製造業・工場のお仕事
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2023.11.10

ピッキング作業とは?仕事内容や働くメリットを解説

ピッキング作業とは、倉庫や工場で商品を出荷する際、指示書にある商品を集める仕事です。基本的に単純作業であり、未経験でも始められます。 本記事ではピッキング作業の内容や向いている人、メリットなどを解説します。ピッキング作業で働きたいと考えている方は、ぜひチェックしてください。

ピッキング作業の内容とは?

ハンディーターミナルを使用してピッキングの仕事をしているウイルテックの従業員

ピッキング作業とは、メーカーや卸売業者などの商品を出荷するときに行う工程のひとつです。倉庫などに保管している商品の中から、出荷の指示があるものを集めます。

具体的には、伝票や指示書に記載されている商品を台車・コンベアなどを使って集め、梱包や検品作業に引き渡す作業です。シンプルな作業ですが、集める商品を間違えず、スピーディに行うことが求められます。

ピッキング作業で扱う商品は食品や日用品・電化製品などさまざまで、重さや大きさも異なります。軽くて小さければ楽ですが、重くて大きい商品を扱う場合も少なくありません。幅広いジャンルの商品を扱う倉庫・工場では、場所を覚えるだけでも大変な作業です。

正確性とスピードが必要な作業ですが、手作業で行うため、どうしてもミスが発生しやすくなります。しかし、ミスを防ぐためのシステムやルールが構築されているため未経験の方でもできる作業となっています。

ピッキング作業の主な方法

工場の倉庫

ピッキング作業には、主に次のような3つの方法があります。

・シングルピッキング

・トータルピッキング

・マルチオーダーピッキング

それぞれ、詳しくみていきましょう。

シングルピッキング

シングルピッキングは、「摘み取り方式」とも呼ばれます。注文ごとに商品をピッキングする方法です。指示書などに書かれている商品をまとめて荷造りの担当者に渡すため、作業の流れがスムーズになるというメリットがあります。

シンプルな作業でミスが起こりにくく、ECサイトや通販など、一般消費者向けの物流センターで多く採用されている方法です。

トータルピッキング

トータルピッキングは「種まき方式」とも呼ばれる方法です。先に複数の注文をまとめ、同じ種類の商品を集めてから配送先ごとに仕分けします。複数の注文をまとめて集められるため、作業時の移動が少なく、効率的に作業できるのがメリットです。ただし、ピッキングのほかに仕分け作業の工程が増えるというデメリットはあります。

マルチオーダーピッキング

トータルピッキングの方式をとり、ベルトコンベアなどを使ってピッキングと仕分けを同時に行う方法です。

注文単位でオリコン(折り畳みのコンテナ)やダンボール箱などを用意し、集めてきた商品を仕分けしながら入れていくという流れです。ピッキングと同時に仕分けができ、仕分けのためのスペースを設ける必要がありません。一度の歩行で複数の注文分を仕分けでき、シングルピッキングとトータルピッキングの良いところを組み合わせた方法です。

ピッキング作業が向いている人

仕分けをするウイルテックの従業員

ピッキング作業には向き不向きがあります。これから就業しようと考えている人は、自分に向いているかどうかよく確認しておきましょう。

特にピッキング作業が向いているのは、次のような人です。

・単純作業が苦にならない

・接客業務が苦手

・細かい作業も丁寧にこなせる

ピッキング作業は基本的にシンプルな動作の繰り返しで、単純作業が苦にならない人に向いています。「単純作業は飽きてしまう」「変化のある仕事がしたい」という人にはあまり向いていないかもしれません。

また、ピッキング作業は1人で作業することがメインで、人と接する機会が少なめです。そのため、対人・接客の仕事が苦手という人に向いています。同僚との連絡やコミュニケーションをする場面はありますが、作業自体は1人で行うことがほとんどです。職場の人間関係でストレスを感じやすい人に向いているでしょう。

ピッキング作業は正確性が要求されますが、手作業で行うためにミスが起こる可能性はあります。最新の注意を払い、丁寧に作業することが求められます。しっかり確認しながら作業できる人に向いている仕事です。

ピッキング作業のメリットとは?

