半導体のはなし
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2023.08.03

半導体と集積回路(IC)って違うの?わかりやすく解説!

半導体と集積回路イメージ

半導体をインターネットなどで検索すると、「集積回路(IC)」というものも出てきます。これって、単純になに?半導体と違うの?と疑問に感じる人も多いでしょう。今回は、この疑問をわかりやすく簡単に解説していきます!

はじめに

半導体は、電気を通す鉄や銅などの「導体」と、電気を通さないゴムやガラスなどの「絶縁体」、それぞれ中間の性質を持つ物質です。中学生の理科では、「集積回路(IC)」や「シリコン」「トランジスタ」など、さまざまな物質と一緒に元素記号を学んでいきます。

最近では、企業が小学生に工作を交えながら、半導体の出前授業を行っている学校も増えてきています。

ただ半導体を学ぶ中、また、改めて知ることで集積回路(IC)は半導体とはどう違うのか?と疑問に感じた人も多いでしょう。

そこで今回は、半導体と集積回路(IC)の概要や違い、集積回路(IC)のしくみについて簡単にわかりやすく解説していきます。

集積回路(IC)のしくみ

集積回路(IC)は、さまざまな半導体素子が集まることで、複雑な処理の対応や大量のデータの記憶、情報処理などが行えるしくみです。そのため、多くの素子が集積されているほど性能も高くなるというものです。

これまで発売された同じiPhoneシリーズにおいても、時代に応じて半導体素子であるトランジスタの数も増加しています。2013年に発売された「iPhone 5s」=約10億個。2019年発売された「Phone11」=約85億個。そしてiPhone13シリーズでは、約150億個とも言われ格段に増えていることがわかります。

もし、小さな集積回路(IC)が開発されていなければ、手のひらサイズで便利なiPhoneやスマートフォンはなかったかもしれませんね。

スマートフォン画像

集積回路(IC)は何の集まり?

集積回路(IC)とは、ICチップとも呼ばれ以下のさまざまな種類の半導体素子を、一つのシリコン半導体基板の上に集めパッケージングした部品です。

・トランジスタ(スイッチング/増幅作用)

・ダイオード(電気の流れを制御)

・メモリ(データの記憶)

・アクティブフィルタ(高調波を抑制)

・アンプIC(電気信号を増幅)

・PLD(論理回路構造の変更や再定義)

・CUP(中央処理装)

上記は、一例でありそれぞれの素子にも多くの種類があります。たとえば、一番使用されている「トランジスタ」には、バイポーラ型トランジスタ・ユニポーラ型トランジスタ・フォトトランジスタ・サイリスタがあり、それぞれが違う役割を持っています。

半導体と集積回路(IC)との違い

半導体と集積回路(IC)は同じです。ただし、半導体は集積回路(IC)と一概に同じであるというものでもありません。まずは、それぞれの特徴や性質を整理してみましょう。

半導体電気を通す鉄や銅などの「導体」と、電気を通さないゴムやガラスなどの「絶縁体」それぞれ中間の性質を持つ物質
集積回路(IC)「トランジスタ」「ダイオード」「メモリ」「アクティブフィルタ」「アンプIC」「PLD」「CUP」などの素子を一つのシリコン半導体基板の上に集め、パッケージングした部品

上記の図を見てわかるように、『半導体は物質であり、集積回路(IC)は半導体の素子を集めた部品』

である、と分けて考えると違いがわかります。しかし一般的に、シリコン半導体基板の上に集められていることから、一括りに半導体と呼ばれる場合もあります。

集積回路ICのイメージ

まとめ

今回は、半導体と集積回路(IC)の概要や違い、集積回路(IC)のしくみについて簡単にわかりやすく解説いたしました。

半導体素子と集積回路(IC)との違いは、「半導体は物質、集積回路(IC)は部品」であること、また集積回路(IC)の構造上、一括りに半導体と呼ばれることがあるとわかりました。

集積回路(IC)は、コンパクトながらも搭載する製品の性能を高めてくれる重要な部品です。皆さんが、日常使用している電化製品など、どのような半導体素子が搭載されているのか、調べてみるとおもしろい発見があるかもしれません。