製造業・工場のお仕事
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2024.02.22

機械設計エンジニアとは?やりがいや仕事内容をわかりやすく解説

図面の勉強をする機械エンジニア

機械設計とは機械の形状や動く仕組みを具体的な設計図に起こすことです。機械といっても精密機械から巨大な装置までさまざまですが、どのような機械の設計にも幅広い知識や技術が必要です。 本記事では機械設計の業務内容ややりがいを紹介します。また、必要なスキルや知識、役立つ資格についても紹介していますので、機械設計エンジニアへの転職を考える方はぜひ読んでみてください。

機械設計とは?

機械の歯車

機械設計とは、ある目的を果たすための機械の形状や動く仕組みを具体化することです。例を挙げると家電製品は「洗濯する」「掃除する」などの目的を達成するために、モーター、ポンプ、羽根などの部品を組み合わせて設計されています。

精密機械から巨大な装置まで、一口に「機械」といっても多くの種類があります。これらのあらゆる機械を具体化する仕事が機械設計です。

また、機械設計は「構造設計」「機構設計」の2つに分類できます。構造設計とは、機械の動かない部分を設計することです。機械の外側の部分である外装や筐体(きょうたい)、ネジや歯車などの部品を、デザインや強度なども考えて設計します。機構設計とは、機械の動く部分を設計することです。モーターやギヤなど、実際に動く部品や仕組みを設計します。

機械設計の5つの工程

機械設計には以下の5つの工程があります。

・構想設計

・基本設計

・詳細設計

・生産設計

・デザインレビュー

構想設計でコンセプトや方向性を決め、基本設計から詳細設計で細かく内容を詰めていきます。生産設計は製作現場の意見を反映して設計を改良する工程です。デザインレビューはそれぞれの工程ごとに行い、品質の向上を目指します。

以下では、それぞれの内容を解説します。

1.構想設計

構想設計は、製作する機械のコンセプトを方向づける工程です。市場に売り出すものであれば、ターゲットの選定や求められる性能などの市場調査や情報収集が必要です。顧客の注文によるものであれば、顧客の希望や予算なども反映します。どのような材料や技術が必要かを考えて、納期までに実現できる品質やコスト、大まかなデザインなども決めていきます。

さまざまな情報を必要とするため、他部署との連携や外注先との交渉が必要です。構想設計は、機械の目指す方向性を決定づける重要な工程です。

2.基本設計

基本設計では、構想設計で決めた概要をもとに、より具体的な設計に入ります。機械や部品のサイズや形状、目的を果たすために必要な動きや活用する技術、部品やインターフェースの配置などを具体的に決める工程です。

具体的には、CADを使って具体的な数値や形に落とし込み、構想の内容を果たせるか、想定の通りに動作するのかなど、シミュレーションを行い工学的に検証しながら進めます。

3.詳細設計

詳細設計は、基本設計で決めたことを確定させる工程です。製図システムや解析ソフトを用いて、設計の精度を高めて内容を確定させていきます。不明点や技術的に困難な点などがないように、材料や加工についての知識も活用しなければなりません。

図面は大きく部品図と組立図の2つに分けることができます。部品図では、部品の寸法や材料、寸法の誤差の許容範囲(公差)など、一つひとつの部品の情報を詳細に記載します。組立図では、使用する部品や組み立て方、注意点などの記載が必要です。「BOM」と呼ばれる、必要な部品の一覧表も作成します。

さらに、作図後は問題がないかチェックし、責任者のダブルチェックやトリプルチェックも行います。設計上の小さなミスが大きな問題となる場合もあるため、入念なチェックが必要です。

4.生産設計

機械の設計図

詳細設計が完成したら、製造の現場の視点で設計をチェックする「生産設計」を行う場合もあります。人的コストや材料コストなどを含めた製造原価を下げるために、製造の現場視点で設計をチェックするのが生産設計です。

たとえば工場で部品を作るよりも、一般的に流通しているものを仕入れて加工するほうが、工程を短縮できる場合があります。また「この材料でこの公差内に収めるのは難しい」という場合もあるでしょう。このような現場視点の意見を反映して、設計を改善します。

5.デザインレビュー

構想設計から生産設計までの工程ごとに、デザインレビューを実施する会社も増えています。社内の各部署の責任者や有識者によって内容を確認し、次の工程に移っていいかを判断する作業です。機械の仕様や機能について、以下のような意見を出し合います。

・コンセプトに沿っているか、ニーズから外れていないか

・安全面や使いやすさはどうか

・コストはかかりすぎてはいないか

・納期内に完成するかどうか

・環境への負荷はどうか

・法令や規制を守っているか

さまざまな面から設計への評価を行い、必要に応じて改善を重ねます。各工程にひと手間加わりますが、品質の向上やクレームの防止に役立つ工程です。

機械設計エンジニアのやりがいとは?

