製造業・工場のお仕事
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2023.11.10

フォークリフトの資格を取るには?免許の種類や取得方法を解説!

工場や倉庫内で運搬作業に用いるフォークリフトを操作するためには、専用の資格が求められます。必要な免許の種類や取得方法、難易度についてまとめました。仕事の幅を広げるためにも、ぜひ参考にして資格取得を目指してください。

そもそもフォークリフトとは

フォークリフトとは、マストと呼ばれる支柱についた爪状の棒(フォーク)で荷物を運搬する車のことです。人手を使わずに大量の荷物をまとめて運べるため、工場や倉庫などで活用されています。

また、直接トラックに荷物を積み込んだり、トラックで運ばれてきた荷物を倉庫に入れたりできるため、出荷や入庫の作業を大幅に軽減できるのもフォークリフトのメリットです。1トン未満の比較的軽量のものを運搬するタイプや、鉄材などの20トン以上のものを運搬するタイプなどもあります。

フォークリフトの特徴

フォークリフトには、次の特徴があります。

・マストに上下に動くフォークがついている

・短距離間の運搬に用いられる

・車両としてのスピードは遅い

フォークリフトは倉庫内や工場内での利用が想定されているため、車両スピードは遅く、自動車のように高速で走れません。また、前方に荷物を積載するため、視界が遮られやすい点にも注意が必要です。社内で決められたルールを守り、安全運転を心がけましょう。

カウンターフォークリフトの画像

フォークリフトの種類

フォークリフトには、大きく分けてカウンターリフトとリーチリフトの2種類があります。

カウンターリフトとは、車体後方に重りを置き、重い荷物を持ち上げたときにバランスが取れるように工夫されたフォークリフトです。フォークリフトの中でも一般的なタイプで、車体に安定感があり、座ったまま運転できる点も特徴です。

また、カウンターリフトはディーゼルエンジンで動くため、故障が少なく重いものを持ち上げられます。ただし、車体が大きいため、狭い場所での作業には向きません。

一方、リーチリフトは立ったまま操縦するタイプのフォークリフトです。フォークの出し入れができるため小回りが効き、狭い場所でも操作しやすい点も特徴です。

リーチリフトはバッテリー式で動き、排気ガスがなく室内作業にも適しています。しかし、カウンターリフトと比べると安定性を欠くため、荷物を高く持ち上げての移動や傾斜面などでの作業には向きません。

そのほかにも、車体の側面にフォークがついたサイドフォークリフトや、運転台も移動するピッキングフォークリフト、作業員が歩きながら操作するウォーキーフォークリフトなどもあります。

フォークリフトの作業には資格が必要

ォークリフトの作業には労働安全衛生法が適用され、専門の資格取得が求められます。後述しますが、運搬する荷物の重量(最大積載荷重)により、次の資格を取得しておくことが必要です。

・最大積載荷重1トン未満:フォークリフト運転特別教育

・最大積載荷重1トン以上:フォークリフト運転技能講習

また、フォークリフトは通常倉庫内などで使用しますが、公道で運転する際には次の資格も必要です。

・最高時速15km以下:小型特殊自動車免許※

・最高時速15km超:大型特殊自動車免許

※フォークリフトの車体サイズによっては、大型特殊自動車免許が必要になることもあります。

フォークリフトに乗ってポーズをとっているウイルテックの女性社員

フォークリフトの資格を取るメリット

フォークリフトの資格を取得することで、次のメリットを期待できます。

・収入アップの可能性がある

・年齢に関係なく長く活躍できる

・キャリアアップにつながる

各メリットについて見ていきましょう。

収入アップの可能性がある

企業によっては、フォークリフトの資格に対して資格手当を支給していることがあります。免許取得により毎月資格手当を受け取れるようになると、大幅な年収アップにもつながります。

年齢に関係なく長く活躍できる

フォークリフトの資格は、一度取得すれば更新の必要がありません。また、年齢制限もないため、倉庫や工場などの現場で長く活躍できます。

キャリアアップにつながる

フォークリフトの資格を取得することで、仕事の幅が広がります。重たい荷物を運ぶことが多い工場や倉庫、建築現場などで担当できる業種も増え、活躍のチャンスも広がります。工場内でのキャリアアップを目指す人も、フォークリフトの資格取得を検討してみましょう。

また、フォークリフトの資格は、履歴書の資格欄にも記載できます。転職活動にも有利に働くかもしれません。

フォークリフトを操作「しているウイルテックの女性社員

フォークリフトの資格取得は難しい?