工場内で在庫の確認作業をしているウイルテックの従業員

ピッキング作業には、次のようなメリットがあります。

・未経験から仕事を始めやすい

・黙々と作業に集中できる

・希望の働き方を選択しやすい

・夜勤シフトに入れば高収入が得られる

ここでは、ピッキング作業のメリットを解説します。

未経験から仕事を始めやすい

ピッキング作業は、指示伝票に記載されている商品を集めるというシンプルな作業です。特別なスキルや資格は必要なく、未経験でも気軽に始めやすいのがメリットです。

慣れないうちは商品を集めるのに時間がかかるかもしれませんが、同じ作業を繰り返す単純作業のため、やり方のコツや商品の場所も比較的覚えやすく、早くできるようになるでしょう。

黙々と作業に集中できる

ピッキング作業は基本的に1人で黙々と取り組む作業のため、人と接する機会が少なめです。対人ストレスが少なく、作業に集中できます。上司や同僚とのやり取りで気をつかうという場面も少なく、気軽に働きたいという人には大きなメリットです。

ただし、いくつかの工程では他の従業員との連携があり、当然ながら挨拶などのコミュニケーションは必要です。

希望の働き方を選択しやすい

ピッキング作業は柔軟な働き方ができるのもメリットです。ピッキングは24時間行われている倉庫も多く、1日3〜4時間といった短時間シフトや週3日など、幅広い働き方を用意している職場も少なくありません。働き方を選択しやすいのがメリットです。

繁忙期だけなど短期間のアルバイトもあり、給与は日払いや週払いなどを選べる職場もあります。

夜勤シフトに入れば高収入が得られる

24時間稼働している倉庫は、夜勤シフトに入ることで賃金が割増になります。労働基準法では、午後10時から午前5時までの労働には25%以上の割増賃金を支払わなければならないと規定されています。

さらに、深夜労働が休日の場合や時間外労働であった場合には、深夜手当や休日手当を上乗せする割増賃金が必要です。

働き方を工夫すれば、高収入が期待できる点もメリットといえるでしょう。

参考:e-GOV法令検索「労働基準法」

ピッキング作業はきつい?仕事の注意点

人差し指を立てて注意するウイルテックの従業員

ピッキング作業はきつい仕事だといわれることもあります。人によっては作業内容にデメリットを感じる可能性もあり、事前に把握しておくことが必要です。

ここでは、ピッキング作業の注意点を解説します。

職場によって体力が必要

ピッキング作業は体力が必要になる場面も少なくありません。基本的に立ち仕事で、重い荷物を運ぶこともあります。腰などに負担をかけないよう、持ち運びに工夫をする必要があるでしょう。

移動することも多く、倉庫の規模が大きいほど歩く距離も長くなります。高所など商品が保管されている場所によっては多くの動作が必要になり、その分も体に負担がかかるでしょう。見方を変えれば、体力に自信がある人にとって働きがいのある職場です。

単調な作業が続きやすい

ピッキング作業は単調な仕事であり、飽きてしまうこともあります。指示書に書かれている商品をピックアップし、指定どおりに仕分け・梱包するという作業の繰り返しです。変化がないため、きついと感じる人もいるでしょう。

特にシングルピッキングは基本的に1人で行うため、休憩時間以外は人と話すこともありません。黙って作業を続けることが苦痛に感じる人には向かないでしょう。

しかし、複雑な作業工程ではないためストレスを感じることはなく、ミスをしないことを心がければスムーズに進められる仕事です。精神的な負担が少ないことはメリットだといえるでしょう。

繁忙期は業務負担が大きくなる

倉庫によっては繁忙期があり、業務負担が大きくなる可能性があることに注意は必要です。特に一般消費者向けの荷物を扱う場合、お中元の時期や年末年始、クリスマスシーズンなど、配送が集中する時期はあります。