大型の機械

自分の設計したものが世に出て使われることは、機械設計エンジニアのやりがいの1つです。

自分の技術やアイディアが形となり、世の中の役に立っていると実感できれば、大きな満足感を得ることができるでしょう。

機械が完成するまでには多くの人が携わるため、完成したときの喜びは非常に大きいものです。チームでの連帯感や達成感もやりがいといえるでしょう。

機械設計に必要なスキルや知識

機械設計には以下のスキルや知識が必要です。

・コミュニケーションスキル

・CADやCAMに関するスキル

・4大力学に関する知識

・論理的思考力

・忍耐力

専門的なスキルや知識はもちろん必要ですが、機械設計を行うには関係者と連携を取るスキルや知識を統合する思考力、根気強く取り組む力も求められます。

それぞれの内容を解説します。

コミュニケーションスキル

機械設計はただ図面を書く仕事ではありません。機械の使われる環境やニーズを把握し、最新の技術や素材を活用するためには、他部署や外注先などとの連携が必要です。

多くの人が関わるため、さまざまな意見や方法から適切な答えを見つけ出して形にしなければなりません。そのため、細やかなコミュニケーションのスキルが求められます。

CADやCAMに関するスキル

機械設計を行うには、設計図を書かなければなりません。そのためには、CADやCAMなどのソフトウエアやシステムを使いこなすスキルが不可欠です。

CADとは、パソコン上で効率的に製図ができるソフトです。手書きに比べて手間を格段に省略でき、汎用性の高いものから建築や土木など専門分野に特化したものまで豊富な種類があります。平面や断面の図を描ける2DCADと、立体的な図面データを描ける3DCADがあります。

CAMとは、図面通りの寸法に素材を切り出すために使われるツールです。たとえば、パーツの寸法をCADで製図し、その通りのものを工作機械で切り出すためには、工作機械に指示をしなければなりません。

そのためには、工作機械が対応できる数値制御プログラムを作り、読み込ませる必要があります。CADのデータを数値制御プログラムに変換するのがCAMです。これらが1つのシステムでできるものもあります。

4大力学に関する知識

パソコンで図面を書く機会設計のエンジニア

多くの知識を必要とする機械設計において、とくに4大力学の理解は欠かせません。4大力学とは、以下の力学の総称です。

・機械力学

・材料力学

・熱力学

・流体力学

機械力学では、機械の動きによって生じる力を扱います。機械が動くときにどのような力が生じるのか、機械自体にどのような力がかかるのか、どのような動作によって力が生じるのかといった知識は、機械を正確に動かすために不可欠です。機械力学は機械設計の基礎となる学問です。

このほか、材料選びや使用環境に対応するためには、材料力学や熱力学、流体力学の知識も求められます。

加えて、最新の技術についてもアンテナを張り、勉強を続けていくことも大切です。

論理的思考力

4大力学などのさまざまな知識を身に付けるだけでなく、それらを統合して設計に活かすことも大切です。そのためには、知識を体系的に理解し、筋道を立てて論理的に考える力が求められます。

またあらゆる可能性を想定したり、解決方法を導き出したりするためには、一つひとつの根拠を確認しながら、論理的に仮説を組み立てる必要があります。

忍耐力

機械設計は試行錯誤の繰り返しです。図面では問題ないと思っていたものが、実際はうまく作動しない場合もあるでしょう。問題があったときには迅速に対応して原因を究明し、改善したものを根気よく作る忍耐力も時には必要です。

機械設計の技術を身に付けるには、経験を積むことも大切です。よって、なかなか大きな仕事を任せてもらえないという下積みの時期を乗り越えるためにも、忍耐力は必要となるでしょう。

機械設計の仕事に役立つ資格

機械設計のエンジニアとして働くウイルテック」の従業員

機械設計エンジニアとして仕事をするためには、以下の資格や認定試験が役立ちます。

・機械設計技術者試験

・CAD利用技術者試験

・CAD実務キャリア認定

受験資格の要件がなく、誰でも受験できるものもありますので、転職前に受験しておくことで基礎知識を身につけることができるでしょう。

機械設計技術者試験

機械設計技術者試験は、機械設計に関する能力を評価する民間の認定試験です。1級・2級・3級があり、特に3級は受験資格の要件がないため、誰でも受験できます。未経験の方でも、機械設計の仕事に就く際にスムーズに実務に活かすことができるでしょう。

3級は全問マークシート式であり、機械工学の基礎となる8つの分野から出題されます。2級はマークシート式と記述式、1級は記述式と小論文形式の試験です。

CAD利用技術者試験

CAD利用技術者試験は、CADエンジニアの育成を目的とした民間の認定資格です。試験は2次元と3次元で構成されています。2次元には基礎・2級・1級があり、1級はさらに機械・建築・トレースに分かれます。3次元の試験は2級・準1級・1級です。

2次元の試験の基礎は、これからCADを学ぶ人に向けた級です。学習の中でCADの基礎知識を身に付けることで、確実に理解を深めることができるでしょう。

2次元の基礎と2級、3次元の2級は選択式で、級が上がると実技試験も加わります。

CAD実務キャリア認定

一般社団法人コステックエデュケーションが主催する認定試験です。TCADsはスコア式の民間資格で、CADを用いた実務的な技術や技能を図るものです。機械部門と建築部門から選択する方式で、それぞれ学科試験と実技試験があります。

このほか、CADに関する試験には以下のものがあります。在宅でも受験が可能です。

・3次元CADトレーサー認定試験

・3次元CADアドミニストレーター認定試験

・CADアドミニストレーター認定試験

まとめ

打合せをしているウイルテックのエンジニアたち

機械設計はあらゆる機械の形状や動く仕組みを具体的な図面に起こす仕事です。大まかなコンセプトから細かい部品の寸法まで、一連の設計を行います。機械に不具合が出ないように細かい仕様や精度まで設計する、神経を使う仕事でもあります。

機械設計に関わる資格の中には受験資格の要件がないものもありますので、受験しておくと転職に役立つでしょう。また、機械設計の仕事は、未経験でも応募できる求人も多くあります。そのため、機械設計の仕事に興味のある方は、まずは資格取得や未経験歓迎の求人への応募を検討してみてはいかがでしょうか。

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