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2024.09.05

制御系エンジニアの将来性|仕事内容や向いている人の特徴も紹介!

制御系エンジニアの将来性|仕事内容や向いている人の特徴も紹介!のイメージ画像‐工場でロボットのシステム運用のテストをしているITエンジニアの男性

当記事では、制御系エンジニアの仕事内容や将来性、これからの活躍に必要なスキル、おすすめの資格を徹底解説しています。未経験から制御系エンジニアを目指す方法も紹介しているため、制御系エンジニアの仕事に興味のある方はぜひご覧ください。

制御系エンジニアは、工場の自動化やロボット・AI市場の発展に伴い、ますます需要が高まっています。しかし、専門的な知識とスキルが求められるため、未経験者がいきなり挑むには非常にハードルが高い職種です。

今回は、制御系エンジニアの仕事内容や将来性、これからの活躍に必要なスキルなどを解説します。制御系エンジニアに向いている人の特徴や目指す人におすすめの資格も紹介するため、制御系エンジニアへの就職・転職を検討している方は、ぜひご一読ください。

そもそも「制御系エンジニア」とは?

そもそも「制御系エンジニア」とは?のイメージ写真‐半導体チップの画像

制御系エンジニアとは、機械やシステムの動作を制御するためのシステムを設計・開発し、運用や保守まで担当するエンジニアです。工場の大型機器や自動運転車など、さまざまな場面で使用される制御システムを手がけ、機器の安定動作やトラブルの防止に貢献します。

精密な設計が求められる制御システムは技術の進化に伴ってその重要度が増しており、比例して制御系エンジニアの需要も高まっている状況です。

制御系エンジニアと組み込み系エンジニアの違い

制御系エンジニアと混同されがちな職種に、組み込み系エンジニアがあります。制御系エンジニアは、機械の動作を制御するシステムの開発を担当する職種です。一方、組み込み系エンジニアは、そのシステムを機器に実際に組み込み正常に動作するように作業します。

制御系エンジニアはシステム全体の制御を担当し、組み込み系エンジニアは機器への導入に特化する点が異なると覚えておけばよいでしょう。

ただ、両者は連携して仕事を行うことが多く、業務内容が重なる職場も珍しくありません。求人によっては、双方のスキルを備えていることを応募要項に上げている職場もあります。

制御系エンジニアの仕事内容

制御系エンジニアの仕事内容のイメージ写真‐システム運用のスケジュールを策定しているエンジニアの男性

制御系エンジニアの仕事は、機械やシステムを効果的に制御するシステムの開発を行うことです。大きく分けて「要件定義」「設計・開発」「運用・保守」の3つの工程があります。

それぞれの段階で求められる業務内容は異なりますが、すべてがシステムの品質や安全性に直結する重要な業務です。 ここからは、制御系エンジニアの仕事内容を段階ごとに解説します。

制御システムの要件定義

要件定義は、プロジェクトの初期段階で行われる工程です。クライアントの要望をヒアリングし、どのようなシステムが必要かを明確にします。制御系エンジニアは単にクライアントの希望を聞くだけでなく、技術的な観点から最適なシステムを提案する役割も果たさなければなりません。

システムの実現可能性や制約についても丁寧に説明し、クライアントとともに要件を確定させます。この段階でプロジェクトの方向性が大きく決まるため、高いコミュニケーション能力と提案力が必須です。クライアントのニーズを的確に把握できれば、後々のトラブルを未然に防げます。

制御システムの設計・開発

要件定義が完了したら、次は「設計・開発」です。

制御系エンジニアは、要件定義に基づいてシステム全体の設計を行います。基本設計はもちろん、システムの構成要素や制御ロジックを細部にわたって設計するのも、制御系エンジニアの仕事です。制御システムは基本的にオーダーメイドであり、機械や装置に合わせた専用の設計が求められます。

この段階では、各部門のエンジニアやプログラマーと協力しながら作業を進めるため、チームワークが重要です。また、設計の精度がシステムの品質を左右するため、技術的な知識と経験が求められます。

制御システムの運用・保守

システムが完成した後は、運用や保守が制御系エンジニアの仕事です。システムが正常に動作するかテストを繰り返して問題がなければ、クライアントに納品します。納品時に、使い方やサポート体制の説明を担当するケースも少なくありません。

さらに、納品後のフォローアップとして、定期的なメンテナンスやシステム改善、トラブル対応も行います。システムの信頼性を維持するために、迅速な対応と的確なサポートが求められる重要な役割です。

制御系エンジニアの将来性

制御系エンジニアの将来性のイメージ画像‐空に書かれたFutureの黒文字の周りをビルが囲んでいる様子の白黒画像‐地から空を映している

制御系エンジニアは、今後ますます需要が高まる職種です。理由の1つに、制御システムの活用用途が広がっている点が挙げられます。

特に制御系エンジニアの将来性を支えているのが、ロボットやAI市場の拡大です。自動運転やドローン、ロボットといった分野では、制御システムが欠かせません。どのシステムでも制御への安全性や精密さが求められるため、高度な技術を持つ制御系エンジニアが必須です。

