質を管理する仕事で、生産工程の計画から管理、検証まで幅広い業務を行います。

品質管理の具体的な仕事内容はメーカーや業界によって異なりますが、一般的な仕事内容は、主に以下の3つに分けられます。

・生産ラインでの品質管理

・原料や部品の品質管理

・完成品の品質管理

それぞれ、詳しくみていきましょう。

生産ラインでの品質管理

生産ラインでの品質管理では、以下の3つの管理により製品の品質を保証します。

・工程管理

・品質検証

・品質改善

工程管理とは製品づくりの進行を管理することで、材料の加工・運搬・検査など製造工程の全てを対象とします。確かな手順で作業できるよう作業手順を標準化し、求められる品質を備えた製品を作れる人材を育成するための教育訓練を行います。また、設備能力を維持するための管理も必要です。

品質検証は、製品の原材料や部品などの材料および生産工程を検査し、品質を保証する作業のことです。

品質改善とは、不良品の発生や不具合などを未然に防止し、実際に問題が起きたときは原因を解明して再発防止の対策を行うことを指します。

原料や部品の品質管理

原料や部品の品質管理では、外注先から提供された原料や部品が定められた基準・規格内にあるかを検査する工程です。

また、外注先に対し、正常に品質管理が行われているかをチェックする品質監査も品質管理の業務に含まれます。外注先の品質管理も社内の品質管理の一部と考え、品質意識の向上や品質保証体制を整備するため、外注先の実態を把握して品質保証体制を自社のレベルまで上げることが重要です。

完成品の品質管理

製造工程の最終段階で、完成品を検査する工程です。製品や工程が正常であることを検証し、品質を保証します。不具合品を出荷してしまうと顧客からのクレームや製品回収などが起こり、信用の低下や損失の発生につながります。そのような事態を防ぐため、高い管理基準で品質管理が必要になる工程です。

品質基準の判断に用いられるのは、日本産業規格(JIS)や国際規格(ISO規格)などがあります。製品の強度や耐久性などの品質要求を満たすかどうかを破壊して確かめる「破壊検査」、もしくは破壊せずに欠陥などの状況を調べる「非破壊検査」などが行われます。

品質管理と品質保証の違い

虫眼鏡を持っているウイルテックの従業員

品質管理と似た言葉に品質保証があります。品質保証とは、自社製品が必要とする品質を維持しているかを確認し、納品後も顧客に安心と満足を保証するために行う仕事です。品質管理・品質保証のどちらも高品質な製品づくりに欠かせませんが、仕事内容が異なります。

品質管理は主に生産から販売までの一連の流れを管理することを指しますが、品質保証は製品の品質を保証するため、さらに広範囲な業務を行うのが特徴です。

具体的には、製品が販売された後のアフターサービスやクレーム対応までもがその業務に含まれます。 ただクレームを処理するだけではなく、顧客の反応を見て課題やニーズを洗い出し、その内容を各部門へフィードバックし、求められる品質の確保に努めるまでが仕事です。

これに対し、品質管理の仕事は、企画から製品を完成するまでの段階であり、不良品を出さずに納品することが重要です。製造工程の改善を通じて品質確保を行います。

仕事内容は異なっても、製品の品質をより良くし、顧客への責任を果たすという点で役割は同じです。

品質管理の仕事のやりがい

ウイルテックの女性従業員

品質管理の業務は幅広く、さまざまな知識が身につき経験を積める仕事です。製品の品質を維持し、顧客に満足してもらえることでやりがいを感じます。

ここでは、品質管理の仕事で得られるやりがいを紹介します。

さまざまな知識や経験が身につく

品質管理は生産工程の計画から管理、検証までの業務を担います。幅広い業務に携わるため、さまざまな知識・スキルが身につくことがメリットです。

品質管理の仕事が初めての人は経験を積むことができ、品質管理業務の経験がある人は即戦力となって活躍しながらより深い経験を積んでキャリアアップできます経験や知識を身につけて成長できるため、大きなやりがいを感じられるでしょう。

達成感がある

生産工程全体の業務を担当する品質管理は、製品の品質を維持するために重要な役割があります。製品の品質を守ることで顧客に満足してもらえ、会社の信用も上がります。会社のイメージ・ブランドを守ることにつながるでしょう。会社や社会に貢献しているという実感を得られます。

また、品質管理は現場とチームとなって企画・開発・製造に携わるため、各部署のメンバーと共同作業を行い、達成感を味わえるのもやりがいが感じられる点です。

品質管理の仕事のきついところ

人差し指を立ててポーズをとるウイルテックの男性従業員

品質管理はやりがいが大きいものの、大変な側面もある仕事です。責任が重く、さまざまな業務にかかわります。覚えることも多く、きついと感じることもあるでしょう。

品質管理の仕事できついと感じるところを紹介します。

責任が重い

製品の品質は会社の信頼度を左右するため、品質管理は責任の思い仕事です。万が一、小さな欠陥に気付かず製品を出荷してしまった場合、大きな問題となりかねません。クレームにつながり、会社の信用を失うことにもなるでしょう。

お客様に高品質な製品を提供し、その信頼を築いていくことが品質管理の仕事です。小さな欠陥に気付いて改善することは責任が重い反面、製品の品質を向上させ、お客様の満足度を高める手助けとなるやりがいのある仕事ともいえるでしょう。

