セールスエンジニアになるには?仕事内容や年収・適性を紹介
当記事では、セールスエンジニアの仕事内容・営業職との違い・年収目安から、セールスエンジニアに向いている人の特徴、セールスエンジニアの目指し方まで徹底解説しています。
エンジニアとは、工学に関する専門的な知識と技術を有した人材のことです。「技術者」とも呼ばれているように、システムやプログラムの設計・開発が主な業務となります。しかしセールスエンジニアにおいては、技術職だけでなく営業職としての側面も併せ持つことが特徴です。
専門性の高いIT製品が多くの企業で導入され始めている近年、製品・サービスに関する技術知識を活かして営業活動にかかわるセールスエンジニアは注目を集めています。
今回は、セールスエンジニアの基本情報やセールスエンジニアに向いている人の特徴、セールスエンジニアになる方法を詳しく紹介します。
目次
セールスエンジニアとは?
セールスエンジニアとは、ITに関する専門知識・技術と営業スキルを活かして、営業の現場で活躍するエンジニア職のことです。販売を目的とした営業職と、実際に設計・開発といった作業を行う技術職の双方の要素をもつ職種であり、業界・職場によっては「技術営業(FAE)」とも呼ばれます。
セールスエンジニアの主な職場は電子機器やソフトウェア、IT製品などを扱う企業であり、営業担当者とともに取引先企業へ訪問し、交渉や調整、さらに自社製品の導入にあたっての技術サポートを行うことが基本です。
セールスエンジニアの仕事内容
セールスエンジニアの具体的な仕事内容は、下記の通りです。
●自社サービスの説明
顧客となるクライアント担当者に対して、自社のIT製品・ITサービスの概要や使い方を説明します。セールスエンジニアがエンジニアとしての専門知識・技術を活かして「製品に関する詳細」を説明することで、顧客は安心して導入できるようになります。
●顧客への提案
自社の営業担当者に同行する形でクライアント企業に訪問し、製品・サービスの提案・営業をします。基本的に営業は、「顧客が抱える課題を聞き出し、解決策となり得る製品を提案する」というのがセオリーです。しかし、場合によっては顧客の専門性が高く、営業担当者が有する知識やスキルでは補えない可能性もあります。こうした場合において、セールスエンジニアはあいだに入って技術的な観点から解決策・適切な製品の提案をサポートします。
●デモの実演
クライアント企業のもとへ向かい、実際に製品・サービスを使っている様子を見せながら説明・提案を行います。口頭や資料での説明よりも直感的に伝えられ、商談がスムーズに進みます。顧客の要望に応じたカスタマイズを提供している企業の場合は、デモの実演が多い傾向です。
●顧客へのアフターフォロー
契約の成立後は、営業部門・技術部門の橋渡し役として、スムーズに進行できるようサポートします。また、製品・サービスの導入後は設定サポート・故障の対応といったアフターサポートも行います。セールスエンジニアによる納品後のアフターフォローは、企業全体の信用にも大きく関わる重要な要素です。
セールスエンジニアと営業職の違い
セールスエンジニアは営業職としての要素ももつため、一般的な営業職と混同されがちです。しかし、セールスエンジニアと営業職には明確な違いがあります。
営業職は、自社製品・サービスの販売を目的に、顧客にアプローチをかけながら交渉・提案を行います。必要スキルは主に営業力や顧客との関係構築力であり、必ずしもIT技術に精通しているとは限りません。
一方で、セールスエンジニアは技術面の専門知識を活かした製品の提案や、製品に関する詳細説明・問い合わせ対応に特化した職種です。営業職ほどセールススキルは求められない代わりに、製品に関する専門的なITスキルが求められます。
セールスエンジニアも営業職も自社製品の営業に携わる職種ですが、専門性が求められるIT製品の営業においてはいずれも重要な役割を果たすことが特徴です。
セールスエンジニアの年収
セールスエンジニアの平均年収は「約500万~600万円」です。一般的な総合職と比較してやや高水準となっています。
なお、この年収はあくまで求人サイトに記載されたモデル年収の中央値であり、職場や経験年数などによっても大きく異なります。IT知識や技術力はもちろん、営業センスなど幅広い技術を有するベテランのセールスエンジニアであれば、平均よりも高い年収を得られるでしょう。
セールスエンジニアに向いている人の特徴
セールスエンジニアの仕事にはノルマがあったり、クライアントと開発現場の板挟みになったりすることもあり、人によっては「大変」「きつい」と感じる場合もあります。
