製造業・工場のお仕事
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2024.04.19

工場勤務の年収を紹介!高収入の理由や年収アップの方法も解説

工場勤務の年収を紹介!高収入の理由や年収アップの方法も解説

工場での仕事は高収入だと聞いたことがある方も多いでしょう。実際、工場勤務の方の平均的な年収は平均を下回るものの、さまざまな要因によって高収入を目指すことも可能です。

当記事では、工場で働く方の年収や、高収入を目指せる理由を詳しく解説します。人手不足が深刻化する製造業では、安定した職場や待遇のよい職場を見つけることもできるため、業界の平均年収や受け取れる手当について知り、職場選びの参考にしましょう。

工場で勤務すると年収はどのくらい?

正社員で工場勤務する場合の年収は、300万~400万円程度が多い傾向です。月収では約20万~35万円が多く、工場によってはさらに諸手当や賞与が支給されます。

国税庁の調査によると、令和4年の全業種における給与所得者の平均年収は約458万円です。工場で勤務する人の年収は、全体の平均と比較するとやや低めの水準であると分かります。

出典:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」

ただし、工場での勤務はシフト制の交代勤務であり、夜勤帯の仕事も任されるのが特徴です。夜勤手当や残業手当をはじめとする各種手当が付くことで、その分年収も高くなります。

年齢別の給与水準

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、製造業で働く人の年齢別の平均月収は、以下の通りです。

年齢 平均月収
~19歳 184,100円
20~24歳 203,400円
25~29歳 233,800円
30~34歳 261,100円
35~39歳 295,300円
40~44歳 322,800円
45~49歳 340,800円
50~54歳 360,300円
55~59歳 369,900円
60~64歳 275,400円
65~69歳 230,000円
70歳~ 216,000円

出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」

工場勤務は基本的に年功序列であり、キャリアが長ければ長いほど給与も上がります。50代までは、年齢が上がるにつれ安定して給与アップが見込めるでしょう。

工場勤務において収入がピークとなる55~59歳では、月収が約37万円となっています。役職に就けばさらに収入アップが見込め、年収500万円以上を目指すことも可能です。

工場勤務の平均年収が高くなりやすい理由は?

工場勤務について「高収入を実現できる」「効率よく稼げる」といったイメージを持つ人は多いでしょう。工場勤務で高収入を得やすい理由には、手当が充実していることや、昇給しやすいことなどが挙げられます。

ここでは、工場勤務は平均年収が高くなりやすい理由について詳しく解説します。

夜勤が発生するため

多くの工場は生産量アップのために24時間365日稼働していることから、従業員は日勤・夜勤の交代制で働くのが基本です。

工場の交代制勤務には、2交代制と3交代制の2種類があります。2交代制は24時間を2つに分けて12時間ずつ勤務する働き方であるのに対し、3交代制は24時間を3つに分けて8時間ずつ働きます。

夜勤に入ると夜勤手当が支払われ、22時から翌5時の間は基礎賃金の1.25倍の給料を得られます。同じ勤務時間でも日勤より給与が高くなるため、夜勤を希望すれば効率よく収入を増やすことが可能です。

出典:厚生労働省「7.時間外、休日及び深夜の割増賃金」

手当が充実しているため

工場勤務は夜勤手当以外の手当も充実しています。基本給以外に各種手当がもらえるため、年収が高くなりやすいと言えます。

工場勤務で支払われる手当の例は、以下の通りです。

残業手当 勤務時間が1日8時間または1週間で40時間を超えた場合に支払われる手当です。残業時間分の給料が基礎賃金の1.25倍となります。夜勤帯で残業すると夜勤手当と残業手当の両方がもらえるため、基礎賃金の1.5倍の給料を得られます。
資格手当 業務に役立つ資格を有する人に支払われる手当です。対象となる資格や手当の金額は企業ごとに異なりますが、月に数千円、多い場合で1万円ほどが目安となります。
住宅手当 家賃・住宅ローンの補助が支払われる手当です。工場によっては寮を完備しており、無料または格安で利用できるケースもあります。
繁忙手当 繁忙期の勤務に支払われる手当です。1年のうちどのシーズンが繁忙期に当たるかは、工場で製造している商品によって異なります。