幅広い業務への対応が必要

品質管理は幅広い業務に対応し、知識や経験が身につくというメリットがある反面、覚えることも多い仕事です。生産工程の計画から改善、管理までさまざまな業務にかかわり、慣れるまでは負担も大きいでしょう。しかし、これは自身のスキルを向上させるチャンスともいえます。

企画・製造段階では各部署が円滑に業務できるよう、調整する役割も担います。各部署の連携がうまくできないと作業が停滞し、ミスやトラブルの原因になる場合もあります。そのため、コミュニケーションスキルも求められるでしょう。品質管理は多彩な業務を結びつけ、協力と成長の場といえます。

品質管理の仕事に向いている人

品質管理の業務に携わっているウイルテックの従業員

幅広い業務を担当する品質管理の仕事は、誰でもできるというわけではありません。適正がなければ難しい場面もあるでしょう。

ここでは、品質管理の仕事に向いている人を紹介します。

責任感があり、冷静な対応ができる

品質管理は責任の重い仕事であり、常に責任感を持ち、トラブルが起きても冷静に対応できる能力が必要です。

問題が起きないように努めることはもちろん、現場で万が一トラブルが発生したときは、被害を最小限に抑えるための問題解決力が求められます。トラブル後、現場をいち早く立て直すための指導力・判断力も必要になるでしょう。

リスクマネジメント力がある

高品質の製品を作るには、問題を未然に防ぐリスクマネジメントのスキルが必要です。工程で発生する小さな変化が製造する製品に与える影響は大きく、早急に対応しなければ損害を大きくする場合もあります。製造工程を見渡し、人員配置や設備の状態など、作業に従事するスタッフが気付かない部分にも目を行き渡らせる観察力が求められます。

コミュニケーション力がある

品質管理では製品や設備だけでなく、現場で作業を行うスタッフとのコミュニケーションも大切です。活発にコミュニケーションをとることで、気付かなかった問題点を発見できる場合もあります。

スタッフとの頻繁なやり取りにより、スタッフのメンタル面にも配慮できます。メンタル面でのサポートも行うことで生産効率を高め、トラブルを未然に抑制できるでしょう。

成長への意欲がある

幅広い業務に携わる品質管理は、多くの知識やスキルが求められます。また、品質をさらに高めていくためには、最新の情報をキャッチし、新しい知識を取り入れていくことも欠かせません。

常に知識やスキルを高めることを意識し、日ごろから勉強を怠らない成長意欲があり、向上心のある人が品質管理の仕事に向いているといえるでしょう。

品質管理の仕事に有利な資格は?

資格と書かれた画像

品質管理の仕事に就く際に必要な資格はありませんが、転職活動や業務に役立つ資格はあります。

ここでは、品質管理の仕事に有利な2つの資格を紹介します。

品質管理検定(QC検定)

品質管理検定(QC検定)は、筆記試験により品質管理に関する知識がどの程度あるかを客観的に評価する検定です。「QC」は、品質管理の英訳である「Quality Control」を省略したものです。QC検定は9月と3月の年2回実施され、合格者は全国で累計66万名を超えています。

検定のレベルは1級/準1級から4級まであり、どの級からでも受検できます。それぞれの対象になる人は、以下のとおりです。

1級/準1級は、品質管理部門のスタッフなど、品質管理全般についての知識が要求される業務に携わっている人を対象とします。具体的には、すでに品質管理のリーダーとして活動しているか、今後そのような立場に立つことを予定している人が対象であり、難易度はかなり高くなるでしょう。

2級は、職場で発生する品質管理の問題を「QC7つ道具」など手法を活用し、基本的な管理・改善活動を実施できるレベルにある人が対象です。

QC7つ道具とは、品質管理の各種データの整理・関係性の分析に役立つ手法を指します。

3級は、QC7つ道具などの手法を理解している人や、大学などで品質管理を学んでいる学生が対象です。

4級は品質管理の初学者や新入社員、初めて品質管理を学ぶ学生などを対象にしています。

マネジメントシステム監査員検定

マネジメントシステム監査員検定とは、監査員が実際の監査で、一般的知識を活用できるレベルにあるかを確認する検定試験です。

マネジメントシステムとは、「企業の経営を管理する制度」であり、経営目標を達成するために組織を適切に指揮・管理するための仕組みを指します。そのシステムが正常に機能しているかどうかをチェックし、企業経営が順調に目標を達成するために重要な役割を果たすのがマネジメントシステム監査員です。

監査員は企業内で認定できるため、力量を客観的に評価することが難しいとされています。しかし、マネジメントシステム監査員検定の資格を取得することで客観的な力量を把握することが可能です。

検定試験は個人検定と団体検定の2種類があり、個人検定は「ISO 9001:2015 品質マネジメントシステム」など5つの対象規格について中級・上級に分けて試験が行われます。

中級はこれから監査員を目指す人や、現在、監査員として活動されている人が対象です。

上級は監査経験があり、監査リーダーとして活動している人か、活動する予定の人が対象となります。

まとめ

半導体の品質の仕事をしているウイルテックの従業員

品質管理とは、製品の品質基準と生産工程を管理することです。製造業において、品質と納期は会社の信用に関わるもので、製品の納期を守り、決められた品質を維持することが欠かせません。幅広い業務に携わり、やりがいがある一方で責任が重い仕事でもあります。

品質管理の仕事をするのに資格は必要ありませんが、取得しておくことで役に立つ資格もあります。品質管理の仕事に興味のある方は、チャレンジしてみるのもよいでしょう。

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