サポートエンジニアとは?仕事内容・年収・未経験からの目指し方も
サポートエンジニアはIT系職種の1つであり、属する種類によって業務内容が細かに異なります。今回は、サポートエンジニアの概要や種類別の仕事内容といった基本情報から、平均年収や必要スキル、未経験から目指す方法まで徹底解説しています。
IT系職種の1つにサポートエンジニアがあります。企業や顧客との関わりが強く、エンジニアとしての知識をサポート業務に役立てる仕事です。
サポートエンジニアと一口に言っても、属する種類によって業務内容は異なります。サポートエンジニアに興味がある人は、働き方をイメージするために具体的な仕事内容や役割などをチェックしておきましょう。
今回は、サポートエンジニアの概要と種類別の仕事内容、平均年収などの基礎知識を解説します。サポートエンジニアの将来性やおすすめの資格も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
目次
サポートエンジニアとは?
サポートエンジニアとは、エンジニアの知識を活かして企業や顧客のサポートをするエンジニア職を指します。
サポートエンジニアの主な役割は、システムやIT機器、ネットワークなどに関する悩みや問い合わせを解決に導くことです。サポートエンジニアが操作方法や対処法を提示することで、取り扱いサービスや製品を快適に利用してもらえるようになります。
「エンジニア」と聞くとシステムエンジニアをイメージする人もいますが、サポートエンジニアとシステムエンジニアでは携わる業務が大きく異なります。
システムエンジニアは、システム開発や運用業務に携わる仕事です。サポートエンジニアは、システムエンジニアと同様にシステム開発に関わる専門知識を有するものの、システム開発業務に携わることはありません。
【種類別】サポートエンジニアの仕事内容
サポートエンジニアの基本的な仕事内容は、下記の通りです。
● 問い合わせ対応 ● トラブル対応 ● 遠隔サポート ● アフターフォロー ● マニュアル整備やドキュメント作成 |
サポートエンジニアは企業や顧客との距離が近く、現場のリアルな声に耳を傾けるポジションと言えます。疑問や不具合を汲み上げて、必要な提案をしたり開発部門へフィードバックしたりするのが主な仕事です。
サポートエンジニアには4つの種類があり、属する種類によって具体的な業務内容はさまざまです。
ここでは、サポートエンジニアの種類別に業務内容を詳しく解説します。
カスタマーサポート
カスタマーサポートは、一次窓口として機能します。「カスタマー=顧客」を意味し、ユーザー企業や顧客からの問い合わせや苦情などに対応するのが主な仕事です。サポートデスクやサポートセンターと呼ばれることもあります。
電話やメール、チャットなどで対応するケースが多いものの、自社製品のサポートのためにユーザー企業に出向いたり常駐したりするケースもあります。カスタマーサポートと一口に言っても、働き方はさまざまです。
カスタマーサポートに寄せられる声は多岐にわたるため、柔軟な対応力が必須です。
セールスサポート
セールスサポートは、自社の営業担当者とともにユーザー企業や顧客の元に出向いて営業活動を行います。セールスエンジニアや技術営業と呼ばれることもあり、顧客とエンジニアチームの橋渡しをする役割を担います。
主な仕事内容は、製品の技術面に関するプレゼンです。専門的な知識を持つセールスエンジニアが製品を説明することで、顧客は製品の特徴やメリット・デメリットを正しく理解しやすくなります。
セールスサポートとして働くには、製品の魅力を分かりやすく伝える力が必要です。
プロダクトサポート
プロダクトサポートは、特定の製品に特化した窓口として機能します。「プロダクト=製品」を意味し、顧客が自社製品の導入や使い方に困っている場合にサポートするのが主な役割です。
顧客からの製品や周辺機器などの質問には、営業担当者が対応する場合もあります。しかし、回答が難しい専門知識が求められる内容には、プロダクトサポートが対応します。
カスタマーサポートと同様に、柔軟な対応力が必要です。また、調査結果や蓄積した知見など、自社製品についての深い知識も求められます。
テクニカルサポート
テクニカルサポートは、自社製品に関する問い合わせや不具合に対応しながら、技術的な問題を解決する仕事です。故障や修理に関する相談などの窓口対応が中心となります。
カスタマーサポートやプロダクトサポートと役割は似ているものの、テクニカルサポートには技術的な部分の対応が求められます。環境の再現やプログラム解析による調査も業務に含まれます。
