施工管理の1日の流れ|求人探しでチェックすべきポイントも解説!
当記事では、施工管理業務の概要から基本的な1日の流れ、さらに施工管理のやりがいや大変なところなどを徹底解説しています。施工管理における求人探しのポイントも紹介しているため、施工管理職を目指す方はぜひ参考にしてください。
住宅建築やビル建設などの工事現場では、工事内容を管理する施工管理者が働いています。施工管理は工事現場の安全を守り、工事の品質も高める役割を担う重要な仕事です。
今回は、施工管理業務の概要から基本的な1日の流れ、さらに施工管理のやりがいや大変なところを詳しく紹介します。施工管理求人を探す際のポイントも説明しているため、施工管理の仕事に少しでも興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
目次
1. そもそも「施工管理業務」とは?
施工管理とは、建設工事などの工事現場において、工事をスムーズに進められるように現場全体の管理を行う仕事です。現場監督と似ている仕事であるものの、施工管理は工事現場の管理以外に事務作業も多く担う点に違いがあります。
施工管理の主な仕事内容には、下記の4つが挙げられます。
工程管理 | 工程表の作成やスケジュール管理、人材・資材の準備などを行います。 |
原価管理 | 人件費・材料費といった工事にかかる費用の計算と、費用を予算内に収めるための管理活動を行います。 |
品質管理 | 建築物の品質が発注者の求める基準を満たすよう、検査や確認をする業務です。 |
安全管理 | 工事現場で働く作業員の怪我や死亡事故が発生しないよう、設備の整備や安全指導を行います。 |
施工管理は工事現場のさまざまな管理を担当していて、建設業界で高い需要がある仕事です。
施工管理の基本的な1日の流れ
施工管理では工程管理・原価管理・品質管理・安全管理の4つを、基本的に工事がある日ごとに行う必要があります。施工管理の働き方を知るには1日の流れを理解しておくとよいでしょう。
以下では、日中工事における基本的な1日の流れと具体的な仕事内容を紹介します。
【7:00~8:30】朝礼・スケジュール確認
7:00に出社後、工事現場で朝礼を行います。朝礼の主な内容は下記の通りです。
● 当日の施工内容の説明 ● スケジュールの確認 ● 危険箇所の共有 ● ヘルメットや安全帯のチェック ● 全員でのラジオ体操 |
朝礼は作業員全員が集まるタイミングであり、情報共有や安全確認を効率的に行えます。
ラジオ体操が終わった後は、全員で「ご安全に」と声出しをしてから作業を開始します。
【8:30~12:00】現場の巡回
作業開始後は、現場を巡回して下記の業務を行います。
● 工事の進捗確認 ● 作業員への指示出し ● 工事写真の撮影 ● 危険箇所の確認・対応 |
工事の進捗確認で作業の遅れやトラブルを発見した場合は、現状を踏まえた上でスケジュールを見直します。
また、工事写真は工事が適切に進められていることを証明するための写真です。写真台帳に添付する必要があるため、忘れずに撮影をしましょう。
現場やタスクの状況によっては、10時に15~30分程度の休憩を取ることもあります。
【12:00~13:00】昼休憩
工事現場は基本的に12:00に作業員全員で昼休憩を取ります。昼休憩は作業員が昼食や休憩を取り、午後の作業に向けて英気を養うために欠かせない時間です。
労働基準法では、労働時間が6時間~8時間で少なくとも45分、8時間を超える場合は1時間の休憩を与えることが定められています。作業員全員が規定の休憩時間を取れるようにしてください。
(出典:厚生労働省「労働時間・休憩・休日関係」/https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken02/jikan.html)
【13:00~17:30】現場の巡回・打ち合わせ
午後は現場の巡回をしたり、クライアントや現場監督との打ち合わせを行ったりします。日中工事の現場作業は日没までに終了するため、現場の施工管理も17:30で終了です。
ただし、17:30はあくまでも現場業務の終了時間目安であり、必ずしも現場に居続けるとは限りません。場合によっては早い段階で事務所に移動して事務作業を行うケースもあります。
また、基本的に職人・作業員は15時にも15~30分程度の休憩を取ります。一方で施工管理者は打ち合わせや事務所への移動などがあるため、15時の休憩は取らないことが多い傾向です。
【17:30~19:00】事務作業
現場での施工管理が終了した後は、事務所に移動して事務作業を行います。事務作業の主な内容は下記の通りです。
● 施工計画書や工程表の作成・修正 ● 施工図の確認・修正 ● 工事原価の計算 ● 請求書の作成・郵送 ● 工事写真の整理 ● 打ち合わせ用資料の作成 ● 業務メールの確認・返信 ● 報告書の作成 |
