製造業に向いている人の特徴7選｜主な業務内容・やりがい・メリットも

「製造業」と聞くと、工場での組み立て作業や機械の設計などの業務をイメージする方も多いでしょう。しかし、製造業の業務はこれだけにとどまりません。実際には研究開発や企画、生産管理など多様な職種があり、職種によって業務の内容も異なることを押さえておきましょう。

今回は、製造業の概要や業務の種類、製造業に向いている人の特徴について解説します。製造業におけるやりがいや平均年収、製造業の魅力やメリットも併せて確認し、製造業への転職を前向きに検討してみましょう。

そもそも製造業とは？

製造業とは、素材や部品を加工・組み立てした製品を製造し、企業や消費者に販売する業種を指します。製造業のメーカーには大きく分けて「素材」「加工・組み立て」「自社生産・加工」の3種類があることに留意しましょう。

素材	化学素材や紙・繊維、金属、食品素材など、製品のもとになる材料をつくるメーカーを指します。多くの素材メーカーは素材の製剤のみを扱っており、製造した製品は加工・組み立てメーカーに販売します。
加工・組み立て	素材メーカーから素材を購入し、加工・組み立てを行って製品を製造し、販売する企業を指します。自動車や食品などが該当しますが、製品を構成する部品・材料が多い場合は加工・組み立てメーカーが階層化していることも少なくありません。
自社生産・加工	素材から加工・販売までを一貫して行うメーカーを指します。衣料品を扱うメーカーに多く見られます。

また、製造業とひとくちに言ってもその種類は多種多様であり、機械関連や電子部品関連、化学関連、食品関連、医薬品関連、建築関連など多岐にわたります。さらに、働く工場や携わる工程によっても製造する製品の分野が異なります。

業界だけでなく、職場や担当する工程によって、就ける職種や携わる業務内容も大きく異なることに留意しましょう。

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製造業における主な業務の種類

製造業の仕事とひとくちに言っても、その業務の種類は多岐にわたります。ここでは、未経験者でも携わりやすい製造業の代表的な業務について解説します。

【製造業の主な業務の種類】

●加工・組立 主に工場の製造ラインにおいて、素材の加工や部品の組み立てといった作業を行います。日本の製造メーカーの多くは、この加工・組立の工程に最も多くの人員を割いており、期間工を採用している企業も少なくありません。期間工を採用する企業の多くはマニュアルをしっかりと整備しているため、未経験者でもチャレンジしやすいでしょう。 ●点検・検査 モノを製造・販売する製造業において、加工・組立が完了した製品の点検や検査を行う工程は非常に重要な工程と言えます。「製品の品質が一定に保たれているか」「自社が設定する規格・基準をクリアしているか」など、さまざまな観点から点検・検査を行います。   ●軽作業 製造業における軽作業とは、製品を製造・出荷するために欠かせない仕分け作業や梱包作業などを指します。加工・組立中の製品を次の工程に移したり、作業の後片付けをしたりといった業務も軽作業の1つです。製造ラインには含まれていない作業ではあるものの、製品の製造を効率的に行うための重要な役割を担っています。   ●生産管理 生産管理の主な仕事は、事前調査や取引先の希望納期に応じて、製品の製造時期や製造数を決定することです。大量の在庫を抱えたり、調達した素材や部品が無駄になったりする事態を防ぐためにも、生産管理の適切な需要予測が必要になります。また、不良品を出さないための品質管理の仕事も、生産管理が担う業務の一部です。

このように、製造業には、未経験者でもチャレンジしやすい業務が多数あります。求人票などに主な業務が記載されているケースが多いため、自分の適性ややりたいことに合った業務に携われる求人を選ぶとよいでしょう。

製造業に向いている人の特徴7選

未経験者がチャレンジしやすい製造業の業務の多くは、特別に優れた能力が必要というわけではありません。また、製造業の企業で働くうちに自ずと身につくスキルもあります。

一方で、製造業への転職を検討している方の中には、自分に製造業の仕事が向いているか不安に感じている方も少なくないでしょう。

そこで次に、製造業に向いている人に多い特徴を7つ紹介します。これらの特徴はあくまで目安であり、特徴を満たさない人が製造業に向いていないというわけではない点に留意しながら、自身の適性について考えてみましょう。

ものづくりが好き

製造業は機械や電子機器、自動車、食品、医薬品などの「もの」をつくる業種です。製品がどのような構造をしており、どのような流れで製造されているかといった「ものづくり」に関心がある人は、製造業の仕事にも興味をもって取り組むことができるでしょう。