テクニカルサポートには、トラブル状況を正しく把握して解決するスキルが必要です。
サポートエンジニアの平均年収
サポートエンジニアの平均年収は、430万~500万円程度と言われています。システム開発職やシステムエンジニアに比べると、平均年収はやや低い傾向にあります。
ただし、平均年収はあくまでもサポートエンジニア全体の平均値です。経験を積んだ40代~50代であれば平均年収以上稼ぐ人もいるでしょう。経験が少ない20代の場合は、300万円台も十分に考えられます。サポートエンジニアの年収額には、実績や経験が影響しやすいと言えるでしょう。
サポートエンジニアに求められるスキル
サポートエンジニアは、自社製品の営業から利用までを支える重要な仕事です。サポートエンジニアとして働くには、ユーザー企業や顧客との円滑なやり取りや適切な対応をするための知識とスキルが必要です。
ここでは、サポートエンジニアに求められる4つのスキルを解説します。
基礎的なITスキル
サポートエンジニアは、基礎的なITスキルが必須です。
サポートエンジニアには、「製品の魅力を知りたい」「トラブルで困っている」など、ユーザー企業や顧客からさまざまな声が寄せられます。ITスキルが不十分だと、顧客が求める対応ができません。考えや悩みを汲み取ってもらえないと、相手の不安度や焦りは強くなります。
問い合わせや相談などに適切に向き合うために、ITスキルや自社製品・周辺機器の知識を身につけておきましょう。ITスキルや知識がない顧客も多いため、分かりやすい言葉を選んで対処法を伝える力も求められます。
コミュニケーションスキル
サポートエンジニアとしてスムーズに問題を解決したり自社製品の魅力を伝えたりするには、コミュニケーションスキルが必要です。一次窓口としても機能するため、コミュニケーションスキルが高いと会社の印象アップにもつながります。
コミュニケーション能力は、下記の3つの要素で構成されます。
● 傾聴する力 ● 読み解く力 ● 伝える力 |
情報を集めて解決方法を考えるには、傾聴する力と読み解く力が重要です。導き出された対処法を正しく理解してもらえるように、伝える力も鍛えておきましょう。
直接ユーザー企業や顧客のもとへ出向いて対応する場合もあるため、表情・視線・しぐさなどの非言語でのコミュニケーション力も大切です。
問題解決能力
ユーザー企業や顧客からの問い合わせや相談には、必ず顧客を満足させる提案が必要です。相手が求めていることや対処法を導き出すには、問題解決能力が求められます。
問題解決能力を高めるには、論理的思考と仮説思考を鍛えることがポイントです。解説すべき問題を見極めたり仮説をもとに対処法を考えたりする力があれば、サポートエンジニアとしての仕事がスムーズになります。
時には、同じチーム内で意見を出し合うことも大切です。良好なチームワークを築くことで、問題やトラブルの早期解決を目指しやすくなります。
英語力
サポートエンジニアには、英文読解力や英会話スキルが必須です。
IT業界の最新情報は英語で書かれていることも多く、正確に情報を理解するには英文読解力が欠かせません。最低限の英語力があれば、外国人の顧客への対応もスムーズです。
外資系企業で働くとなれば、読解力だけでなく書く能力や会話スキルも必要です。ユーザー企業や顧客はもちろん、社員間の会話も英語が基本となる場合があります。
サポートエンジニアの将来性
サポートエンジニアは、他のエンジニア職と同様に将来性が高い職種と言われています。
サポートエンジニアの将来性が高いと言われる主な理由は、次の通りです。
● IT化が進んでさらに需要が高まる ● 採用を強化するIT企業が増えている ● 顧客満足度の向上に役立つ |
サポートエンジニアは、顧客との信頼関係を築いたり優れた製品開発のために必要なフィードバックをしたり、IT企業に欠かせない重要な役割を担っています。
将来的に一部の業務はAIに代替できるようになるものの、AIでは対応できない問い合わせも数多くあります。現状では、AIがサポートエンジニアの仕事を脅かす心配はほとんどありません。
サポートエンジニアにおすすめの資格
サポートエンジニアとして働く上で必須となる資格はないため、基礎的なITスキルや技術があれば目指すことは十分に可能です。ただし、ユーザー企業や顧客がIT分野に詳しい場合は、システム開発や運用業務に関する知識がなければ上手くサポートできない可能性があります。
