40代未経験から工場勤務へ転職はできる？求人へ応募する際のポイントを解説

40代未経験でも工場への転職はできる

結論から先に述べると、40代から未経験で工場に転職することは可能です。製造には資格が必要ない業務も多く、特に大手企業であれば現場の教育体制も整っています。

すぐに作業ができるようにマニュアルが整えられていることも多く、現場で働きながら技術を習得できるため、40代で未経験でも転職できるといってよいでしょう。

40代未経験でも正社員として働ける？

40代未経験でも転職できるとしても、正社員として働くのは無理ではないかと思う方もいるかもしれません。しかし、40代でも正社員で未経験の募集はあり、正社員として働くことは可能です。

ここでは、40代未経験でも正社員として働ける理由を2つ紹介します。

正社員の求人もある

工場の求人は派遣社員やアルバイト、期間工などは多く見られますが、正社員の募集もあります。また「未経験者歓迎」という記載がある求人も多く、工場勤務の経験がなくても正社員になることは可能といえるでしょう。

正社員の求人では見習い期間が設けられている場合もありますが、期間中の勤務に問題なければ、正社員に登用されます。

未経験でも正社員に採用されるためには、選考の際に入社後に貢献できることを積極的にアピールし、働く意欲を見せることが大切です。

非正規雇用から正社員になれることもある

企業によっては正社員登用制度を設けているところもあります。正社員登用制度とは、アルバイトや契約社員といった非正規雇用で入社した従業員を、選考などにより正社員として採用する制度です。

企業にとっては従業員の適正を見極めてから正社員に雇用でき、従業員にとっても自分に合う仕事かを確かめてから正社員になれるというメリットがあります。

正社員登用の基準や方法は、企業によって異なります。一般的に年2回ほど正社員登用試験が行われ、合格すれば正社員に登用されるという流れです。正社員になる基準は工場により異なりますが、試験で基準点をクリアするとともに、ルールを遵守できる、勤務態度が良好であるなどの評価基準が設けられているのが一般的です。

工場勤務の仕事内容

未経験で工場勤務を目指す場合、どのような仕事をするのかを確認しておきましょう。

工場勤務は、大きく分けて「食品系」と「機械系」「化粧品系」に分かれます。それぞれ細かい仕事内容は異なりますが、両者に共通する業務内容を大きく分けると、以下の4つです。

・ライン作業

・ピッキング

・検品・品質管理

・機械オペレーター

ここでは、工場の主な仕事内容を紹介します。

ライン作業

ライン作業は、一つの製品を大量に生産することを目的として行う流れ作業のことです。ベルトコンベアに流れてくる部品や食材などの材料を、組み立て・加工・検品・梱包など複数の工程で作り上げます。多くの工場ではライン作業が行われており、求人も豊富です。

配置される部門によって作業内容は異なり、軽作業から力仕事まで幅広い業務があります。

多くのライン作業は立ち仕事で、ある程度の体力が必要です。ベルトコンベアで流れてくる製品はスピードがあり、慣れるまでは作業に追いつくのが大変という側面もあります。

ただし、基本的にルーティンワークであるため、慣れれば楽に作業できる仕事です。資格がなく未経験でも取り組みやすいでしょう。

ライン作業は単調な作業が苦にならず、集中力がある人に向いています。また、作業をスピーディに行うことが要求されるため、単純にマニュアルどおり進めるのではなく、効率良く作業するための創意工夫ができる人に向いているといえるでしょう。

ピッキング

ピッキングとは、指示書や伝票などで指定されたものを集め、指定の場所に運び出す作業を指します。目的の商品を探して集める業務のため比較的単純作業であり、未経験でも採用されることが多い業務です。

必要な部品・製品の配置が遅れると作業工程に影響を与えるため、迅速に行うことが求められます。ピッキングする部品や製品の大きさは幅広く、小さくて軽いものもあれば、フォークリフトでなければ運べない大きな荷物などさまざまです。フォークリフトを扱う業務は、フォークリフト免許の取得者が採用条件となっている場合もあります。

ピッキング作業は基本的に立ち仕事で、歩き回ることが多い仕事です。商品棚が高く、ハシゴや階段を上ることもあります。

また、工場によっては商品の運搬や搬出のために出入口を開放していることもあり、冷暖房が効きにくい場合はあるでしょう。

検品・品質管理

検査・品質管理は、完成した製品に不具合がないかチェックする仕事です。製造の現場には、納期を守りながら質の高い製品を作る使命があります。不良品や不具合が発生すると、顧客からの信頼が低下するでしょう。そのような事態を防ぐのが検査・品質管理の役割です。

検品作業では、主に以下のような作業を行います。

・傷や汚れはないか

・規格に沿って製造されているか

・性能に問題はないか

検査作業はチェック項目がマニュアル化されていることも多く、未経験者でも携われます。ただし、不具合を見逃して出荷されると重大な問題になる可能性があり、責任の大きい仕事です。

品質管理の業務は検品作業の仕事内容と変わりなく、さらに、欠陥が見つかった製品について原因を調べ、どこの工程を改善すべきかなど検品作業から一歩踏み込んだ業務も行います。

品質管理の仕事は工程管理、品質検証、品質改善の3つに大別でき、工程管理は作業手順や工程を管理する仕事です。品質検証は完成した製品そのものの検査や製造プロセスの監視を行います。品質改善は、不良品が発生した場合に再発防止の対策を行う業務です。

