製造業の職種10選|職種ごとの業務内容・必要なスキルも徹底解説!
日本には製造業の企業が数多く存在しており、幅広い職種での製造業求人が出されています。当記事では、製造業における10つの職種を挙げながら、それぞれの業務内容や求められるスキルについて徹底解説しています。
日本には、ものづくりを行う「製造業」の企業が数多く存在します。製造業の求人は幅広い職種で出されているため、応募前に各職種の特徴を知りたい方も多いでしょう。
今回は製造業の職種10選を挙げて、職種ごとの業務内容や必要なスキルを解説します。製造業界の種類・領域も紹介するため、製造業の企業で働きたい方はぜひ参考にしてください。
目次
そもそも製造業とは?
製造業とは、日常生活で使用する各種製品や企業の事業活動に使われる機械など、さまざまな製品を製造・販売する業種のことです。
製造業は一般的に自社工場を持ち、仕入れた材料・部品を加工または組み立てて製品を製造します。製造業の製造工程は、大きく分けて上流工程・中流工程・下流工程の3つがあります。
製造工程 | 主な役割 |
上流工程 | 原材料を仕入れて、製品の素材を作ります。 |
中流工程 | 素材を仕入れて、製品の部品・パーツを作ります。 |
下流工程 | 製品の部品・パーツを仕入れて、組み立てて製品を製造し、販売します。 |
自動車製造を例に挙げると、上流工程で鉄から板金を作り、中流工程で板金からボディパネルを作り、下流工程でパーツを組み立てて自動車を製造・販売するという流れです。製造業の企業は基本的に3つの工程を分担していて、複数の企業が協力して1つの製品を作り上げます。
ただし、製造業の中には自社工場を持たないファブレス企業も存在します。ファブレス企業は自社で製品の企画・開発のみを行い、製造は他社の工場に委託することが特徴です。
製造業の企業には幅広い領域が含まれていて、製造・販売する製品は人々の生活や企業の事業活動を支えています。社会に欠かせない製品のものづくりに携われることが、製造業で働く魅力です。
企業によっては最先端の産業機械を導入しているケースもあり、最新の技術や知識を学んで自身のスキルアップ・キャリアアップも図れます。
また、製造した製品は市場で販売されるため、広告を見かけたり、店頭で手に取ったりする機会もあります。自分が関わった仕事の成果が目に見える形となり、仕事のやりがいを強く感じられるでしょう。
製造業の職種10選|業務内容と求められるスキルも
製造業とひとくちに言っても、製造業の職種は多岐にわたります。
職種によって業務内容や必要なスキルも大きく異なるため、製造業で働くためには職種ごとの特徴を理解することが大切です。
以下では製造業の職種を10個挙げて、職種ごとの特徴・業務内容・必要なスキルを解説します。
商品企画・設計
商品企画・設計は、自社の新商品を考案し、商品図面を設計する職種です。あらゆる製品は企画・設計が行われた上で生産されるため、製造業において最初の工程を担当する職種と言えます。
商品企画の業務内容は市場や顧客ニーズの調査結果をもとに、利益を見込める新商品の企画を出すことです。自社ブランドとの適合性や競合との差別化、市場のトレンドなどを考慮して、企画を選定・ブラッシュアップします。
設計では、決定した企画をもとに商品図面を設計します。商品の仕様を満たすことはもちろん、予算内で開発・製造ができるように図面設計をしなければなりません。
商品企画・設計で求められるスキルは、主に「発想力」「コミュニケーション能力」「図面作成ができる能力」です。また、作った企画や設計図面がスムーズに承認されるとは限らないため、「忍耐力」があればなおよいでしょう。
研究開発
研究開発は、自社の製品製造に貢献する技術・特許を生み出す職種です。研究開発で生み出された技術は製品製造に用いられて、競合商品との差別化につながる強みとなります。
研究開発の業務内容は、研究する対象に応じて下記の3つに分けられます。
基礎研究 | 研究用途を特に定めず、仮説検証や理論形成を目的として行われる実験的研究のことです。 |
応用研究 | 基礎研究の成果を活用し、定めた目標や用途のために実用化を進める研究を指します。 |
開発研究 | 応用研究や既存製品から得られたデータをもとに、新製品や新材料の開発・改良を目指す研究です。 |