また、AIやIoT技術の進化によって、制御システムは従来の機械機器だけでなく、さまざまな電子機器にも組み込まれるようになりました。5G技術の普及によってリアルタイムでのデータ通信や機器の遠隔操作が可能となり、これらの分野でも制御技術がより重要になっています。

今後、製造業の自動化が進むだけでなく、医療や介護、セキュリティといった新たな分野でもロボットやAIなどが当たり前となる未来が予想されます。このため、制御系エンジニアの活躍の場はますます広がり、将来的な市場性も非常に高いと言えるでしょう。

加えて、そもそも制御系エンジニアは人手が足りていません。特に、PLC技術者など特定のスキルを持つ人材が不足しており、企業が優秀なエンジニアを確保するための競争は激化しています。このような状況下で、制御系エンジニアのスキルを持つ人は、安定した雇用と高い収入を期待できるでしょう。

制御系エンジニアの平均年収

制御系エンジニアの平均年収は、約400万~550万円とされています。しかし、実際の年収は職場や経験年数によって大きく異なり、個人差の出やすい職種です。

基本的に、新人エンジニアが携われるのは主に運用・保守といった下流工程のみのため、年収は約300万~500万円と平均よりも低い傾向があります。

一方、設計や構築などの上流工程に携われるベテランエンジニアになると、年収600万円以上も目指せるでしょう。

このように制御系エンジニアは、経験を積みスキルを高めることでより高い収入を得られます。

これからの制御系エンジニアに求められるスキル

これからの制御系エンジニアに求められるスキルのイメージ写真‐青文字のSKILLの文字の周りにABILITYやGROWTH文字と絵が描かれている画像
‐消しゴム付き鉛筆と砂時計を持った男性がSKILLのイメージ図を描いている様子‐青文字のSKILLの周りにABILITYやGROWTH文字と絵が描かれている‐パソコン、手帳、クリップも置かれている

AIやIoT、ロボット市場の拡大に伴い、制御系エンジニアの将来性は非常に高く、これからも多くの分野で需要が続くと予想されます。

しかし、その成長の恩恵にあずかるには、エンジニア自身が新しい技術に対応できなければなりません。

ここからは、制御系エンジニアとしての成功に必要なスキルを4つ解説します。

プログラミングスキル

制御系エンジニアにプログラミングスキルは必須です。システム開発では、JavaやC言語などのプログラミング言語が頻繁に使用されます。これらの言語を習得しておくと、制御システムの設計・開発だけでなく、ほかのエンジニアリング分野でも活躍することが可能です。

さらに、プログラミングスキルを深めれば、プログラマーとしてのキャリアパスも開かれます。システムの最適化や高度な制御アルゴリズムの実装など、技術的な挑戦を楽しめるでしょう。

論理的思考力

制御システムは、正確かつ安全に動作することが求められます。そのため、制御系エンジニアには高い論理的思考力が必要です。

論理的に問題を分析し、最適な解決策を導き出す力がなければ、複雑なシステムの設計や実装、適切なトラブルシューティングは難しくなります。

また、論理的思考力を鍛えることで、クライアントとのコミュニケーションもスムーズになり、より高品質なシステムを提供できるようになるでしょう。

IT・電子工学に関する知識

ITや電子工学の知識は、これからの制御系エンジニアにとって重要なスキルです。現代の制御システムは、単なる機械制御にとどまらず、AIやIoT、エッジコンピューティングなどの最新技術と密接に関連しています。そのため、これらの技術を理解し、システムに応用できるスキルが欠かせません。

また、電子工学に関する知識を深めることで、AIエンジニアやロボット市場の制御系エンジニアとしてのキャリアも広がります。高い専門性が要求される分野で活躍するためには、常に新しい知識を学び続ける姿勢が大切です。

コミュニケーション能力

制御系エンジニアには、技術力だけでなくコミュニケーション能力も必要です。クライアントの要望を正確に理解してシステムに反映させるには、効果的なコミュニケーションが欠かせません。また、プロジェクトは通常チームで進めるため、ほかのエンジニアや関係者との円滑な情報共有や調整が求められます。

さらに、システム導入後もクライアントとの長期的な関係を築くために、丁寧な対応が重要です。コミュニケーションに長けたエンジニアは、信頼を得て新たなビジネスにもつなげられるでしょう。

制御系エンジニアに向いている人の特徴

制御系エンジニアに向いている人の特徴のイメージ画像‐長い階段の下にノートパソコンを持ったスーツ姿のエンジニアの男女

制御系エンジニアに向いている人には、次のような特徴があります。

●   自分の感情や直感を信じすぎない人
●   理論的に伝えることが得意な人
●   新しい技術に興味を持ち、積極的に学べる人
●   物事を細かく分析することが好きな人
● 責任感が強く、慎重に仕事を進められる人