事務作業では当日の作業について報告書を作成するだけでなく、工事全体にかかわる内容の確認や修正したり、翌日の準備を行ったりしなければなりません。
基本的にパソコンを使用して書類作成などを行い、19:00頃に退勤します。
【ケース別】施工管理の1日の流れ
前述した施工管理の1日の流れは、あくまでも標準的な日中工事でのスケジュール例です。
実際の施工管理では工事の時間帯や時期・天候、さらに施工管理者のキャリアなどの条件によっても1日の流れが異なります。
ここからは、4つのケースに分けて1日の流れを紹介します。
夜間工事の場合
夜間工事では、日中工事のスケジュールに夜間工事の業務が加わります。
【夜間工事における施工管理の1日の流れ】
7:00~8:30 | 朝礼・スケジュール確認 |
8:30~12:00 | 現場の巡回 |
12:00~13:00 | 昼休憩 |
13:00~17:30 | 現場の巡回・打ち合わせ |
17:30~19:00 | 事務作業 |
19:00~23:00 | 自宅もしくは事務所で仮眠 |
23:00~23:30 | 出勤、夜間工事の準備 |
23:30~5:00 | 現場の巡回 |
5:00~7:00 | 事務作業 |
夜間工事のスケジュールは、ほとんど大規模な現場でしか見られない働き方です。当日はハードスケジュールであるものの、夜勤明けは基本的に休みとなるため休養をしっかりと取れます。
雨天・荒天時の場合
屋外にある工事現場では、雨天・荒天時といった悪天候の日には安全を考慮して作業をストップしなければなりません。この場合は、工事の遅れを調整するための進捗確認や修正などのデスクワークを中心に進めることとなります。
【雨天・荒天時における施工管理の1日の流れ】
7:30 | 出勤 |
8:00~19:00 | 事務作業・打ち合わせ |
また、通常のスケジュール通りで働いていて、作業途中で雨が降ってきたり風が強まったりした場合も、同様に工事を中止して事務作業に切り替えます。
悪天候が収まった後は、雨や風による工事現場への影響を確認し、濡れている部分で足を滑らせるなどの事故が発生しないように対処する必要があります。
繁忙期の場合
建設業界では、長期休暇と重なる12~3月頃や9月頃が繁忙期です。
【繁忙期における施工管理の1日の流れ】
7:00~8:30 | 朝礼・スケジュール確認 |
8:30~12:00 | 現場の巡回 |
12:00~13:00 | 昼休憩 |
13:00~17:30 | 現場の巡回・打ち合わせ |
17:30~22:00 | 事務作業 |
繁忙期であっても、工事現場での巡回や打ち合わせにかかる時間は基本的に伸びません。しかし、事務作業の量は多くなります。通常のスケジュールよりも退勤時間が遅くなりやすいものの、残業代の発生による一時的な収入アップも見込めるでしょう。
新人施工管理者の場合
新人施工管理者はまだ仕事の流れを把握できていないと考えられるため、先輩の施工管理者に付いて仕事を学びます。
【新人施工管理者の場合における施工管理の1日の流れ】
7:00~8:30 | 朝礼・スケジュール確認 |
8:30~12:00 | 現場の巡回 |
12:00~13:00 | 昼休憩 |
13:00~17:30 | 現場の巡回・打ち合わせ |
17:30~19:00 | 事務作業 |
新人施工管理者であっても、1日の流れは基本的なスケジュールと大きく変わりません。しかし、工事現場の掃除や写真撮影、図面・書類のコピーを行うなど、比較的簡単な仕事を任される傾向にあります。
施工管理の大変なところ
施工管理の仕事は「きつい」「大変」と言われることもあります。施工管理が大変と言われるのは、下記のような理由があるためです。
● 1日の労働時間が長い ● 業務量が多く、仕事の責任も重い ● 多くの人とかかわりを持つため人間関係のストレスを感じやすい ● 繁忙期に残業が増える ● 土日や祝日の出勤が常態化している職場が多い |
ただし、近年では働き方改革によって、建設業界においてもワークライフバランスの改善が進められています。働き方改革は残業の削減を骨子の1つとしているため、施工管理の仕事も徐々に残業が減ることが期待できるでしょう。
また、完全土日週休2日制を採用する職場も増加傾向にあります。求人情報を確認して休みがしっかりと取れる職場を選べば、施工管理者として働きつつ、自分の生活も重視した働き方ができます。
施工管理の仕事でやりがいを感じる瞬間
施工管理の仕事には、紹介したように大変なところがいくつか存在します。
しかし、施工管理は建物の建設という大きな目標に携わる仕事であり、大変さ以上にやりがいを感じることも多くあります。
ここからは、施工管理の仕事でやりがいを感じる瞬間を4つ挙げて、それぞれにどのような魅力があるかを解説します。
引き渡しが完了したとき