研究開発に必要なスキルは主に、自社事業にかかわる「研究領域の知見」と、継続して研究を行える「忍耐力」です。
生産技術・製造技術
生産技術・製造技術は、生産工程の設計や改善を行い、効率的な生産体制を確立する職種です。工場の生産ラインを作り上げて、製品の品質や製造コストを決定する重要な役割を担います。
生産技術・製造技術の業務内容は、生産設備のレイアウトや設置導入、生産ラインのマネジメントを行うことです。製品を高品質・低コスト化しつつ、生産ラインの安全性も確保する必要があり、関係部門と緊密に連携を取って設備導入と改良を進めます。
生産技術・製造技術に必要なスキルは、生産ラインの課題発見と解決に役立つ「課題解決力」と「コミュニケーション能力」です。近年は生産ラインのデジタル化も進んでいるため、ある程度の「IT知識」も求められます。
生産管理
生産管理は、経営計画・販売計画をもとに製品の生産計画を策定し、工場全体の生産工程を管理する職種です。
生産管理の主な業務内容としては下記の内容が挙げられます。
● 製品の受注管理 ● 生産計画の策定 ● 材料や部品の調達 ● 生産工程の管理 ● 受注品の納期管理 など |
生産計画の策定では、「どの製品を、どの工場で、いつまでに、いくつ生産するか」を決定します。生産計画に間に合うよう、製品の材料や部品も調達しなければなりません。
生産工程の管理では、製品の品質・原価・納期を高水準に保ち、製品を納期内に顧客へと届けられるようコントロールします。
生産管理に必要なスキルは、材料仕入や生産工程を適正に管理する「マネジメント能力」と、トラブルに対処できる「柔軟な対応力」です。無理のない生産計画を立案できる「製品や製造現場への理解力」もあったほうがよいでしょう。
品質管理
品質管理は、生産された製品が規格を満たしていることを確認する職種です。製品の品質を管理することで不良品の流通を防ぎ、安心・安全な製品を顧客に提供することを目的としています。
品質管理の業務内容は、大きく分けて「工程管理」「品質検証」「品質改善」の3つがあります。
工程管理 | 作業手順の標準化や作業員への品質教育を行い、製品の品質を高められる環境を作ります。 |
品質検証 | 製品自体の品質や製造工程を検査し、製品に問題がないかを確認します。 |
品質改善 | 不良品の発生予防や再発防止に必要な改善策を立案・実行します。 |
品質管理に必要なスキルは、品質の検査を入念に行う「注意深さ」や、製品の品質に責任を持つ「責任感」です。
製造
製造は、材料の加工やパーツの組み立てなどを行って、実際に製品を作る職種です。生産技術・製造技術や生産管理で策定された計画・生産工程にもとづき、規定の手順の製品を作り上げます。
製造の業務内容は企業や製品によって異なります。上流工程であれば材料の溶融・混合、中流工程や下流工程では溶接・組み立て・研磨・塗装などを行うケースが多いでしょう。
製造の仕事はルーティンワークが多いため、繰り返しの作業を正確にこなす「集中力」が最も必要です。また、職場によっては重量のある材料・部品を運搬できる「体力」や、化学薬品・危険物を適切に取り扱える「関連資格」も必要なスキルとなります。
営業・販売
営業・販売は、自社製品を顧客へと売り込み、販売経路を作り上げる職種です。製造業の顧客は自社の製造工程によって異なり、上流工程・中流工程の企業は同じ製造業企業や商社が顧客となる一方、下流工程では卸売業者や小売店が顧客となります。
営業・販売の仕事内容は大きく分けて「新規営業」「ルート営業」があります。
新規営業 | 取引実績のない見込み顧客にアプローチをかけて、新規顧客の獲得を目指す営業活動です。 |
ルート営業 | すでに取引がある既存顧客に対して新製品の説明やフォロー・ヒアリングを行い、関係強化を目指す営業活動です。 |
営業・販売で働くには、顧客とのやり取りを円滑に行える「コミュニケーション能力」が重要です。他にも、自社製品の魅力をアピールする「プレゼンテーション能力」や、顧客の課題解決を支援する「提案力」も求められます。
広報
広報は、自社製品の認知度を高め、従業員・株主・顧客・消費者といったステークホルダーと企業の関係構築を図る職種です。企業の存在価値をステークホルダーに発信し、信頼関係を作って支援を獲得することを目的としています。
広報の主な業務としては、下記の内容が挙げられます。
