ITエンジニアとプログラマーの違いとは？仕事内容をわかりやすく解説

ITエンジニアとプログラマーそれぞれの定義の違い

具体的な違いに焦点を当てる前に、まずはITエンジニアとプログラマーの定義を確認しておきましょう。それぞれを簡潔に定義すると、以下のとおりです。

・ITエンジニア：IT知識をもつ技術者の総称

・プログラマー：プログラミングをする人

両者の定義を理解しておくことで、知識を正しく整理できるようになります。

ITエンジニアは「IT知識をもつ技術者の総称」

ITエンジニアは携わる分野や仕事内容によって職種が分かれており、プログラマーもそのうちの1つとされます。つまり、ITエンジニアとはIT知識を駆使してさまざまな場面で活躍する技術者の総称です。

ITエンジニアの一例としては、以下のようなものが挙げられます。

・インフラエンジニア

・Webエンジニア

・システムエンジニア

・アプリケーションエンジニア

・ネットワークエンジニア

なかでも、システムエンジニア（SE）は認知度が高く、ITエンジニアのなかでも代表的な職種だといえるでしょう。

プログラマーは「プログラミングをする人」

プログラマーとは、プログラミング言語を用いてシステムやアプリケーション開発に携わる職種です。プロジェクト全体を取り仕切るシステムエンジニアの設計書をもとに、プログラミングをおこないシステムやアプリケーションを形作っていきます。

プログラマーは、担当する分野によって、さまざまなプログラミング言語を習得しなければなりません。開発が完了した後も、テストの実施や修正対応に携わります。

ITエンジニアとプログラマーの仕事内容の違い

ITエンジニアとプログラマーの基本的な定義を把握したところで、実際の仕事内容に注目して違いを整理していきましょう。ITエンジニアがさまざまな業務に対応する必要があるのに対して、プログラマーは特定の領域で活躍する点に違いがあります。

具体的な仕事内容を知ることで、より両者の違いが明確になるはずです。

ITエンジニアの仕事内容

ITエンジニアは、システム開発の全体的な流れを把握し取りまとめるのが仕事です。プロジェクトに参加するエンジニアの指揮を取り、スケジュール管理やタスク管理をおこないます。

また、クライアントの要望を正確に理解し、それを実現するために必要な技術を駆使してシステムを開発することが求められます。そのためには、クライアントとのコミュニケーションが欠かせません。現場とクライアントをつなぐポジションとして、遅れや問題なくプロジェクトを進めるために、両者への適切な対応やサポートが求められます。

プログラマーの仕事内容

プログラマーは、設計書をもとにプログラミング言語を記述するのが仕事です。必要となるプログラミング言語は案件によって異なるため、JavaやPerl、PHPなどシステムやアプリケーション開発に合わせた言語を熟知していなければなりません。 同じシステムやアプリケーションを開発するのでも、どのようにプログラミングを実施したかで動作や工数に違いが出ます。いかに必要な動作をシンプルに完了できるかを考えるのが、プログラマーの役割です。

ITエンジニアとプログラマー向いている人の特徴の違い

ご紹介したようにITエンジニアとプログラマーでは活躍する場が異なるため、仕事に向いている人の特徴にも差が出ます。両者の違いを知り適性に合った仕事を見つけることができれば、自分の強みを活かして働けるでしょう。

ITエンジニアに向いている人とプログラマーに向いている人の特徴を解説します。

ITエンジニアに向いている人

システムやアプリケーションの開発・設計に携わるITエンジニアに向いている人は、モノ作りが好きな人です。イメージを形にしていく作業が必要とされるため、幅広い知識と発想力が必要とされます。 また、ITエンジニアは現場のみならずクライアントとコミュニケーションを取る役割も果たします。

コミュニケーション能力や判断力があり、柔軟に仕事を進められる人が向いているでしょう。

プログラマーに向いている人

設計書をもとにプログラミング言語を記述していくプログラマーには、細かい作業が苦にならない性格の人が向いています。バグが発生した際にはどこで記述を誤ったのか細部までチェックする必要があるため、丁寧な作業が欠かせません。

また、プログラミング言語は日々新しいものが生まれています。機能性の高いシステムを完成させるには、新しい技術を採り入れることが重要です。

プログラマーとして活躍するには、好奇心旺盛で学びに貪欲な人が向いているでしょう。

ITエンジニアとプログラマー求められるスキルの違い

ITエンジニアとプログラマーは活躍する領域や仕事内容が異なるため、求められるスキルにも違いが出ます。どちらもIT関連知識が基盤となる点では共通していますが、IT知識がどのようなシーンで必要とされ、どのようなスキルがプラスで求められるのかを確認しておきましょう。

ITエンジニアに必要なスキル

ITエンジニアは、現場とクライアント両方の意見を聞きながらプロジェクトをまとめ、指揮していく必要があります。クライアントからの信頼を勝ち得るためには、IT知識やコミュニケーション能力に加えて、ヒアリング能力やマネジメント能力が欠かせません。

クライアントのニーズに応える提案をするためには、しっかりと技術面を理解しているのが大前提です。プログラマーと比べると、幅広いスキルが求められるのはITエンジニアの特徴だといえるでしょう。

