クレーン運転士の年収は?収入アップを目指す方法とおすすめの資格も
工場・倉庫や建設現場のクレーンは、「クレーン運転士」によって操作されています。当記事では、クレーン運転士の概要・仕事内容から、平均年収、年収アップを目指すためのコツとおすすめの免許・資格、さらに転職先選びのポイントまで徹底解説しています。
工場・倉庫や建設現場で使われているクレーンは、クレーン運転士によって操作されています。工場勤務などの求人の中で、クレーン運転士の仕事に興味を持つ方も多いのではないでしょうか。
クレーン運転士は国家資格が必要な仕事であり、年収は比較的高い傾向にあります。クレーン運転士としての活躍を目指す方は、クレーン運転士の年収を知っておくことがおすすめです。
今回はクレーン運転士の年収についてを中心に、収入アップを目指す方法やおすすめの資格、転職先を選ぶ際のポイントなども解説します。
目次
クレーン運転士(クレーンオペレーター)とは?
クレーン運転士とは、工場・倉庫・建設現場などで使われているクレーンの運転と操作を行う職業です。「クレーンオペレーター」とも呼ばれ、クレーンを操作して重量物の運搬作業などに従事します。
クレーン運転士の主な活躍フィールドは、工場での作業がある「製造業」や、建設現場・工事現場でクレーンを使用する「建設業」です。
クレーン運転士の仕事内容
クレーン運転士の仕事内容としては、主に下記の3つが挙げられます。
●クレーンの操縦
クレーンを操縦して、資材・貨物の積み下ろしや運搬を行う仕事です。
工場や建設現場で扱う資材・荷物は重量物が多く、人力では扱えない重量のものも存在します。クレーンは先端のフックに玉掛けして、重量物の積み下ろしや運搬を行うことが可能です。
●クレーンの運転
移動式クレーンを使用する現場では、作業開始前にクレーンを現場まで運転して移動させます。作業終了時にはクレーンを運転して車庫に戻す作業も必要です。
●安全作業計画・危機予知活動
クレーンの操作・運転時には、重量物の取り扱いによって事故が発生しないよう、現場の安全性を考慮した作業計画を策定します。
また、実際の作業時には「地盤状態の確認」「荷物の重量目測」「荷物と玉掛けワイヤーロープの状態確認」「運搬時の指差し確認」といった危険予知活動を実施します。
クレーン運転士の平均年収|性別・年齢別にも紹介!
2023年におけるクレーン運転士の平均年収は「約577.9万円」です。
2022年度における全国の給与所得者の平均年収は約458万円であったため、クレーン運転士の平均年収のほうが100万円以上高い結果となっています。
なお、クレーン運転士の平均年収の内訳は、きまって支給する現金給与額(月給)が約41.8万円、年間賞与その他特別給与額(ボーナス・手当)が約75.9万円です。
クレーン運転士はボーナス・手当の金額が高いだけでなく、月給そのものも高いため、高年収を狙いやすいと言えます。
(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html)
(出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」/https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2022.htm)
【男女別】クレーン運転士の平均年収
クレーン運転士の平均年収は、男性・女性の違いによって差があります。
平均年収を男女別にすると、下記の通りです。
男性 | 約580.0万円 |
女性 | 約415.5万円 |
(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html)
クレーン運転士の男性の平均年収は約580万円であり、女性の平均年収の約415.5万円より150万円以上も高くなっています。
平均年収の男女差は、主に労働時間や勤続年数による影響があると考えられます。
一般的に、男性は女性よりも残業して働くことが多く、労働時間が長くなりやすいとされています。
また、男性は結婚や育児といったライフステージの変化があっても、勤務を継続してキャリアを積む方が多い傾向です。一方で女性は結婚や出産をきっかけに休職・退職をする方が多く、キャリアの中断によって昇給や昇進が止まりやすくなります。
結果として、男性のほうが女性よりも年収を高めやすいという状況です。
【年齢別】クレーン運転士の平均年収
次に、年齢別でのクレーン運転士の平均年収を紹介します。
20~24歳 | 約417.2万円 |
25~29歳 | 約452.6万円 |
30~34歳 | 約522.7万円 |
35~39歳 | 約578.7万円 |
40~44歳 | 約601.7万円 |
45~49歳 | 約619.7万円 |
50~54歳 | 約650.2万円 |
55~59歳 | 約623.8万円 |
60~64歳 | 約497.4万円 |
(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html)
クレーン運転士の平均年収は、20~24歳時点においても約417.2万円と比較的高い水準です。
