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2024.10.22

バックオフィス業務とは?主な職種・部門や効率化を図るメリットも

「バックオフィス業務とは?主な職種・部門や効率化を図るメリットも」のイメージ画像‐ノートパソコンを片手に持ってガッツポーズをしているバックオフィス業務の男性2人の写真

バックオフィス業務とは、企業の利益を直接的に生み出さない業務の総称です。当記事では、バックオフィス業務とは何かを説明した上で、バックオフィスの主な職種・部門や業務上の課題、効率化を図るポイントを徹底解説しています。

企業には、直接利益を生まないものの、企業活動に欠かせない「バックオフィス業務」がいくつも存在します。

バックオフィスでは企業が利益を生み出すための業務を行っていて、近年はバックオフィス業務の効率化を進める企業も少なくありません。

今回はバックオフィス業務とは何かを説明した上で、バックオフィスの主な職種・部門や業務上の課題、効率化を図るポイントなどを解説します。バックオフィス業務の働き方に興味がある方はぜひ参考にしてください。

バックオフィス業務とは?

「バックオフィス業務とは?」のイメージ画像‐コールセンターのバックオフィスで働く女性。

バックオフィス業務とは、顧客とかかわることがほとんどなく、企業の利益を直接的に生み出さない業務の総称です。例としては総務や経理などがあり、企業活動に欠かせない事務処理や経営の仕組み作りを行っています。

バックオフィス業務とは反対に、企業の利益を直接的に生み出す業務は「フロントオフィス業務」と呼ばれます。フロントオフィス業務の例には営業やマーケティング、カスタマーサポートなどがあり、顧客と直接関わる業務内容であることが特徴です。

バックオフィス業務は、フロントオフィス業務が効率良く利益を生み出せるように支援したり、業務に必要な手続きを行ったりします。利益を直接生み出すことはないものの、企業が利益を上げるために欠かせない役割を担う業務です。

バックオフィスに該当する主な職種・部門7つ

「バックオフィスに該当する主な職種・部門7つ」のイメージ画像‐会社のオフィス内の画像

バックオフィス業務はさまざまな種類があり、仕事内容も種類ごとに異なります。バックオフィスで働くことを希望する方は、バックオフィス業務の具体的な種類を知っておくと良いでしょう。

ここからは、バックオフィスに該当する主な職種・部門を7つ挙げて、それぞれの仕事内容と役割を解説します。

総務

総務は、組織運営をスムーズに行うためにさまざまな業務を担当する部門です。具体的な業務内容としては下記のものが挙げられます。

●   オフィス備品の管理
●   施設の設備管理や業者へのメンテナンス依頼
●   株主総会や取締役会の企画・運営
●   社内規程の整備・改定
●   代表電話の対応 など

総務は他の部門が担当しない仕事を行うことが多く、業務の幅広さが特徴です。企業によって総務の定義や業務内容は異なっているものの、基本的に社員が働きやすい環境を作る役割を担っています。

経理

経理は、企業の事業活動で使用するお金と、お金の流れを管理する部門です。主に下記の業務を担当します。

●   経費の精算
●   帳簿の記帳や財務諸表の作成
●   月次決算や年次決算書の作成
●   請求書作成や領収書管理
●   法人税・消費税などの税に関する手続き など

企業の事業活動では、日々さまざまなお金の出入りが発生しています。企業内で出入りしたお金を記録し、現在の資産状況を明らかにすることが経理の役割です。

財務

財務は、経理が作成した財務諸表などのデータをもとに、企業の資金繰りに関する業務を行う部門です。財務が行う仕事内容は下記のものがあります。

●   財務戦略の検討・立案
●   企業の資産管理
●   予算配分の決定・管理
●   資金調達
●   余剰資金の運用
●   IRや監査法人への対応 など

財務は経理と同じくお金にかかわる業務であり、中小企業では経理が財務を兼任するケースもあります。

財務の役割は、将来の事業活動で必要となる資金を管理することです。

人事・労務

人事・労務は、企業の人材管理や労働環境の管理を行う部門です。具体的には下記の仕事内容を行います。

●   採用活動や社員教育
●   社員の勤怠管理
●   異動や退職時の手続き
●   人材評価制度の整備
●   社員の健康管理やメンタルヘルス対応
●   ハラスメントの相談窓口業務 など

人事・労務は、企業の事業活動に欠かせない人材のマネジメントを担っています。バックオフィスの中では利益との関わりが比較的大きく、重要視する企業が少なくない業務です。

