電気エンジニアと機械エンジニアの違い|未経験から目指す方法も解説
当記事では、電気エンジニアと機械エンジニアの概要とそれぞれの違いを、項目別に分かりやすく解説しています。未経験から電気エンジニア・機械エンジニアを目指す方法も紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
電気エンジニアと機械エンジニアは名称が似ていることから混同されやすいものの、仕事内容は大きく異なります。
また、いずれも未経験から目指せる仕事ですが、未経験者を採用する職場は多くはありません。電気エンジニアと機械エンジニアに興味がある人は、まずはそれぞれの仕事内容や年収、必要なスキルなどをチェックしてみましょう。
今回は、電気エンジニアと機械エンジニアの概要とそれぞれの違いを詳しく解説します。未経験から目指す方法も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
目次
電気エンジニアとは?
電気エンジニアとは、電子機器・電気製品・医療用機器などの設計・制作を専門とするエンジニアです。「電子系エンジニア」「電子技術エンジニア」と呼ばれることもあります。
電気エンジニアは、スマートフォンやデジタル家電など生活に欠かせないさまざまな製品に携わる仕事です。製品の開発以外に、修理・メンテナンスにも対応します。
電気エンジニアの主な職場は、下記の通りです。
●家電メーカー ●電子機器メーカー ●精密機器メーカー ●自動車メーカー ●半導体メーカー |
電気エンジニアが活躍できる職場は、多岐にわたります。モバイル端末の普及やデジタル家電の進化により、電気エンジニアの需要は高まっています。
機械エンジニアとは?
機械エンジニアとは、機械の設計・製作などを専門とするエンジニアです。「メカニカルエンジニア」「機械系エンジニア」と呼ばれることもあります。
電気エンジニアと混同されることもありますが、機械エンジニアは機械工学の専門知識を持っており工場の機械や自動車などに携わることが大きな違いです。機械や自動車の設計・製作のほか、修理・メンテナンスも行います。
機械エンジニアの主な職場は、下記の通りです。
●機械メーカー ●食品メーカー ●自動車メーカー ●産業電子機器メーカー ●精密機器メーカー |
電気エンジニアと同様に、機械エンジニアの活躍の場はさまざまあります。機械系スキルは機械を使う仕事やロボット開発分野で重宝されるため、需要も安定していることが特徴です。
【項目別】電気エンジニアと機械エンジニアの違い
電気エンジニアと機械エンジニアは、似た役割を担っています。そのため、活躍できる職場が共通している部分もあります。
ただし、仕事内容や求められるスキル、年収や向いている人の特徴は異なるため、2つの働き方を比較して目指すべき道を選ぶことがポイントです。
ここでは、電気エンジニアと機械エンジニアの違いを項目別に解説します。
仕事内容
電気エンジニアと機械エンジニアのメインとなる仕事は、設計と管理です。ただし、対象となるものはそれぞれ異なります。
●電気エンジニアの仕事内容
電気エンジニアは、電子機器・電気製品に特化した知識と技術が求められます。
主な仕事内容は、下記の通りです。
●ヒアリング ●電気機器の回路設計や開発 ●テスト ●改善 ●メンテナンス |
クライアントの要望に沿った機器や製品を作り上げるために、まずはヒアリングを行います。ヒアリング内容に沿って図面を引き設計書を作成します。
●機械エンジニアの仕事内容
機械エンジニアは、工場設備や自動車などの機械を作り上げる仕事です。
主な仕事内容は、下記の通りです。
●ヒアリング ●構想設計や基本設計 ●試作品の作成 ●テスト ●改善 ●メンテナンス |
ユーザーの課題を明確にした上で、デッサンや3DCADを用いて構想設計を行います。基本設計では、パーツ・予算・完成までの時間を計算します。
機械エンジニアは機械本体を作るのに対して、電気エンジニアは対象となる製品の内部を作り上げることが2つの仕事の大きな違いです。
年収
電気エンジニアと機械エンジニアを比較すると、機械エンジニアのほうが年収はやや高い傾向にあります。ただし、勤務先や働き方によって実際の年収は変わります。
●電気エンジニアの年収
電気エンジニアの年収目安は、約450万~570万円です。年収額は、年齢とともにアップする傾向にあります。
年代別の電気エンジニアの年収は、次の通りです。
20代 | 約376万~473万円 |
30代 | 約598万円 |
40代 | 約762万円 |
出典:転職会議「研究・開発(電気・電子)の年収まとめ(給料/平均年収/企業名などを集計)」
