製造業・工場のお仕事
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2024.04.19

ライン作業の仕事内容や働くメリット・向いている人の特徴を徹底解説

ライン作業の仕事内容や働くメリット・向いている人の特徴を徹底解説

工場や製造業で働きたい方が求人を探すとき、よく見かける仕事内容として「ライン作業」があります。ライン作業は未経験者でもできる仕事の1つで、多くの工場で行われている製造工程です。コミュニケーションを取らず、ひたすら目の前の作業に集中する時間が多いため、もくもくと1つのことに打ち込むのが好きな方には向いていると言えます。

この記事ではライン作業の業種別の仕事内容や、ライン作業がある職場で働くメリット、ライン作業に向いている人の特徴を解説します。ライン作業に興味がある方は、ぜひこの記事をご覧ください。

ライン作業とは

ライン作業とは、製品の製造工程を複数人で分担し、流れ作業をする仕事です。正確には「ライン生産方式」と呼ばれ、1つの流れ(ライン)に作業員が配置され、分担して流れ作業をする生産方式を指す言葉です。この方式は作業スピードを上げ、1つの製品や部品を大量に製造するために作られました。

ライン作業にはベルトコンベアの前に立ち、流れてきた部品や原料に対して作業するというイメージがあります。ただし、実際はライン生産方式を取る職場での仕事を指しているので、ベルトコンベアを使用しない職場も存在します。

ライン作業の種類

ライン作業は、工程ごとに5つの作業内容に分かれています。

組み立て 組み立ては、機械の部品を組み立てたり、パーツを取り付けたり、配線を接続したりする作業です。組み立ての工程は、細かく作業が分担されており、製品のできばえを左右する重要な作業と言えます。
加工 製品の原料や部品に成型・塗装・溶接・切断などの加工を行う工程です。食材をカットしたり、鉄板を家電の形に成形したりするなど具体的な作業内容は製品によって異なります。
マシンオペレーター マシンオペレーターは、機械を操作してパーツを加工する作業です。具体的には、機械スイッチやコントロールパネルの操作、生産過程のトラブル対処などの作業が挙げられます。
検品 検品は、完成した製品の品質や不具合を確認する作業です。異物混入のチェックや動作チェック、サイズ・重量チェックなどを行います。
梱包 梱包は、完成した製品を出荷可能な状態にする作業です。製品を箱に詰めたり、ラベルを貼り付けたりなど複数の作業工程があります。
仕分け 仕分けは、製品の種類や数量に応じて分類する作業です。梱包やトラックの積み込み作業と同時に行われることもあり、正確さが求められます。

【業種別】ライン作業の仕事内容

ライン作業は、さまざまな製造業で行われています。業種によって仕事内容が異なるため、働く際には、業種ごとの仕事内容も把握しておくことが大切です。

以下では、ライン作業の仕事内容を食品工場・自動車工業・半導体工場の順番で解説します。ライン作業で働きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

食品工場

食品工場では、原材料のカットや調理、盛り付け、パック詰めなど幅広い業務を行います。パンや弁当、お菓子など扱う食品によって仕事内容は異なりますが、基本的なライン作業の仕事内容は、以下の通りです。

  • 仕込み
  • 加工
  • 調理
  • 盛り付け
  • 検査・検品

人が口に入れる物を取り扱っている関係上、衛生面には特に注意が必要です。そのため、食品加工の際には、頭にネットを被ったり、クリーンスーツを着用したりするなど、異物混入を防ぐ対策がされています。また、ほとんどの食品工場ではアクセサリーやネイルなど異物混入が起きる恐れのあるファッションは身につけられない点も特徴です。

食品工場ではまかないや食事補助がある職場が多く、食事に関する福利厚生が充実している可能性が高い点がメリットです。

普段から料理が好きな方や細かな異変にも気づける方は、食品工場のライン作業に向いているでしょう。

自動車工場

自動車製造工場では、自動車に使用する部品の製造や溶接、塗装、組み立てなど幅広い仕事内容があります。扱っている部品や製造過程が多いため、ライン作業の工程を増やして効率化しています。

自動車工場の製造ライン作業は、以下の通りです。

  • プレス
  • 溶接
  • 塗装
  • エンジン製造
  • 組み立て
  • 検査

近年では、自動車工場のライン作業にロボットを取り入れる企業も増えてきています。ロボットを扱う工場では機械操作を行う必要があるため、専門知識を求められる可能性があります。