プログラマーに必要なスキル

プログラマーはプログラミングという業務に特化しているため、プログラミング言語や関連するIT知識が基本となります。そのうえで、効率的かつスムーズにシステムを動かす方法を考える、論理的思考能力が重要です。

日々進歩を続けているIT技術を取り扱う技術者として、新しい技術を積極的に学ぼうとする意欲も欠かせません。

ITエンジニアとプログラマー必要な資格の違い

ITエンジニアやプログラマーとして活躍するために、必須な資格はありません。しかし、関連資格を保有しておくことで、自身のスキルを証明できることや、実務をスムーズにこなせるといったメリットがあります。

ITエンジニアとプログラマーに必要な資格の違いを解説します。

ITエンジニアに必要な資格

ITエンジニアに必要とされる主な資格は、以下のとおりです。

・基本情報技術者試験

・応用情報技術者試験

・ネットワークスペシャリスト試験

・システムアーキテクト試験

・ITストラテジスト試験

上に挙げた資格のなかでも実務に関連する資格の取得を目指すことで、実践で活かせるスキルを養成できます。また、資格は転職の際にスキルを証明する際にも役立つため、将来的なキャリアアップを目標に取り組んでもよいでしょう。

プログラマーに必要な資格

プログラマーに必要とされる主な資格は、以下のとおりです。

・ITパスポート試験

・マイクロソフト認定資格プログラム

・Javaプログラミング能力認定試験

・Oracle認定Javaプログラマ

プログラマーは活躍する業界や分野によって、使用頻度の高いプログラミング言語が異なるという特徴があります。資格の取得を目指す際には、活用度の高いプログラミング言語を選んで勉強するのも1つの手です。

実務で活かせるだけではなく、転職を有利に進めるためにも役立ちます。

ITエンジニアとプログラマーのキャリアパスの違い

活躍する領域や仕事内容の異なるITエンジニアとプログラマーは、その後のキャリアパスにも違いがあります。漠然とIT関連の技術者になりたいと考えている場合は、両者のキャリアパスを知ることも重要です。

どちらにせよIT化が急速に進む現代では、将来性のある仕事だといえるでしょう。キャリアパスの違いに注目し、より自分に合った選択ができるようにしてみてください。

ITエンジニアのキャリアパス

IT知識のみならず、コミュニケーション能力やマネジメント能力が求められるITエンジニアの主なキャリアパスは、マネジメント系の職種です。具体的にはプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどが挙げられます。

ITエンジニアは与えられた仕事をこなすというよりは、自分の力でプロジェクトを作り上げていくイメージに近いため、幅広い知識をつけられる仕事です。

プロジェクトの上流工程に携わりマネジメントに特化して活躍したい場合は、ITコンサルタントという道もあるでしょう。

プログラマーのキャリアパス

プログラミング技術を特化していけば、エキスパートプログラマーとして活躍できる可能性があります。難易度の高い案件をこなせるスキルが求められる分、やりがいがあるだけではなく、転職市場でも他のプログラマーと差別化できるでしょう。

高いプログラミングスキルを身につけていれば、フリーランスとして独立する道を選ぶことも可能です。案件の獲得から契約締結、クライアントのフォローまでの一連の業務をこなす必要はありますが、自由度高く仕事ができるほか、大きく収入を伸ばせるチャンスとなるでしょう。

ITエンジニアとプログラマーの年収の違い

プログラマーの仕事が、プログラミング言語を使った開発に限られているのに対し、ITエンジニアは幅広い領域で仕事をこなす必要があります。求められるスキルや知識も多くなるため、ITエンジニアのほうがプログラマーより収入が高い傾向はあるようです。

システムやアプリケーションの要件定義や設計が上流工程の仕事とされるのに対して、プログラミングなどの開発作業は下流工程にあたります。収入をアップさせたいと考えている場合には、上流工程の仕事にキャリアチェンジするのも1つの方法です。

ITエンジニアとプログラマーの将来性は？

ここまでITエンジニアとプログラマーの違いを解説してきましたが、将来性に関してはどちらも希望のもてる仕事です。IT技術が急速に重要性を増しているなかで、スキルのあるIT人材は不足しています。

企業の規模に関わらず、さまざまな分野でIT人材の需要が高い状態は続くでしょう。プログラミングは一部で自動化の流れが出てきている影響もあり、比較をするのであればITエンジニアのほうが安定した需要があるといえます。

まとめ

ITエンジニアとプログラマーはときに混同されることがありますが、両者には活躍領域や仕事内容に違いがあります。ITエンジニアはIT技術をもって活躍するエンジニアを指すため、広い捉え方をするとプログラマーもITエンジニアに含まれます。

より幅広い業務を任されるITエンジニアには、コミュニケーション能力やマネジメント能力を求められるのが特徴です。一方のプログラマーは、プログラミングスキルに特化してプロフェッショナルを目指す道や独立をする道も選べます。

細かな違いはありますが、ITエンジニアとプログラマーはどちらも需要が高く将来性のある仕事です。IT関連の技術者を目指す場合は、それぞれの仕事内容や適性を確認し、自分に合った選択をしましょう。

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