法務

法務は、企業内での法律関連の業務を担当する部門です。法務の仕事内容は下記のものがあります。

●   契約書の作成・リーガルチェック
●   企業のコンプライアンス評価・チェック
●   社内規程や就業規則の整備
●   企業が保有する知的財産権の管理
●   法的トラブルへの対処 など

企業の事業活動にはさまざまな法律が関わるため、法律の専門知識を備えた人材による法務が必要不可欠です。法務は高度な専門知識を活用し、企業が法律を遵守して活動できるように支援します。

一般事務

一般事務は、企業内で発生するさまざまな事務作業を担う職種です。具体的には下記の仕事内容を行います。

●   データ入力・集計
●   書類のファイリング
●   資料作成・コピー
●   書類の封入・郵送
●   郵送物の仕分け
●   電話やメールの対応
●   他部門のサポート など

一般事務はデータ入力や書類作成などの事務作業を中心に行い、他部門のサポートも担うことがあります。バックオフィスの中でも最も後方支援に特化している職種です。

情報システム

情報システムは、企業が情報を処理・活用するための仕組みづくりや運用を担う部門です。「情シス」とも呼ばれ、下記の仕事内容を行います。

●   社内システムの開発・導入
●   IT機器の導入・管理
●   導入した既存システムの運用・保守
●   社内インフラのヘルプデスク
●  セキュリティ対策の立案・実行 など

近年はDX推進を掲げる企業が増加していて、情報システムの業務は重要性を増しています。情報システムは企業が導入するシステムを管理するだけでなく、情報セキュリティ面の支援も行わなければなりません。

バックオフィス業務のよくある課題

「バックオフィス業務のよくある課題」のイメージ画像‐机の上にパソコン、スマホ、ノート、ボールペンが置いてあり、ノートに???と書いてある写真

企業のバックオフィス業務は多岐にわたるため、業務上の課題も多く抱えることになります。バックオフィス業務の課題を知っておくと、求人探しの際に課題がなるべく少ない職場を選べるようになるでしょう。

以下では、バックオフィス業務のよくある課題を4つ紹介します。

アナログ業務が多く残っている

書類作成や決裁などの業務は、現在でも紙ベースで行うアナログ業務の職場がほとんどです。

従来の紙ベースでの管理からシステムベースへの移行には手間がかかり、なかなかDX化が進みません。業務の属人化が発生していることも、アナログ業務が残り続ける理由の1つです。

アナログ業務が残っている職場では、バックオフィス業務を紙ベースで行わなければならず、用紙代や印刷代などの業務コストが増大します。紙書類は手入力をしなければならないため人的ミスを防ぎきれず、業務負担も増えるでしょう。

紙ベースで行う業務は基本的にオフィス内で行う必要があり、テレワークを導入しにくいデメリットもあります。

属人化が発生しやすい

バックオフィス業務には経理・財務・法務・情報システムなどの専門知識が必要な職種があり、業務の属人化が発生しやすい環境です。知識を持った一部の社員のみが業務を回していて、他の社員は業務の詳しい内容を知らないという状況が起こり得ます。

業務の属人化が発生すると、業務でミスや不正が起きても外部の目が届かないため、なかなか発覚しません。

また、今まで業務を担当していた社員が退職した場合、業務知識を持った社員が社内に存在せず、業務の引き継ぎが難しくなる問題もあります。

無駄なコストが発生しやすい

バックオフィス業務はアナログ業務が多く残っているため、無駄なコストが発生しやすい点が課題です。例えば書類に押印を貰うために余計な時間がかかったり、紙書類を保管するために専用の保管スペースを用意したりなどの無駄が発生します。

バックオフィス業務で発生する無駄なコストは、企業の資源を浪費し、経営を圧迫する原因の1つです。

バックオフィスの部門・部署によっては発生する無駄なコストが外部から見えにくく、不正やハラスメントの温床となる可能性もあります。

人手不足に陥りやすい

バックオフィス業務は時期やタイミングによる業務量のコントロールが難しく、人手不足に陥りやすい課題があります。

例えば経理は決算準備の3~5月や年末調整の12~1月が繁忙期であるものの、忙しい時期のみ人材を増やすことは簡単ではありません。人材の配置替えには採用活動の負担増や調整ミス、その他雇用契約にまつわるトラブルの発生リスクがあるためです。