自動車工場では通常、工程ごとに班(チーム)を分けてライン作業を行うことが一般的です。班異動を行うときもあるため、さまざまなライン作業を経験したい方におすすめです。また、大手自動車メーカーの工場の場合、福利厚生や正社員登用制度などが充実していることが多い点もメリットです。

半導体工場

半導体とは、テレビや洗濯機などの電化製品の心臓部分に使われている部品です。半導体工場では、電子部品を集約したIC(集積回路)やLSI(大規模集積回路)を製造します。

半導体工場の生産ラインでの仕事内容は、以下の通りです。

  • マシンオペレーター
  • 組み立て
  • 検査・検品
  • 仕分け

半導体のマシンオペレーターや組み立てといった作業は一見して難しそうに見えますが、実際は多くの工場でマニュアルが完備されており、専門知識や資格がなくても働けます。しかし、半導体製品製造技能士という資格を所有していると、収入アップが期待できます。

また、非常に繊細な半導体を製造する関係上、半導体工場のライン作業は通常クリーンルーム内で行われる点も特徴です。温度や湿度が一定に保たれ、ゴミもない清潔な環境で働ける作業環境のよさも半導体工場で働くメリットです。

ライン作業がある職場で働くメリット

ライン作業は、立ち仕事であり体力を必要とする業務があります。また、一定のスピードで業務を遂行することが求められるため、仕事内容がきついと感じる方もいるでしょう。しかし、ライン作業には多くの働くメリットがあります。

以下では、ライン作業ならではのメリットを3つ紹介します。

未経験でも働きやすい

ライン作業は、未経験歓迎の求人が多く、製造業に携わったことにない初心者でも働きやすいのがメリットです。

多くのライン作業がある職場では、工程ごとの作業内容をマニュアル化しています。新人作業者への指導方法を確立している会社も多く、未経験でも安心して仕事を始められます。

また、担当する工程が1つだけなので、難しい技術を習得する必要はありません。担当業務を覚えてしまえば役割を果たせるため、未経験でも働きやすい環境と言えるでしょう。

さらに、会社によっては正社員登録制度を設けている場合もあり、未経験から入社して正社員になれる可能性もあります。

コミュニケーションを求められない

ライン作業では、自分に割り当てられた仕事をきちんとこなしていれば、必要最低限以上のコミュニケーションを求められることはありません。

基本的に1人または少人数で作業する仕事を割り当てられるため、ほかの従業員とコミュニケーションをとる機会があまりないのが特徴です。仕事仲間と協力して作業することもほとんどないでしょう。休憩時間以外は黙々と決められた場所で作業を繰り返すだけなので、人間関係のストレスを感じにくい職場です。

また、外部の人や顧客と接する機会もないため、人と関わるのが苦手な方にもおすすめです。

作業内容が簡単で単純

基本的にシンプルな単純作業を割り当てられる点が、ライン作業のメリットの1つです。

製品を完成させるまでには多くの工程があります。すべての工程を1人で行うのは難しいですが、1人が担当する作業は細かく分けられた1つの工程のみです。作業自体も難しくないため、仕事を覚えてしまえばコツをつかんで慣れるまでに時間はかからないでしょう。単純作業の繰り返しなので、複数のことを同時に行うのが苦手な方にも働きやすい職場です。

また、作業内容に関する業務マニュアルが整備されている職場が多いので、専門知識やスキルが不要であり、工場未経験者の方でも作業が可能です。

ライン作業に向いている人の特徴

ライン工場勤務には、メリット・デメリットがそれぞれあり、向いている人には働きがいのある職場と言えるでしょう。ライン作業に向いている人の特徴は、以下の通りです。

  • ものづくりが好きな人
  • 集中力があり、もくもくと作業できる人
  • 未経験で働ける職場を探している人
  • 細かい作業が得意な人

上記の特徴で1つでも当てはまる物がある方は、ぜひライン作業の仕事への応募を検討してみてください。

まとめ

ライン作業では組み立て、加工、マシンオペレーター、検品、梱包、仕分けといった製造工程の作業を各作業者が分担して行います。食品工場や自動車工場、半導体工場など、製造する製品ごとに作業内容や環境が異なるため、事前にどのような作業を行うのか調べておきましょう。

ライン作業は、単純な作業内容であることが多く、未経験の方でもすぐに働き始められます。また、1人での作業が多く人と接する機会が少ないので、人見知りやコミュニケーションが苦手な人でも働きやすい環境と言えます。

ものづくりが好きで、もくもくと細かい作業が続けられる方はライン作業の職場を探してみるのがおすすめです。