電気エンジニアとして働く40代の中には、年収800万円以上の人もいます。ただし、公的機関によるデータではないため、あくまでも参考程度に留めておきましょう。
●機械エンジニアの年収
機械エンジニアの平均年収は、約606万円です。
出典:厚生労働省「機械設計技術者-職業詳細|job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」
年代別の電気エンジニアの年収は、次の通りです。
20代 | 約378万~481万円 |
30代 | 約589万円 |
40代 | 約778万円 |
(出典:厚生労働省「機械設計技術者-職業詳細|job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」
電気エンジニアと同様に年齢とともに年収額はアップし、40代で800万円以上稼ぐ人も少なくありません。機械エンジニアの年収についてより詳しく知りたい場合は、下記の記事もぜひチェックしてください。
電気エンジニア・機械エンジニアの年収は、いずれも雇用形態や地域によって金額に差があります。関東地方と東海地方の年収相場は高く、九州・沖縄地方や中国地方は給与水準が低い傾向にあります。
やりがい
電気エンジニア・機械エンジニアは、それぞれにやりがいがある仕事です。どのようなやりがいがあるのか、例を挙げながら具体的に紹介します。
電気エンジニアのやりがい |
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●ものづくりの根幹に関われる 電気エンジニアが設計する回路は、電子機器や電気製品の心臓部にあたります。回路設計はものづくりの根幹であり、電気エンジニアがいなければ成り立ちません。何度もテストと改善を繰り返し、人々の役に立つ製品やサービスを生み出せることは、大きなやりがいと言えます。 ●最新技術に触れられる 電気エンジニアは、AI・5G・IoTなどの最先端技術を駆使した製品やサービスの開発にも携わります。近年、さまざまな電子機器や電気製品にもデジタル回路が組み込まれるようになりました。最新技術に触れたり世の中のニーズを把握したりできるため、スキルアップを目指しやすくなります。 ●自分のアイディアを製品開発に生かせる 電子機器や電気製品の開発には、電気エンジニアの知識や意見も反映されます。自分のアイディアが組み込まれた製品が生み出されることは、仕事を続ける上で大きな励みになるでしょう。 |
機械エンジニアのやりがい |
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●達成感が得られる 機械エンジニアは、クライアントやユーザーが求める機械を一から設計して目に見える形として作り上げる仕事です。長い時間をかけてクライアントが納得のいくものを目指すため、完成時には大きな達成感が得られます。 ●生み出した製品が多くの分野で活用される 機械エンジニアが生み出した製品は、自動車ブランドや医療機器分野など多くの分野で活用されます。人々の暮らしや労働者を支える製品の開発に携われることは、機械エンジニアの魅力です。 ●好きなことを仕事にできる 機械づくりが好きな人や機械の仕組みに興味がある人は、機械エンジニアになることで好きなことを仕事にできます。思う存分機械づくりに向き合えるため、モチベーションを保ちやすいと言えます。 |
電気エンジニアの仕事は、目に見えない部分でやりがいを感じることがほとんどです。一方、機械エンジニアの仕事は、目に見える形でやりがいを感じることが多いと言えるでしょう。
必要なスキル
電気エンジニア・機械エンジニアには、クライアントや開発関係者と円滑なやり取りをするためのコミュニケーションスキルが求められます。
他にも、電気エンジニア・機械エンジニアへの転職やキャリアアップに役立つスキルはさまざまあります。それぞれの仕事に必要なスキルをチェックしておきましょう。
電気エンジニアに必要なスキル |
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●電子工学・電気工学の基礎知識 電気エンジニアになるには、「電荷と静電気」「電圧と電流」「抵抗」など電子工学・電気工学の基礎知識が必要です。 ●部品に関する知識 コンデンサ・コイル・半導体など、電気製品に欠かせない部品に関する知識も身につけておきましょう。電気の抑制や加工、特定の動作や処理など部品の役割を正しく理解しておくことが大切です。 ●最新技術や知識を学ぼうとする姿勢 電気エンジニアが活躍する業界では、日々さまざまな技術が進歩しています。常に最新技術や知識にアンテナを張り、学ぶ姿勢が求められます。クライアントが求める製品やサービスを生み出すためにも、情報収集や知識のアップデートを心がけましょう。 |