複雑なシステムを扱う制御系エンジニアは、感情的な判断ではなく、論理的に考えて伝える力が必要です。

また、技術の進歩が早い業界であるため、新しい技術に対する好奇心や学習意欲も欠かせません。加えて、細部まで注意を払う分析力と、高い責任感を持って慎重に仕事を進める姿勢も求められます。

これらの特徴を持つ人は、制御系エンジニアとして成功する可能性が高いと言えるでしょう。なお、これらの特徴は働くうちに自ずと身につくものでもあるため、自身に該当する特徴がないからと言って諦める必要はありません。

制御系エンジニアを目指す人におすすめの資格

制御系エンジニアを目指す人におすすめの資格のイメージ画像‐ピンクと黄色とぐれーの画用紙‐ぐれーの画用紙に資格の文字が書かれている‐ピンクの画用紙の上にボールペンが置かれている

制御系エンジニアに特定の資格は必要ありませんが、関連する資格を取得することで、転職やキャリアアップに有利になります。

特に、制御系エンジニアとしてのスキルを評価する資格を取得しておくと、自身の専門性をアピールできるでしょう。

ここからは、制御系エンジニアにおすすめの資格を3つ紹介します。

ETEC(組み込み技術者試験制度)

ETEC(Embedded Technology Engineer Certification)は、組み込みシステムの知識と技術を証明できる試験です。クラス1(中級)とクラス2(初級)の2つのレベルがあります。

クラス2は、組み込みシステムの基礎知識を問うエントリーレベルで、初心者でも挑戦しやすい内容です。クラス1はより高度なスキルを評価する中級レベルの試験で、実務経験が求められます。

ETECは、特に組み込みシステムの開発を行う企業で評価されやすく、キャリアアップや転職の際に有利です。また、クラス1で高い評価を得るとリーダーとしての役割を担うチャンスが増え、より高度なプロジェクトにも参画できるでしょう。

(出典:一般社団法人 組込みシステム技術協会「ETEC(組込み技術者試験制度)」/https://www.jasa.or.jp/etec/

OCRES(OMG認定組込み技術者資格試験)

OCRES(OMG Certified Real-time and Embedded Specialist)は、国際標準化団体OMGが提供する、組み込み技術者向けの資格試験です。試験は、ファンダメンタル(基礎)、インターミディエイト(中級)、アドバンス(上級)の3つのレベルに分かれており、受験者は全員ファンダメンタルから始めます。

組み込みシステムに関する国際的な技術スキルを証明できるOCRESは、特にグローバル企業でのキャリアに有効です。国際プロジェクトへの参加や、海外でのキャリアチャンスを狙う際の強みになります。

(出典:日本OMG「OMG認定資格試験」/https://omg.or.jp/qualification_test/

エンベデッドシステムスペシャリスト試験

エンベデッドシステムスペシャリスト試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格です。主に、組み込みシステム開発に携わるエンジニアを対象としています。組み込みシステムの設計や構築に必要な高度な知識と技術を問うもので、知名度も高めです。

この資格を取得することで、組み込みシステムに関する高い専門性を持つことを証明できます。プロジェクトリーダーやシステムアーキテクトとしてのキャリアを開きたい場合に有効な資格です。

また、日本国内での評価が高く、給与や待遇の向上も期待できます。試験の難易度は高いものの、取得することでキャリアに大きなプラスとなるでしょう。 (出典:独立行政法人 情報処理推進機構「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」/https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/es.html

未経験者が制御系エンジニアを目指すには?

未経験者が制御系エンジニアを目指すには?のイメージ写真‐右手に初心者マークを持った私服の男性がパソコンの前でガッツポーズをしている

未経験者が制御系エンジニアを目指すのは、決して簡単ではありません。

制御システムの開発には高度な専門知識とスキルが求められます。エンジニアとしての経験がない方や、制御システムに関する知識を持っていない方にとっては、ハードルが高い職種です。少なくともシステムエンジニア(SE)としての3年以上の実務経験を求められるケースが大半です。

しかし、SEとしてであれば、未経験者でも歓迎する企業が珍しくありません。そのため、SEとして働きつつ制御システムに関する知識やスキルを身につけた後、改めて転職するとよいでしょう。段階的にキャリアアップを図ることで、制御系エンジニアとしての成功への道が開けます。

まとめ

制御系エンジニアは高度な専門知識が求められますが、今後の技術進展において重要な役割を果たす職種であり、将来性は有望です。ただ、未経験者が目指すのであればシステムエンジニアとしての実務経験が必須で、資格取得や段階的なキャリアアップが成功の鍵です。

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