機械オペレーター

機械オペレーターは、機械を操作する仕事です。製造現場では、主に以下の加工作業を行います。

・金属のプレス加工

・半導体の加工

・ラッピング加工

・建材の切断

金属のプレス加工は、主に自動車工場で行われる仕事です。金属をプレスして絞りや曲げの作業を行います。ラッピング加工は食品や印刷物などをラッピングする仕事です。

建材の切断は断熱材や木材などの建材を切断する仕事で、現場によって切断の対象は異なります。経験者が優遇されやすい業務ですが、資格は不要で未経験でも取り組むことができる仕事です。

このほか、コンピューターのプログラミングにより旋盤加工を行うオペレーターもあります。旋盤加工とは、刃物を回転させて素材を切ったり削ったりする加工のことです。コンピューターによる数値制御を用いた旋盤加工をNC旋盤といい、コンピューターを内蔵した機械でプログラムのとおりに素材を加工します。

工場勤務のメリット

40代で未経験から工場への転職を検討している方は、工場勤務のメリットを把握しておきましょう。

ここでは、工場勤務のメリットを3つ紹介します。

夜勤に入れば手当がもらえる

24時間稼働している工場も多く、夜勤のシフトがある場合も少なくありません。夜勤とは22時～翌5時までの時間帯に働くことで、シフトの組み方は工場によって異なります。

夜勤をすると特別手当がつくため、日勤より効率的に稼げます。夜勤で働くと日中のほとんどを睡眠にあてるため、お金を使う機会も少なくなるでしょう。より多く稼いでお金を貯めたいと考えている人に向いています。

スキルや資格を身につけられる

業務内容にもよりますが、工場勤務では業務に携わりながらスキルを身につけられるのがメリットです。身についたスキルにより、資格を取得することも可能です。

会社によっては、受験料の負担など資格取得の支援制度を設けているケースもあります。資格を取得することで昇給・昇格できる可能性があり、手当がつくこともあるでしょう。

工場勤務で取得できる資格は、以下の記事で解説しています。

工場勤務で役立つ資格は？製造業の種類別におすすめを紹介

人間関係のトラブルが比較的少ない

工場勤務は基本的に1人で仕事を進めていくことが多く、最低限の挨拶や報連相は発生しますが、同僚との密なコミュニケーションは発生しにくい環境です。そのため、人間関係のトラブルが比較的少ない点はメリットです。

職場の人間関係が原因で離職する人は少なくありません。人とあまり関わらずに仕事を進められる工場勤務は、ストレスを抑えながら働けるでしょう。これまで、職場の人間関係に疲れていた人に向いています。

40代工場勤務の給料

工場勤務への転職を考えるとき、気になるのが給料の額です。工場勤務の給与は、正社員と派遣社員・契約社員で異なります。 それぞれの給料について、みていきましょう。

40代正社員の給料

厚生労働省が行った「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、製造業で40代正社員が支給される給料の平均は以下のとおりです。

・40~44歳：373.6万円/年

・45~49歳：391.4万円/年

※ 企業規模10人以上の場合

なお、全産業の平均は以下のような数字です。

・40~44歳：381.8万円/年

・45~49歳：398.5万円/年

製造業の正社員の給料は、全体平均をやや下回る結果となっています。

40代正社員以外の給料

同じ調査で、製造業における40代の派遣社員・契約社員が支給されている給料の平均は以下のとおりです。

・40~44歳：223.4万円/年

・45~49歳：214.8万円/年

※ 企業規模10人以上の場合

正社員と比較して、大きく下回る数字になっています。高い給料を得るには、できるだけ正社員で転職するのが理想といえるでしょう。

参考：e-Stat「賃金構造基本統計調査」

40代未経験から工場勤務への転職を成功させるためのコツ

40代未経験から工場への転職は可能ですが、転職活動を成功させるにはコツがあります。

ここでは、成功のためのコツを2つ紹介します。

自分に合った業務内容を選ぶ

40代での転職で工場の業務が自分に合わなかった場合、また仕事を変えるのは大変です。できるだけ長く勤務するためにも、自分に合った業務内容を選びましょう。

工場勤務にはさまざまな業務があるため、これまでの経験や自分が得意とすることを活かせるような業務を選ぶことをおすすめします。

また、工場の業務には適性があります。自分がそもそも工場勤務に向いているかも確認しておきましょう。

工場勤務は、主に以下のような人に向いています。

・繰り返しの作業にコツコツ集中できる

・1人で作業するのが向いている

・体を動かして働くことが好き

・モノづくりの仕事に従事したい

一方、工場勤務は、仕事内容によっては立ちっぱなしや重量のある荷物を持ち上げることがあります。そのため、体力に自信がなかったり、身体を使う仕事を億劫に感じたりする人は大変だと思うかもしれません。しかしながら、昨今では重量物の取り扱いなどの身体的に負担がかかる業務を機械やロボットが担う工場も増えています。工場業務だからすべてが重労働だと考える必要はありません。

工場勤務に特化した求人サービスを利用する

40代未経験から工場へ転職を成功させるには、工場勤務に特化した求人サービスを活用することが大切です。工場に特化した求人サービスではさまざまな業務の求人を用意しており、豊富な案件から選べるため、自分に合う業務を選びやすいでしょう。

まとめ

工場の求人では40代の応募も可能であり、未経験歓迎の募集も多くあります。教育制度が整ってマニュアルが完備されている工場がほとんどなので、初めての仕事でも取り組みやすいでしょう。

工場の仕事はライン作業やピッキング、検品などさまざまで、自分に合う業務内容を選ぶことが転職活動に成功するポイントです。

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