● プレスリリースの配信 ● チラシやWeb広告の出稿● プレスリリースの配信 ● チラシやWeb広告の出稿 ● 展示会や見本市といったイベントの企画、開催 ● 企業SNSアカウントやオウンドメディアの運用 など |
広報の活動先には不特定多数の企業・消費者がいます。中には自社や自社製品の存在を知らない方もいるため、自社の印象を左右する広報は重い責任が伴う仕事です。
広報で働く方には、自社を取り巻く環境の把握に役立つ「客観力」や「データ分析能力」、企業イメージ向上につながる「企画力」が必要です。
法務
法務は、企業の事業活動に関係する法律業務を行う職種です。製造業にはさまざまな法律が関わっており、法務は事業が法律に抵触していないかや、自社の権利が侵害されていないかなどを確認します。
法務の主な業務内容は下記の通りです。
● 秘密保持契約書(NDA)などの契約書作成 ● 製品製造に関する法律の遵守 ● 技術特許や意匠権の管理 ● 金型や製品図面などの所有権の確認 ● 社内で発生した労働問題への対処 など |
法務は一般的に法律関係の資格がなくても採用されるものの、働く上では民法・会社法などの「法律知識や資格」があったほうが便利です。また、企業に海外支社があったり、海外企業との提携をしていたりする場合は、法務の仕事にも「英語力」が求められます。
総務・人事
総務は、企業経営に欠かせない広範な事務を担当する職種です。オフィスの備品管理や書類のファイリング、来客対応・電話対応、株主総会・会議や社内イベントの企画運営などを行います。
一方で人事は、企業の人材を管理する職種です。人材の採用活動や教育制度の整備、人事評価制度の策定、労務管理などを行います。
総務・人事はいずれも多くの人と関わりを持つ仕事であり、ある程度の「コミュニケーション能力」が求められます。他にも、さまざまな仕事を効率よくこなす「タスク処理能力」や「スケジュール管理能力」、発生した問題に対処するための「問題解決力」が必要です。
製造業における業界の種類・領域
製造業への転職を目指すにあたっては、職種ごとの特徴・業務内容を把握するだけでなく、企業が属する業界の種類・領域について理解を深めることも大切です。
製造業は数多くの業界に細分することができ、業界ごとに製造する製品や労働環境に違いがあります。
以下の表では主な製造業の種類・領域を5つ挙げて、それぞれの業界の特徴を簡単に説明します。
製造業の種類・領域 | 詳細 |
食料品製造業 | 野菜・畜肉などの原材料を仕入れて、工場で食品・飲料などに加工して販売する業種です。 |
繊維工業 | 生糸・綿糸・化学繊維などの紡績や織物・染色などを行ったり、衣類・繊維製品の生産を行ったりします。 |
化学工業 | 生産工程に化学反応を利用して、無機・有機化学品や油脂加工製品、医薬品の生産を行います。 |
金属製品製造業 | 鉄鋼・非鉄金属などの金属を使用し、建築用金属製品や暖房装置の製造、金属被覆などの加工を行う業種です。 |
電気機械器具製造業 | 電気設備用の製品や産業用電気機械の器具、電池・電球・電気照明など、電路を構成する機械類を製造する業種です。 |
また、製造業の業種は「基礎素材型産業」「加工組立型産業」「生活関連型産業」の3つに分けることもできます。
基礎素材型産業は、産業の基礎となる材料(木材・鉄・石油など)を生産する産業のことです。「木材・木製品製造業」「鉄鋼業」「化学工業」などがあります。
加工組立型産業は、基礎素材型産業が生産した材料を加工・組み立てて、製品を製造する産業です。「一般機械器具製造業」「電気機械器具製造業」などが該当します。
生活関連型産業は、衣食住に関連する製品を製造する産業です。「食料品製造業」「繊維工業」「飲料・たばこ・飼料製造業」などが主な例です。
まとめ
製造業は、材料・部品を加工して製品を生産する業種です。
製造業には「商品企画・設計」「生産管理」「製造」「営業・販売」などの職種があり、それぞれで業務内容や求められるスキルが異なります。
製造業で働くことを目指す方は、紹介した職種の違いを理解して、まずは自分がどの職種で活躍したいかを決めましょう。製造業は多くの企業が人手を求めており、どのような職種も求人募集が多数あります。
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