しかし、その分やりがいも多くあり、「セールスエンジニアの仕事内容が自分に合っている」と感じられる人なら高いモチベーションを維持しながら働けるでしょう。
そこで次に、セールスエンジニアに向いている人の特徴を4つ紹介します。
コミュニケーション能力が高い人
セールスエンジニアは、顧客と社内の営業・開発現場のいずれも深く関わり合う職種です。多くの人と交流する必要があるほか、顧客に対するヒアリングやプレゼンも業務内容に含まれるため、コミュニケーション能力が高い人に向いています。
また、ここで言うコミュニケーション能力とは、話を盛り上げるスキルを指しているのではありません。他者と話をするのが好き、または苦ではない・過度な緊張をしないという人であれば、セールスエンジニアの仕事に難なく溶け込めるでしょう。
勉強が苦ではない人
セールスエンジニアは製品に関する技術的な説明を行う必要があるため、IT技術や製品知識が必須です。また、IT技術やテクノロジーは日々進化しており、それとともに知識もアップデートしていく必要があります。
そのため、最新の技術に興味をもち、常に学び続けられる人こそが、セールスエンジニアに向いていると言えるでしょう。
また、最新技術に関する知識を学んでも、それを発揮できなければ意味がありません。知識・スキルの習得を証明するためにも、関連資格を取得することをおすすめします。
問題解決スキルがある人
問題解決スキルがある人は、セールスエンジニアの仕事に向いています。問題解決スキルとは、問題点やその原因を正確に特定し、最適な解決策を見出せる能力のことです。
セールスエンジニアは、顧客に製品・サービスを提案するときや自社製品を使用する顧客から問い合わせがあったとき、「どこに問題・課題があるのか」を正確に判断したうえで適切な解決策を探る必要があります。
こうした課題解決力が高ければ高いほど、交渉・商談の成功率や納品後の問い合わせの対応力も高まります。会社からの高い評価も得られやすく、大きなやりがいを感じるでしょう。
前向きな人
どの仕事でもそうであるように、セールスエンジニアの仕事は楽しいことばかりではありません。ときには、営業ノルマに追われたり、相性の合わない顧客にあたってしまったりなど、きつさを感じる瞬間は少なからず訪れます。
また、セールスエンジニアは多くの人とコミュニケーションをとる職種であることから、ストレスが少ない仕事だとは言い切れません。そのため、ストレス耐性があり前向きな人に向いています。
しかし、ストレス耐性がないからと言って必ずしもセールスエンジニアに向いていないというわけでもありません。セールスエンジニアとして働くうちに、自然と耐性が身についているケースも多くあります。
セールスエンジニアになる方法は?
セールスエンジニアになるために必ず取得しなければならない資格はありません。しかし、営業職と技術職の双方のスキルが求められる性質上、まったくの未経験からチャレンジするケースは少なく、いずれかの経験を積んだ上でキャリアチェンジを図ることが一般的です。
最後に、「営業職からセールスエンジニア」と「技術職からセールスエンジニア」の2つのルートについて紹介します。
●営業職からセールスエンジニアへ
営業職からセールスエンジニアを目指す場合は、これまで培った営業スキルに加えて「製品関連の技術的な専門知識」が新たに求められます。自社が扱っている製品・サービスはもちろん、業界全体の動向も学び、商談力を高めましょう。
●技術職からセールスエンジニアへ
技術職からセールスエンジニアを目指す場合は、これまで培った技術的知識・スキルに加えて「営業力」「コミュニケーション能力」が新たに求められます。エンジニア時代に顧客への提案・折衝といった経験があるなら、転職時の大きなアピールポイントになります。
企業によっては、営業またはエンジニア経験がない、またはいずれの実務経験もないという人の応募を歓迎しています。こうした企業は、入社後に必要なスキルを習得できる体制を整えていることが多く、未経験者でも安心して働き始められるでしょう。
まとめ
セールスエンジニアとは、主にIT関連の専門的な技術知識を活かして、営業現場で活躍するエンジニアのことです。電子機器やソフトウェア製品などを扱うIT企業で働き、営業担当者とともにクライアントへの交渉・商談や自社製品の導入サポートを行います。
コミュニケーション能力が高い人や知識欲が強く常に学び続けられる人、さらに問題解決スキルに長けている人、前向きな人はセールスエンジニアの仕事に向いており、多くのやりがいも感じられるでしょう。
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