工場勤務で高収入を目指す人は、残業や資格取得を通してもらえる手当を増やすのがよいでしょう。

昇給しやすいため

工場勤務は昇給しやすいのも魅力です。長く働けば年功序列で給料がアップしていくため、高収入を得やすいと言えます。

昇給するタイミングは企業によって異なりますが、基本的には1年ごとに昇給するケースが多い傾向です。中には3か月や6か月ごとに昇給できる工場もあり、日給に換算すると300~500円ほどアップするのが一般的です。

昇給制度は正社員だけでなく、パート・アルバイトにも適用されます。また、派遣社員や契約社員は、契約更新のタイミングで給料を上げてもらえる場合もあります。

昇給のタイミングや金額は企業ごとに異なるため、高収入を目指す人は応募の際に求人内容をしっかりと確認しましょう。

売り手市場のため

工場は人手不足が深刻な業種の1つであり、売り手市場となっています。

工場が人手不足に陥っている主な理由は、以下の通りです。

労働人口の減少 日本の生産年齢人口は減少傾向にあり、製造業を含む全業種において労働力不足が進行しつつあります。中でも製造業の就業者数は特に減少しており、非製造業への人材流入が目立っています。
働き方の多様化 最近では、在宅ワークやフレックスタイムなどの多様な働き方を選択できるようになりました。しかし、工場勤務は基本的に工場に出勤して交代制で作業するため自由度が低く、応募者数の減少につながっています。
工場勤務へのイメージ 工場勤務は「夜勤がつらい」「薬品・油の匂いや汚れが気になる」などのイメージを持たれがちです。実際にはマイナスイメージに当てはまらない工場もあるものの、思い込みから敬遠されやすくなります。

人手不足解消に向けて労働者を少しでも増やせるよう、多くの工場では給料水準を高く設定しています。

工場勤務で年収アップを目指すには?

工場勤務は高収入を得やすい仕事の1つですが、ポイントを押さえればさらに年収をアップさせることが可能です。

ここでは、工場勤務で年収アップを目指すための3つのポイントについて詳しく解説します。

専門的な資格を身につける

資格手当がもらえる職場では、対象となる資格を取得することで毎月の給料がアップします。資格手当をもらっていれば、派遣・アルバイトが正社員より高給を得られるというケースも珍しくありません。

工場勤務でおすすめの資格の例は以下の通りです。

衛生管理者 現場の衛生面について管理するための国家資格です。作業場の衛生管理のほか、労働者の健康管理も行います。一定規模以上の工場では必ず衛生管理者を配置するよう定められているので、職場を選ばず役立てられます。
危険物取扱者 危険物の取り扱い・立ち会いに必要な資格です。危険物の種類によって大きく3つに分類されており、それぞれで受験資格や難易度が異なります。主に化学工場などで役立てられます。

積極的に夜勤に入る

夜勤帯に働くと夜勤手当により基礎賃金の1.25倍の給料をもらえることから、積極的に夜勤に入るのも有効です。

工場夜勤のメリットは、夜勤手当で高収入を得やすい点だけではありません。夜勤の日は日中に自由な時間ができるため、平日にしか開いていない銀行・役所での用事も済ませやすくなります。

さらに、夜勤は日勤と比較すると従業員の人数が少なく、自ずと上司との関わりも最小限に抑えられます。人間関係に悩む心配も軽減され、リラックスして働けるでしょう。

ただし、日中に仮眠を取るのが苦手な人や、昼夜逆転生活で体調を崩しやすい人は注意が必要です。自分の体調と相談しながら、無理のない程度に夜勤を増やして高収入を目指しましょう。

長く働き続ける

工場勤務は年功序列が基本であり、長く働けば働くほど昇給・昇進しやすくなります。

工場勤務で長く働くメリットには、スキルアップを目指せること、キャリア形成しながらやりがいを持って働けることなども挙げられます。実績を積み上げて職場での信頼を勝ち取れば、仕事に対する充実感を得られるでしょう。

働く工場を探す際には、長く働けるかどうかという点にも注目しましょう。

まとめ

工場で働く人の年収は、300万~400万円程度であることが多い傾向にあります。全職種の平均よりは低いものの、夜勤を増やしたり、家賃補助や寮完備など福利厚生がしっかりした職場を選んだりすると、実質的な給与アップも可能です。

また、工場勤務の年収は年功序列で上がるケースも多いため、同じ職場で長く働き続けることが大切です。工場の仕事を選ぶときは、安定して働けそうな職場かどうかも確認しましょう。