また、製造業では最新の技術や機械が導入されることも多く、新しい知識やスキルを身につけたい人にもおすすめです。未経験からのスタートでも、製造業に関する技術や知識をコツコツと学んでいく意欲があれば、製造業でのキャリアも築きやすくなるでしょう。

黙々と作業をこなすのが好き

配属される部署や担当する業務の内容にもよりますが、製造業では1人で黙々と作業を進める必要がある業務が多く見られます。仕事中は同僚との私語をせず、担当の業務をコツコツと集中して行える人が向いていると言えるでしょう。異なる工程のメンバーとは接する機会も少ないため、不特定多数の人と接することが苦手な方にもおすすめです。

一方で、製造業では各工程でチームがつくられているケースが多く、仕事を進めるためにはチームでの協力が欠かせません。同じチームの上司や同僚とは、適切なコミュニケーションを取って協力し合う必要があることに留意しましょう。

単調な作業の繰り返しが苦にならない

製造業の工場で勤務する場合、毎日同じ作業の繰り返しとなるケースがほとんどです。単調な作業が好きで、同じ作業の繰り返しが苦にならない人は、製造業に向いていると言えるでしょう。

また、製造業では製造のスピードとともに、ミスなく正確に作業をこなすことも求められます。単調な作業でも集中して正確に業務をこなせる人や、作業を通して業務効率の改善を図れる人は、製造業でも重宝されるでしょう。

几帳面で細かい点に気付きやすい

製造業では、製品の品質の高さや安定性が企業の評価に直結します。したがって、製造する製品の品質を一定に保つことや、不良品をなるべく出さないことが、製造業における重要なポイントとなります。

几帳面で細かい点に気付きやすい人は、製品や部品などの少しの変化にも気付きやすい傾向があります。加工・組立段階で不具合があることを発見できれば、不良品や欠陥製品を製造してしまうリスクを低減することができるでしょう。

このような観点から、几帳面で品質への意識が高い人は、製造業に向いていると言えます。

体力にある程度の自信がある

勤務する工場が扱う製品・工程にもよりますが、製造業では重いものを運んだり、立ち作業が多かったりするケースも少なくありません。

また、2交代制・3交代制の勤務先の場合は夜勤シフトに入ることも考えられます。一般の人よりも特別に高い体力が必要というわけではありませんが、ある程度の自信がある人のほうが向いているでしょう。

一方で、製造業の勤務先の中には重量のあるものを扱わない工場や、日勤のみの働き方ができる工場、座って作業を行える業務が多い工場もあります。自身の体力を考慮して、自分に合った勤務先を選ぶとよいでしょう。

どんな場面でも冷静に対応できる

製造業の製造ラインは常に流れ続けており、1人の作業にかけられる時間はそれほど長くありません。短い作業時間の中でも慌てず、正確かつ丁寧に業務をこなせる人は、製造業に向いていると言えるでしょう。

また、製造業の現場では予期せぬトラブルが発生することも珍しくありません。焦りやすい状況の中でも冷静さを保ちつつ、マニュアルに沿った対応ができる人や、正確な作業を続けられる人も、製造業の業務に適性があると考えられます。

機械の操作が苦ではない

製造業では機械を使って作業をすることがほとんどです。機械の操作が苦にならない人や、初めて扱う機械でもマニュアルをしっかり読んで実践しようとする人は、製造業の作業にもすぐ慣れることができるでしょう。

また、最新の機械や技術に対して抵抗感がない人も製造業に向いています。製造業では常に新しい機械や技術が導入されているため、新しいことを積極的に取り入れる意欲がある人は製造業で長く活躍できるでしょう。

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製造業のやりがい

製造業の仕事を長く続けるためには、仕事で得られるやりがいが自分にとって魅力的かどうかも重要なポイントです。前述した「製造業の仕事に向いている人」の特徴に多く当てはまらない場合でも、製造業のやりがいに魅力を感じる人は、製造業において長く活躍できる可能性も高いでしょう。

ここでは、製造業の仕事で得られる主なやりがいについて紹介します。仕事のやりがいを具体的にチェックし、仕事選びの参考にしてください。

製品の完成による達成感

製造業は自分の目に見える形で製品が完成されていくため、「製品の完成＝仕事の達成」といった達成感を味わいやすい仕事と言えます。完成した製品を見て、品質の向上や業務効率の改善に向けた意欲が高まる人も多いため、仕事に対するモチベーションを維持し続けられるでしょう。