竣工した建物はクライアントの立ち会いのもとで竣工検査を行った後、クライアントへと引き渡します。建物の引き渡しが完了したときに、施工管理者はやりがいを感じられるでしょう。
施工管理者として自分がかかわった仕事は、建物という形になって残ります。工事のスケジュール調整や作業員の確保、現場の安全管理や事務所での書類作成といった仕事の集大成を引き渡すことで、仕事をやり遂げたという大きな達成感を得られます。
仕事に対する評価を得られたとき
施工管理の仕事をきちんと行うと、予定した納期以内に工事が完了して、建築物も高品質な状態で完成します。仕事の成果物が目に見える形で表れるため、仕事に対する評価を得やすい点が魅力です。
施設管理の仕事が評価されれば、より大きな案件を任せてもらえたり、昇給できたりなど、形として表れた成果に大きなやりがいを感じられるでしょう。施設管理の仕事は大変さがあるものの、評価されることでモチベーションの維持・向上もできます。
職人からの信頼を得られたとき
施工管理の仕事は、工事現場で働く職人や作業員と協力して進める必要があります。特に職人の中には昔気質な方が多く、施工管理者が信頼を得ることは簡単ではありません。
それだけに、職人からの信頼を得られたときにやりがいを感じる方は多くいます。職人からの信頼は「自分の仕事が認められた」という証であり、苦労が報いられたように感じられるでしょう。
顧客から感謝の言葉を伝えられたとき
施工管理は、クライアントである顧客と直接やり取りをする機会が多い仕事です。竣工後に顧客から感謝の言葉を伝えられたときに、「施工管理の仕事を頑張って良かった」とやりがいを感じられます。
新居やオフィスビルといった完成した建築物は、顧客にとって生活や仕事の拠点となる建物です。施工管理者は顧客からの感謝の言葉を受け取って、「自分の仕事が人の役に立っている」ことを実感できます。
働きやすい施工管理求人を見つけるためのポイント
施工管理は建設工事に欠かせない仕事であり、多くの建設会社から求人募集が行われています。施工管理者を目指す方は、好条件での就職・転職が期待できるでしょう。
最後に、働きやすい施工管理求人を見つけるために押さえておくべき3つのポイントを解説します。
給与・待遇をしっかりチェックしておく
まずは求人情報に掲載されている給与・待遇をしっかりチェックしておきましょう。
施工管理者の給与は基本給・賞与だけでなく、資格手当や残業代の支給額によって大きく変わります。実際に受け取れる給与額を知るには、手当等の支給額も含めて調べることが大切です。
また、求人が即戦力の施工管理者を募集しているか、候補や補佐を募集しているかもチェックしてください。未経験で施工管理者を目指している場合は、即戦力を求める職場よりも、先輩が付いて仕事を教えてくれる職場のほうが向いています。
働き方改革に取り組んでいるか確認する
建設業界では働き方改革に取り組んでいる会社が増えています。働きやすい職場を求める方は、応募先の会社が働き方改革に取り組んでいるかどうかを確認しましょう。
働き方改革に取り組んでいる会社は、求人情報に「当社は働き方改革に取り組んでいます」のような文章が記載されています。長時間労働の是正や完全週休二日制を採用したり、社内の評価制度を整備したりする会社も少なくありません。
特に給与・待遇が同じような条件の職場がいくつか見つかったときは、働き方改革への取り組みで比較すると良いでしょう。
企業の規模・請負案件の規模を確認する
自分に合う職場を見つけるには、企業の規模を確認することが重要です。
規模が大きい企業は従業員数が多く、労働環境が整っている傾向にあります。一方で、小規模な企業は人的リソースが限られており、一人ひとりの業務量は多い傾向です。しかし、言い換えればスキルアップをしやすい環境でもあります。
また、企業がどれくらいの規模の案件にメインで携わっているかにも注目しましょう。
案件の規模が大きいと工事の関係者も多くなり、施工管理が難しくなります。施工管理の仕事にある程度のスキルや経験が必要になるものの、待遇は良くなる点が特徴です。
反対に、小規模な案件は工事の関係者が少なく、管理業務の難易度は低くなります。しかし、大規模案件と比べると給与・待遇は劣る点に留意しておきましょう。
まとめ
施工管理の1日は基本的に朝礼・スケジュール確認から始まり、午前と午後に現場の巡回をして、日没後に事務作業を行うという流れで進みます。1日の流れは工事の時間帯や時期・天候などの条件によって変わるため、会社が請け負う工事をよく理解しておくと良いでしょう。
施工管理は大変さがあるものの、工事が完了したときの達成感や顧客からの感謝の言葉などでやりがいも多い仕事です。施工管理者を目指す方は、紹介したポイントを参考に働きやすい施工管理求人を探してみましょう。
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