機械エンジニアに必要なスキル |
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●4大力学の知識 機械エンジニアになるには、「機械力学」「流体力学」「熱力学」「材料力学」の4大力学の知識が必要となります。4大力学に関する知識が仕事のベースとなるため、しっかり押さえておきましょう。 ●機械開発に関する基礎知識 機械開発に携わるために、機械の基本的な構造やCADツールの知識も身につけておきましょう。クライアントや一緒に働く仲間との信頼関係を築くためにも、機械に関する基礎知識はしっかり押さえておく必要があります。 ●ソフトウェアの知識 ソフトウェアを搭載した機器の製作・管理を行う職場では、ソフトウェアの知識も求められます。セキュリティに関する知識も合わせて身につけておくと今後の強みになるでしょう。 |
電気エンジニアと機械エンジニアでは、必須となる基礎知識が異なります。知識やスキルの取得には時間がかかるため、計画的に取り組むことが大切です。
向いている人
電気エンジニア・機械エンジニアの仕事には、向き不向きがあります。電気系や機械系の仕事に適性があるかどうかによって、働きやすさが変わってきます。
電気エンジニア・機械エンジニアの仕事が向いている人の特徴をチェックして、自分に合っているかどうか考えてみましょう。
●電気エンジニアに向いている人
電気エンジニアに向いている人の特徴は、次の通りです。
● 論理的思考ができる ● 地道な作業を続ける粘り強さがある ● 数学と物理学の基礎知識がある |
目指している製品の形や性能を実現するには、問題の原因とテストの結果を冷静に分析して何度も作業を繰り返す必要があります。論理的思考と根気強く作業をする力がある人は、電気エンジニアに向いているでしょう。
また、電子工学・電気工学の基礎知識のベースは数学と物理学であるため、高卒レベル以上の理系知識がある人に適しています。
●機械エンジニアに向いている人
機械エンジニアに向いている人の特徴は、次の通りです。
● 柔軟な発想力と想像力がある ● 細かい作業が苦にならない ● 学習意欲が高い |
構想設計や基本設計はもちろん、課題点や不具合を改善するには柔軟な発想力と想像力が必須です。細かい作業が多いため、手先が器用な人や物事に集中して取り組める人にも向いています。
機械エンジニアは、定期的に知識や技術のアップデートが必要な仕事です。学習意欲が高い人は、クライアントやユーザーにとってメリットが大きい製品やサービスの開発を続けられるでしょう。
電気エンジニア・機械エンジニアは、どちらも地道な作業や細かい作業が多くなります。さらに、電気エンジニアは論理的思考、機械エンジニアには発想力や想像力が必要となる傾向にあります。自分の性格や得意分野と比較して、目指すべき道を選択しましょう。
未経験から電気エンジニア・機械エンジニアを目指す方法
電気エンジニア・機械エンジニアは、未経験者が目指すことも可能です。
しかし、いずれの仕事も高度な専門スキルが求められるため、採用のハードルは高いと言えるでしょう。未経験者を採用しない職場も多く、未経験者可の求人を探すこと自体が難しい場合もあります。
理想の職場で働きたい場合は、できるだけ経験を積んでから転職するのがおすすめです。電気エンジニア・機械エンジニアの経験は、次の3つの方法で積むことができます。
● 独学する ● スクールに通う ● 未経験可の企業で働く |
電子工学・電気工学の基礎知識や4大力学の知識は、インターネットの情報や専門書を読んだり資格試験の問題にチャレンジしたりすることで独学も可能です。ただし、実験により習得できる知識や技術もあるため、エレクトロニクス分野が専攻できる専門学校や通信教育を利用するほうが理解を深められます
現場での実務経験を重要視する企業も多く見られます。理想の職場で働くには、未経験可の企業で経験を積むことが最も大切です。
まとめ
電気エンジニアは、電子機器・電気製品の回路設計や開発を行う仕事です。機械エンジニアは、構想設計や基本設計を行い機械本体の製作に携わります。
ものづくりに携わる点は共通しているものの、仕事内容や年収、やりがいや必要なスキルはそれぞれ異なります。未経験から目指すことは可能ではあるものの、理想の職場で働くにはある程度の経験が必要です。
未経験者可の求人を探す場合は、ものづくりに関わる企業の求人サイト「ウイルタス」の利用がおすすめです。希望に合う企業を探して、電気エンジニア・機械エンジニアとしての一歩を踏み出しましょう。
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