以降の平均年収は年齢を重ねるにつれて上昇していき、40~44歳で600万円を超えて、50~54歳にはピークの約650.2万円となります。ピーク後の55~59歳には約623.8万円になり、定年退職前の60~64歳の平均年収は約497.4万円です。 クレーン運転士は仕事への熟練と同時に、危険に対する管理能力が求められます。40代~50代で平均年収のピークを迎える理由は、経験や判断力が充実していて、職場内での役職にも就きやすい年代であるためでしょう。
クレーン運転士に向いている人
クレーン運転士に向いているのは、下記のような特徴がある方です。
● 車の運転や機械を操作することが好き ● 集中力がある ● コミュニケーション能力に自信がある ● 周囲をよく見て、注意深く行動できる |
クレーン運転士は長時間運転席でクレーン操作をすることが多いため、車の運転や機械操作が好きな方に向いています。
また、安全な作業に欠かせない集中力の高さや注意深さ、現場での意思疎通をスムーズに行えるコミュニケーション能力があれば、やりがいを感じながら働けるでしょう。
ただし、紹介したような特徴がなければクレーン運転士として働けないわけではありません。向いている特徴が自分に備わっていなくても、クレーン運転士として働くうちに自ずと適性が身につくケースもあります。
クレーン運転士が年収アップを目指すためのコツ
クレーン運転士は平均年収が比較的高い職業であるものの、実際に得られる年収は個人差があります。クレーン運転士として高年収を目指すためには、年収アップのコツをおさえることが大切です。
クレーン運転士が年収アップを目指すためのコツを2つ紹介します。
資格を取得する
クレーン運転士として働くためには、前提として国家資格であるクレーン運転士免許が必要です。
しかし、クレーン運転士免許にはさまざまな種類があり、操縦するクレーンの機種によって求められる免許が異なります。
たとえクレーン運転士免許を取得してクレーン運転士になっても、技能講習を修了しなければ携われない業務がいくつかある点にも注意してください。
保有する資格が多いほど活躍できるフィールドが広がり、収入アップにも大きく寄与します。
好条件の職場に転職する
クレーン運転士の年収を左右する要因としては、会社の規模や働く地域などが挙げられます。
当然ながら、会社の規模が大きく、地方よりも首都圏にある会社のほうが年収は高くなっていて、労働時間も短い傾向があります。
また、同じ規模でも給与設定や待遇・福利厚生は会社によって大きく異なります。
現在の会社で「成果を上げてもなかなか給料に反映されない」「待遇や福利厚生が良くない」と感じている場合は、思い切って好条件の職場に転職することも一案です。
クレーン運転士の年収アップにつながる「免許・資格」の種類
クレーン運転士は、操縦するクレーンの機種などによって必要な免許や資格が異なります。
クレーン運転士にとって必要性が高い主な免許・資格は下記の6つです。
● 移動式クレーン運転士免許 ● クレーン・デリック運転士免許(限定なし) ● クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定) ● クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定) ● 玉掛け技能講習 ● 高所作業車運転技能講習 |
年収アップを目指す方は、免許・資格を幅広く取得するのが望ましいと言えるでしょう。
ここからは、6種類の免許・資格を概要や取得難易度とともに紹介します。
移動式クレーン運転士免許
移動式クレーン運転士免許は、つり上げ荷重5トン以上を含めた、すべての移動式クレーンの操作が行える資格です。取得することで、工場内や工事現場において移動式クレーンを使用した業務に携われるようになります。
移動式クレーン運転士免許は受験資格不要で、学科・実技の試験に合格することで取得できます。令和5年度の合格率は63.7%で、取得難易度はそれほど高くありません。
(出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会「試験実施統計」/https://www.exam.or.jp/exmn/H_gokakuritsu.htm)
なお、移動式クレーンで公道を走行する場合は、クレーンの種類に適合する運転免許が必要です。
クレーン・デリック運転士免許(限定なし)
クレーン・デリック運転士免許(限定なし)は、クレーン・デリックのすべての機種を取り扱えるようになる資格です。クレーン・デリックの種類を問わずに操作ができるため、クレーン運転士の免許・資格の中でも最上位に位置しています。
ただし、移動式クレーンの操作には移動式クレーン運転士免許が必要です。クレーン・デリック運転士免許(限定なし)のみでは移動式クレーンの操作はできません。
クレーン・デリック運転士免許(限定なし)は受験資格が不要で、学科・実技試験に合格すれば取得できます。
令和5年度の合格率は、クレーン・デリック運転士免許全体で58.7%です。取得難易度は高くないものの、試験範囲にデリックに関する知識と関係法令が含まれる点に注意してください。