サポートエンジニアを目指す人は、就職・転職活動やキャリアアップに有利になる資格の取得も検討してみましょう。
サポートエンジニアにおすすめの資格は、次の通りです。
●ITパスポート
ITパスポートは、ITの基礎知識が問われる資格です。IT業界初心者や未経験者が自分の知識量を示したい場合にも役立ちます。2009年からスタートした資格で、社員の人材育成に活用する企業も増えています。
ストラテジ系・マネジメント系など幅広い分野が出題範囲です。試験は、コンピュータを使用して解答するCBT方式で行われます。合格証明書の発行には申請が必要です。合格証明書は、受験月の翌々月中旬に送付されます。
●基本情報技術者試験
基本情報技術者試験もITパスポートと同様にITの基礎知識があることを証明できる資格試験です。ある程度ITスキルを習得した人向けの試験と言えます。受験者数は年間10万人程度で推移しています。
試験方法は、ITパスポートと同じCBT方式です。基本理論・アルゴリズム・プログラミングなど、ITパスポートより出題範囲が広く設定されています。
●スーパーバイザー資格
スーパーバイザー資格は、コンタクトセンター管理者に必要な知識やスキルを問われる資格です。3年以上の業務経験を有する管理者を対象としており、実務経験を積んだ中級者や上級者向けの問題が出題されます。80問出題され、スコア500以上を合格とみなします。認定証が郵送されるまでの期間は、4~6週間程度です。
コンタクトセンター戦略・監査、カスタマーサービスなどの分野から出題され、CBT方式で解答します。
サポートエンジニアに向いている人の特徴
サポートエンジニアとして働きたいと考えている人は、自分に向いている仕事かどうかチェックしてみましょう。
サポートエンジニアに向いている人の主な特徴は、次の通りです。
●新しい知識や技術をポジティブな気持ちで学べる
IT関連の技術は日々進歩することから、サポートエンジニアは知識やスキルのアップデートが必要です。自社の新製品が開発されるたびに、操作性や周辺機器について知識を深めなければなりません。
ポジティブな気持ちで新しい知識や技術を学べる人は、サポートエンジニアに向いていると言えるでしょう。
●相手に寄り添って課題解決を目指せる
サポートエンジニアが対応するユーザー企業や顧客は、有するIT知識やスキルに幅があります。相手の理解度に合わせて寄り添いながら対応できる人は、サポートエンジニアとして活躍しやすいでしょう。「人の役に立ちたい」という気持ちが強い人にも向いています。
●忍耐強く丁寧に仕事に取り組める
製品やサービスの問題点を正しく把握するには、ユーザー企業や顧客へのヒアリングを丁寧に行う必要があります。仮説通りに進まないこともあるため、物事に忍耐強く取り組める人にもおすすめです。
未経験からサポートエンジニアを目指すには?
サポートエンジニアは、未経験からでも十分にチャレンジできる職種です。ただし、基礎的なITスキルは必須となるため、あらかじめ習得しておく必要があります。
ITスキルの習得は、書籍を活用して独学するかスクールに通って学習するのが一般的です。ITスキルの勉強や資格取得は、スキル習得だけでなく採用においても有利になります。
また、サポートエンジニアはIT業界未経験者より経験者のほうが採用されやすいのが現状です。しかし、「未経験者OK」の企業も多いため、ITスキルの習得に向けた勉強を続けつつ求人情報をチェックしましょう。
未経験者を歓迎する企業は、教育制度や独自のマニュアルが充実している傾向にあります。基礎的なITスキルを身につけて未経験OKの企業で働くことで、効率よくサポートエンジニアとしてのスキルを習得できるでしょう。
まとめ
サポートエンジニアには4つの種類があり、仕事内容はそれぞれ異なります。しかし、ユーザー企業や顧客に寄り添った対応が求められる点は共通しています。
サポートエンジニアとして働くには、基礎的なITスキルや問題解決スキルなどが必要です。将来性が高く未経験からでも十分チャレンジできる職種と言えます。「ITパスポート」「基本情報技術者試験」「スーパーバイザー資格」があると、就職・転職活動で有利です。
未経験からサポートエンジニアとして活躍したい人は、基礎的なITスキルを身につけた上で、実際に働きながら知識と経験を積み重ねましょう。
サポートエンジニアのテクニカルサポートについて、こちらのコラムで詳しくご紹介しておりますので、興味を持たれた方は是非ご参考になさってください!
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