指定された出荷の間に合わせるため、膨大な量の荷物を扱うこともあるでしょう。残業や休日出勤を依頼されるかもしれません。

ただし、忙しいときはそれだけ収入も増えます。繁忙期に多く稼ぎたいと考える人にとってはメリットです。

工業製品など企業向けの荷物を扱う倉庫では、比較的シーズンの波がなく、1年中安定しています。時間に追われたくない人は、どのような商品を扱う仕事かを事前に確かめるとよいでしょう。

ピッキング作業を効率的に進めるコツ

台車に荷物を載せて運ぶウイルテックの女性従業員

ピッキング作業はスピードと正確性が求められます。まず、迅速に行わないと納期に間に合わなくなる可能性があるため、多くの商品をできるだけ早く効率的に集めなければなりません。

また、注文と違う商品や個数を間違えてしまうと顧客やメーカーに迷惑をかけ、信用が失われます。

スピードと正確性を高めるため、どちらもコツを押さえることが大切です。

ここでは、ピッキング作業を効率的に進めるためのコツをみていきましょう。

スピードを上げるためのコツ

ピッキング作業のスピードを上げるためのコツは、次の4つです。

・効率的な動線を考える

・商品の配置を覚える

・無駄のない作業手順で行う

・作業環境を工夫する

多くの商品をピッキングする場合、どのような動線で商品を集めると一番移動距離が少ないか、効率的なルートを考えることが大切です。動線を考えてから作業を始めれば、効率的な作業ができます。

また、倉庫内全体の配置と、棚の中にどのような商品が配置されているのかを覚えることも必要です。配置と商品の場所を覚えれば、作業のはじめに効率的な順番を考えることもでき、迷わず次の行動に移れます。

作業手順を考え、無駄なく動くこともポイントです。ピッキングは単調な作業の繰り返しであり、ただ漫然と働いていると無駄な動きも出てきます。根を詰めずに、常に安定して作業することを意識して作業することが大切です。

作業スピードを高めるには、環境の工夫も重要です。カゴ車やパレット、オリコン(折り畳みのコンテナ)など、商品を移動させる搬送機器があれば、ピッキング作業を早めて従業員の負担も減ります。パレットごと持ち上げるハンドリフトや、一度に複数の商品をピッキングできるカートなども負担を軽減し、作業効率を高めます。これらの機器が作業場にあれば、積極的に活用するとよいでしょう。

正確性を高めるためのコツ

ピッキング作業の正確性を高めるには、以下の2点を押さえましょう。

・商品名と品番、数量を確認する

・マニュアルの手順を守る

スピードだけ意識すると、正確性が疎かになりがちです。商品名と品番、数量のチェックは入念に行わなければなりません。仕事についたばかりころは倉庫内の配置や作業手順を覚えることに意識が向きがちで、商品の確認ミスが起こりやすくなります。また、商品や品番は確認しても数量が目測になることも多く、十分な注意が必要です。

商品名と品番、数量が間違っていないかを確認するには、1人だけのチェックで終わらせず、ダブルチェックなど複数による確認体制を作らなければなりません。

ピッキング作業は手順をマニュアル化している会社も多く、マニュアルを守ることも正確性を高めるポイントです。マニュアルはこれまでの作業経験から導かれたノウハウが盛り込まれており、自己流で作業するよりも効率的に作業ができるでしょう。

まとめ

休憩中のウイルテック女性従業員

ピッキング作業は指示に沿って商品を集めるシンプルな作業です。単純作業ですが、スピードと正確性が要求されます。特別なスキルを必要とせず、未経験から仕事を始めやすいのが特徴です。黙々と作業に集中でき、シフト制など希望の働き方を選びやすいというメリットもあります。夜勤シフトに入れば、高収入を得られます。

単純作業が苦にならないという人や、対人業務を避けたい人、細かい作業も丁寧にこなせるという人に向いている作業です。

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