(出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会「試験実施統計」/https://www.exam.or.jp/exmn/H_gokakuritsu.htm)
クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)
クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)は、つり上げ荷重5トン以上のすべてのクレーンを操作できる資格です。デリックや移動式クレーンの操作は行えません。
クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)は受験資格が不要で、学科と実技の試験に合格することで資格を取得できます。
取得難易度は高くないため、しっかりと資格勉強をすれば取得しやすいでしょう。
クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)
クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)は、床上運転式クレーンの操作が行えるようになる資格です。床上運転式クレーンとは、床上で運転して、かつ運転者がクレーンの走行に合わせて移動する方式のクレーンを指します。
クレーン・デリック運転士免許(床上運転式クレーン限定)は受験資格が不要であり、学科・実技試験に合格すれば取得できます。
取得難易度は高くないものの、実技試験は床上運転式クレーンを使用する形で行われる点に注意しましょう。
玉掛け技能講習
玉掛け技能講習は、つり上げ荷重1トン以上のクレーン・移動式クレーン・デリックへの玉掛けを行うときに受講が義務付けられている講習です。受講後は、各クレーン・デリックの玉掛け業務に従事できます。
玉掛け技能講習は特別な資格がなくても受講できるものの、移動式クレーン運転士免許やクレーン・デリック運転士免許を保有しているとコース時間を短くできます。これからクレーン運転士になる方は、各種資格を取得後に受講するとよいでしょう。 玉掛け技能講習の合格率は90%以上と言われていて、取得難易度が高い資格ではありません。
玉掛けに関してご興味のある方はこちらのコラムも是非ご一読ください。
高所作業車運転技能講習
高所作業車運転技能講習は、高さ10m以上の場所に作業床がある「高所作業車」で作業を行う際、受講が義務付けられている講習です。受講すると、高所作業車を用いた作業に従事できます。
高所作業車運転技能講習は、移動式クレーン運転士免許や小型移動式クレーン運転技能講習を保有しているとコース時間が短くなります。もちろん、資格を保有していない方も受講は可能です。
高所作業車運転技能講習の合格率は90%以上と言われており、取得しやすい資格です。
クレーン運転士が転職先を選ぶ際におさえておくべきポイント
クレーン運転士が年収アップのために転職する場合は、転職先の給与設定が高いことはもちろん、業務内容が自分に合うものであるかをおさえましょう。待遇・福利厚生や社風に問題がないかのチェックも必要です。
最後に、クレーン運転士が転職先を選ぶ際のポイントを解説します。
業務内容
クレーン運転士の業務範囲や使用するクレーンの機種は会社によって違いがあります。部品の組み立てを行ったり、精密なクレーン操作を要求されたりするケースもあるため、求人応募前に業務範囲をしっかりと確認してください。
特に、クレーンの機種によっては特定の資格保有が求められます。業務で使用するクレーンの機種が、自分の保有資格で操作できることが大切です。
待遇・福利厚生
クレーン運転士の待遇・福利厚生は、会社によってさまざまです。年収アップを目指すためには、なるべく待遇・福利厚生の条件がよい職場を選びましょう。
クレーン運転士が求人情報でチェックしておきたい待遇・福利厚生としては、下記が挙げられます。
● 保有資格や業務経験に応じて給与設定が上がる ● 危険手当や資格手当の支給がある ● 資格取得補助などのキャリアアップにつながる制度が整備されている |
求人の待遇・福利厚生に注目すると、年収アップや働きやすさを重視した転職ができます。
社風
社風とは、企業や従業員全体で持っている独自の価値観・雰囲気のことです。
クレーン運転士が活躍する製造業や建設業の会社では、和気あいあいと働ける職場もあれば、上下関係に厳しい職場、黙々と働く人が多い職場もあります。社風が合わない職場は働きにくさを感じやすいため、事前に会社の社風を確認しましょう。
社風の確認は、ホームページで企業理念・経営理念を読んだり、応募先の社内見学をしたりすることで行えます。
まとめ
クレーンの操作・運転に従事するクレーン運転士は、重量物の運搬作業がある工場や建設現場などで高い需要があります。
クレーン運転士は働き方によっては高年収も狙えるため、年収アップを目指す際は好条件の職場に転職するとよいでしょう。
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