バックオフィス業務が人手不足に陥ると、担当する人材にさらなる業務負担がのしかかります。負担増加によるミスの発生や、離職率の増加などが問題となるでしょう。

 バックオフィス業務の効率化を図るメリット4選

「バックオフィス業務の効率化を図るメリット4選」のイメージ画像‐ノートパソコンの上にMERITの5個の緑色の立方体が並んでいる写真

バックオフィス業務のよくある課題を解決するには、業務効率化が有効です。バックオフィス業務の効率化を高めることで課題の原因に対処でき、あらゆるメリットにつながります。

ここからは、バックオフィス業務の効率化を図ることによる4つのメリットを紹介します。

コスト削減につながる

DX化などによってバックオフィス業務の効率化ができれば、コスト削減につながります。

削減できる代表的なコストが人件費です。バックオフィス業務で行うデータ入力や社内申請の処理を自動化すると、業務に必要な人員と時間を少なく抑えられて人件費を削減できます。

また、ペーパーレス化が進めば用紙代・インク代・印紙代などの消耗品費も削減可能です。紙書類の保管スペースも用意する必要がなくなり、より小規模で賃料が安いオフィスを利用したり、既存のオフィススペースを有効活用できたりします。

企業全体の生産性向上につながる

バックオフィス業務を効率化すると、企業はバックオフィス業務にかけるリソースをよりコアな業務へと集中させられます。利益を直接的に生み出す業務へと多くのリソースを振り分けることで、企業全体の生産性向上が実現できるでしょう。

また、創業したばかりのスタートアップや規模が小さい中小企業では、社員がフロントオフィスとバックオフィスを兼任しているケースがあります。バックオフィス業務の効率化ができれば、兼任している社員はフロントオフィス業務に集中でき、より大きな成果を上げられます。

ヒューマンエラーの防止につながる

バックオフィス業務でヒューマンエラーがよく発生するデータ入力・集計や金額計算などは、システム導入によって効率化・自動化がしやすい業務です。バックオフィス業務の効率化は手入力が必要となる業務が減るため、ヒューマンエラーの防止につながります。

業務を自動化すると誰が作業担当となっても高い成果を得られるため、業務の属人化も防ぐことが可能です。業務の属人化で発生する引き継ぎの問題や、不正の温床となる問題にも対処できます。

災害をはじめとした万一の事態に備えられる

バックオフィス業務の効率化は、企業のBCP(事業継続計画)対策にもつながります。クラウドの活用やデータ電子化を行えば、事業活動に必要なデータを外部に保存できるため、災害をはじめとした万一の事態にも備えられます。

また、テレワークを導入していれば、社員がオフィスに出勤しなくても業務を行える環境を構築可能です。事業活動を支えるバックオフィス業務をいつでもどこからでも行えることで、企業の事業継続性を高められます。

バックオフィス業務を効率化するには?

「バックオフィス業務を効率化するには?」のイメージ画像‐デスクトップの画面に映ったグラフを見て打合せをするバックオフィス業務の2人

企業がバックオフィス業務を効率化するためには、下記の方法があります。

●情報系システムの導入
情報系システムとは、社内の情報共有や事務処理の効率化をするために活用できるシステムです。ビジネスチャットツールやWeb会議システム、CRM(顧客管理システム)、SFA(営業支援ツール)などが挙げられます。
 
●ERPの導入
ERPとは、企業の基幹業務や業務で発生する情報を一元管理し、経営に活用するためのツールです。ERPを導入すると、バックオフィス業務で使用するシステムがERPに統合されて、業務のムダをなくせます。
 
●RPAなどの自動化ツールの導入
RPAとは、パソコン上で行う事務作業を自動化できるソフトウェアのことです。バックオフィスではパソコンを使用する業務が多く、業務内容も自動化できる部分が多いため、RPAを導入すると業務の自動化が実現できます。
 
●業務のアウトソーシング
社内で担当できない業務がある場合、アウトソーシングによって外部に委託するという方法があります。経理・法務・情報システムなどは高い専門性が必要であり、アウトソーシングとの相性が良い業務です。

バックオフィス業務が効率化されていない職場では、課題解決につながるソリューションを提案・実行できる人材が高く評価されます。バックオフィス業務を効率化するためのプロジェクトに参加するなどで、昇進・昇給が期待できるでしょう。

まとめ

バックオフィス業務とは、企業が利益を上げられるように支援する各種業務のことです。総務や経理、財務、人事・労務などがあり、それぞれの部門・職種が企業の経営に欠かせない役割を担っています。

バックオフィス業務にはアナログ業務の多さや業務の属人化、無駄なコストの発生や人手不足などの課題があります。業務効率化に詳しい人材は企業から高く評価されるため、バックオフィス業務の求人を探してみることがおすすめです。

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