また、同じ工程のチームで達成の喜びを共有できることも大きなポイントです。個人の成長だけでなく組織の成長も実感できるため、仕事に対する大きな充実感を得ることができるでしょう。

携わった商品が店頭に並ぶ喜び・誇り

製造業は「もの」を製造して販売する業種であるため、携わった製品（商品）を店頭や街中で見かけることも少なくありません。自身が一生懸命に働いてつくった製品が店頭に並んでいたり、街中で役に立っていたりすると、喜びや誇らしさといった感情が湧いてくるでしょう。

店頭や街中で自分が携わった製品を目にすると、その度に製品や勤務先に対する愛着も湧いてきます。担当する業務や職場へのエンゲージメントも高まり、仕事により楽しみをもてるでしょう。

スキルアップによる成長の実感

製造業は未経験からでもチャレンジしやすく、マニュアルに沿って作業を行い、できることを増やしていけば、製造業の知識やスキルを着実に身につけられるという特徴があります。未経験からチームリーダーなど責任のある立場に昇格することも多く、成長を実感しやすい仕事と言えるでしょう。

また、製造業ではチームワークの構築スキルや、どのような場面でも冷静に判断する力も身につきます。これらの能力は同業他社に転職する場合でも大いに活かせるスキルであるため、将来的には製造業でのキャリアアップも図れるでしょう。このような点に魅力を感じ、製造業の仕事にやりがいを感じている人も少なくありません。

多様な工程・役割に挑戦する楽しさ

製造業では1つ1つの作業は単調であるケースがほとんどですが、製造現場における工程や役割は多様であり、それぞれに挑戦できる楽しさがあることも製造業の魅力の1つです。

未経験者がチャレンジしやすい組立や加工といった業務のほかにも、企画や営業・販売、研究開発といった職種もあるため、興味がある人はぜひ挑戦してみましょう。

製造業の平均年収

製造業への転職を考えている方の中には、収入がどの程度か気になる方も多いでしょう。

厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査」の結果によると、製造業の業種別平均月収は「306,000円/月」となっています。

年収に換算すると約367万円であり、日本標準産業分類に基づく16大産業の中では低い水準ではあるものの、極端に低いわけではないことを押さえておきましょう。

また、収入は「製造業」という業種だけでなく、製造する製品の分野によっても大きく異なります。得意とする分野や勤続年数、保有資格などによっては平均以上の収入を得られる場合もあるため、求人票や面接などで確認するとよいでしょう。

（出典：厚生労働省「令和５年賃金構造基本統計調査の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/dl/13.pdf）

製造業のメリット・魅力

製造業で働くことには、次のようなメリット・魅力があります。下記のポイントに魅力を感じる方は、製造業への転職を前向きに検討してみましょう。

●ワークライフバランスを実現しやすい 担当する工程や業務にもよりますが、製造業の仕事は勤務時間がしっかりと決まっていたり、完全週休2日制を導入している企業も少なくありません。ゴールデンウィークや年末年始などは工場の稼働を停止する企業も多いため、ワークライフバランスを実現しやすいでしょう。   ●人間関係のストレスが少ない 製造業では一人ひとりがマニュアル化された作業を淡々とこなす必要があるため、人間関係のストレスを感じにくいというメリットがあります。チームでの協力は不可欠ですが、顧客と直接関わる機会が少ないことから、コミュニケーションに苦手意識を持つ方も仕事をスムーズに進めやすいでしょう。   ●未経験者でもチャレンジしやすい 製造業の仕事には未経験者でもチャレンジしやすい業務が豊富にあり、学歴・職歴を問わず挑戦できる仕事も数多く存在します。マニュアルが整備されていたり、十分な教育制度・研修制度があったりする企業がほとんどであるため、未経験者でも安心して働けるでしょう。

まとめ

製造業は製品を製造・販売する業種を指し、工場での加工・組立作業や点検作業、軽作業など未経験者でも挑戦しやすい業務が豊富にあるという特徴があります。製造業の業務には特別に高い能力が必要というわけではありませんが、「ものづくりが好き」「単調な作業も難なくこなせる」といった方は製造業の作業に向いているでしょう。

製造業の平均年収の水準は高くはないものの、極端に低いわけでもありません。分野や勤続年数・保有資格によっては平均年収よりも高い収入を得られる可能性があるため、製造業にやりがいやメリットを感じる方は、ぜひチャレンジしてみてください。

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