後述しますが、フォークリフトの資格には、最大積載荷重1トン未満の車両のみ運転できる「フォークリフト運転特別教育」と、最大積載荷重1トン以上の車両を運転できる「フォークリフト運転技能講習」があります。フォークリフト運転特別教育は、その名のとおり教育を受けるだけで取得できる資格のため、参加すれば全員合格できます。

一方、フォークリフト運転技能講習は、講習を受けてから学科試験と実技試験を受験し、一定基準以上の点数を獲得しなくてはいけません。そのため、参加さえすれば合格できるのではなく、不合格になる人もいます。

とはいえ、合格率は90%を超えており、それほど難易度は高くありません。万が一、不合格になっても再度、実技講習や終了試験を受けることができます。

フォークリフトの免許の種類

フォークリフトの免許は、運搬する荷物の重さ(最大積載荷重)によって次の2つの種類にわけられます。

・フォークリフト運転特別教育

・フォークリフト運転技能講習

フォークリフト運転特別教育

フォークリフト運転特別教育を修了すると、最大荷重1トン未満のフォークリフトの運転が可能になります。なお、フォークリフト運転特別教育には学科教育と実技教育があり、それぞれ6時間程度を受講すると修了します。

特別教育の資格には有効期間がないため、一度取得すると更新手続きをする必要はありません。ただし、安全のためにも再教育の実施が勧められており、事業所単位でおおむね5年ごとに再教育を実施し、修了証を交付することがあります。

フォークリフト運転技能講習

フォークリフト運転技能講習を取得すると、最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転が可能になります。なお、技能講習にも学科教育と実技教育があり、保有している免許の種類や、事業所内での運転経験によって以下の時間数の教育を受けます。

保有している免許の種類・事業所内での運転経験教育時間(学科+実技)
・大型特殊自動車免許(カタピラ限定を除く)を有している
・普通免許・準中型免許・中型免許・大型免許・大型特殊免許のいずれ かを有し、フォークリフト運転特別教育終了後、最大積載荷重1トン未満のフォークリフトを3カ月以上業務で運転した経験がある
11時間程度
・フォークリフト運転特別教育終了後、最大積載荷重1トン未満のフォークリフトを6カ月以上業務で運転した経験がある15時間程度
・普通免許・準中型免許・中型免許・大型免許・大型特殊免許のいずれかを有している31時間程度
・上記のいずれにも該当しない35時間程度
フォークリフトの実習を受けている様子

フォークリフトの資格取得方法

フォークリフト運転特別教育は、基本的には事業者単位で実施する安全教育です。しかし、教習機関などでも実施していることがあり、事業所などをとおして受講することができます。

一方、フォークリフト運転技能講習は、都道府県単位で実施している講習です。厚生労働省の地方組織である都道府県労働局に登録した教習機関が実施しています。それぞれの資格を取得する方法について見ていきましょう。

フォークリフト運転特別教育の場合

フォークリフト運転特別教育は、学科教育と実技教育の両方を修了する必要があります。受講方法は主に次の3つです。

・事業所内で受講する

・教習機関で受講する

・Web講座を受講し、実技教育のみ事業所か教習機関で受講する

フォークリフト運転技能講習の場合

フォークリフト運転技能講習も、学科教育と実技教育の両方を修了し、各試験に合格する必要があります。受講方法は主に次のとおりです。

・教習機関で受講し、学科試験と実技試験を受験する

学科試験と実技試験の両方に合格すると、修了証が交付されます。

フォークリフトの資格取得にかかる費用と日数

カレンダーの画像

フォークリフトの資格取得にかかる費用と日数は、資格の種類や受講時間、試験有無によって異なります。フォークリフト運転特別教育とフォークリフト運転技能講習に分けて、解説します。

フォークリフト運転特別教育の費用

フォークリフト運転特別教育は、保有する免許や経験にかかわらず、学科教育は6時間程度、実技教育は6時間程度の合計12時間程度です。ただし、各時間は教育規定に定められた時間であり、実際には待ち時間や移動時間などが発生するため12時間以上かかります。

費用は教習機関や事業所によっても異なりますが、15,000円前後になることが一般的です。また、学科教育と実技教育は別日に実施されることが多いため、修了証の取得までには2日程度かかります。

フォークリフト運転技能講習の費用

フォークリフト運転技能講習は、保有する免許や経験によって11~35時間程度かかります。たとえばカタピラ以外の大型特殊自動車免許を保有している場合や、普通運転免許などを保有し、1トン未満のフォークリフトを3カ月以上実務で運転した経験がある場合などは、全ての講習が11時間で終わります。そのため、2日ほどあれば講習と試験を終えて資格取得が可能です。

しかし、運転免許を保有していない場合や、フォークリフトの実務経験がない場合は、31~35時間程度の講習を受けなくてはいけません。また、講習に加えて試験もあるため、全てを終えるには4~5日程度かかります。

スケジュールは教習機関によっても異なりますが、平日の連続する4~5日間でまとめて実施することや、土日の2日間×2週間で実施することもあります。費用は35,000~50,000円程度です。

助成金を申請できることがある

フォークリフトの運転免許は、教育訓練給付制度の対象資格で、取得にかかる費用の最大40%に対して助成金を受け取れることがあります。なお、教育訓練給付制度とは、キャリアアップや中長期的なキャリア形成を支援する制度です。

教育訓練給付金の申請手続きは、お住まいの地域を管轄するハローワークでおこないます。受講前に、ハローワークで相談しておきましょう。

工場の倉庫内でフォークリフト作業

まとめ

フォークリフトの資格には、試験なしで取得できるフォークリフト運転特別教育と、試験ありのフォークリフト運転技能講習の2つがあります。試験ありでも合格率は高く、比較的取得しやすい資格です。

仕事の幅を広げるためにも、ぜひフォークリフトの資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。工場や倉庫、建設現場などでも幅広い業務を担当できるようになります。費用面が気になるときは、ぜひハローワークで相談してみてください。条件によっては教育訓練給付金を受給できることもあります。

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