梱包作業に向いている人とは?仕事の内容や種類を解説
梱包作業は、製品を安全に配送するために必要な仕事です。単純作業が中心であるため、特別なスキルや資格は必要ありませんが、向き・不向きがあります。今回は、梱包作業に挑戦したい方に向けて、梱包作業に向いている人の特徴や仕事の内容、魅力などを解説します。
目次
梱包作業とは?包装との違い
梱包作業とは、工場で作った製品をダンボールや木箱などに詰め、安全に配送できる状態にすることです。
梱包作業は、製品を万全の状態で届けることを目的に行われます。製品が配送中に破損することがないように、製品の種類や材料などに応じて、適切な梱包材を選ばなくてはいけません。また、外部の衝撃から製品を守れるよう、緩衝材を詰める「内装」も行います。
梱包作業と混同しやすいのが、包装です。どちらも品物を包むという意味では同じですが、包装は装飾を目的に行われるケースが多いです。たとえば、プレゼント用に包装紙で包んだり、リボンをつけたりすることは、包装に該当します。
一方、梱包作業は「品物を保護して安全に運べるようにする」ことが目的です。
梱包作業の主な内容
梱包作業は、大きく以下の3つに分けられます。
・検品作業
・仕分け・シール貼り
・ピッキング
梱包作業は、単に製品をダンボールに詰めるだけではありません。製品に問題がないかをチェックしたり、スムーズに配送できるよう配送先ごとに仕分けるなど、さまざまな工程があります。
ここでは、それぞれの作業内容について見ていきましょう。
検品作業
検品作業は、梱包前に製品に異常や問題がないかチェックする工程です。
製品に傷や欠けている部分がないか、正常に動作するか、食品なら異物が混入していないなどを、目視や手作業で慎重にチェックします。また、注文書と比較し品番や数量、サイズなどが受注内容と合っているかを確認することも検品作業の1つです。
注文していない製品や不備のある製品が顧客に届いてしまうリスクを避けるために、欠かせない作業です。
仕分け・シール貼り
製品を種類ごとに仕分けたり、シールを貼り付けたりする作業も、梱包作業に含まれます。
仕分けは、梱包前と梱包後に行うケースが多いです。梱包前は、指示書の内容に従って、製品を分類・分解します。梱包して配送伝票を貼った後は、スムーズに発送できるよう、製品を配送先ごとに分類します。
シール貼りは、梱包前の製品にパッケージシールや成分表、値札やバーコードなどを貼り付けたり、梱包後に配送伝票を貼り付けたりする作業です。場合によっては、訂正内容が書かれたシールを貼ることもあります。
ピッキング
ピッキングとは、梱包前に倉庫内の製品を集めて準備する作業のことです。リストや注文書を見ながら、必要な製品を棚から集め、検品担当者や梱包担当者に渡します。梱包担当者自らが行う場合も少なくありません。
また、工場によっては、ベルトコンベアで流れてきた製品から、必要なものをピックアップして集める方式を採用している場合もあります。
いずれにせよ、必要な製品をいかに正確かつスピーディーに集められるかが重要です。
梱包作業に向いている人の特徴
梱包作業に向いている人の特徴は、以下のとおりです。
・黙々と作業をするのが好き
・細かい作業が得意
梱包作業は、複雑で難易度が高い作業ではありませんが、向き不向きがあります。梱包作業の求人に応募しようとしている方は、自身に適性があるかを確認しましょう。
ここでは、梱包作業に向いている人の2つの特徴を解説します。
黙々と作業をするのが好き
黙々と作業をするのが好きな方には、梱包作業がおすすめです。
作業のほとんどはマニュアル化されており、決められた単純作業をコツコツ繰り返す必要があります。
単純作業が苦ではない方や、1つの作業を黙々と続けられる方に適した仕事です。
また、基本的には個人作業であるため、仲間とワイワイ作業をするよりも、静かに作業に没頭したい、という方にもおすすめです。
細かい作業が得意
細かい作業を丁寧に行える方も、梱包作業に適しています。
梱包作業では、製品に応じて梱包方法を工夫しなければなりません。発注者に届ける以上、外観や箱を開けた時の綺麗さもある程度求められるため、手先の器用さも重要です。
また、検品の際は、製品に問題がないかを細部までチェックする必要があります。
このように、梱包作業では緻密な作業を丁寧にこなすことが求められるため、几帳面で細かい作業が得意な方におすすめです。
梱包作業3つのメリット
数ある仕事の中でも梱包作業を選ぶことには、以下のようなメリットがあります。
・特別なスキルや資格がなくても働ける
・個人作業に集中できる
・成果が分かりやすくやりがいが得られる
それぞれ解説します。
1.特別なスキルや資格がなくても働ける
梱包作業は、特別なスキルや資格がなくてもできる仕事です。
作業内容や製品に応じて使用する梱包資材、梱包方法などは、マニュアル化されているケースがほとんどです。そのため、未経験であってもスムーズに仕事に取り掛かれるでしょう。
単純作業で仕事内容も覚えやすいため、短期間でコツを掴むのも難しくありません。慣れれば、スピーディーかつ丁寧に仕事をこなせるようになります。
2.個人作業に集中できる
梱包作業は、個人で行う作業が中心であるため、個人作業に集中しやすいのもメリットです。
ほかのスタッフとコミュニケーションをとる機会もありますが、基本的には1人で黙々と作業するため、マイペースに取り組めます。人間関係で悩むことも少ないでしょう。
チームでの仕事や、コミュニケーションをとることに苦手意識がある方にとっては、大きなメリットと言えます。
もちろん、分からないことがあれば上司やほかのスタッフに相談できるため、未経験でも安心です。
3.成果が分かりやすくやりがいが得られる
梱包作業は個人作業であるため、自分の成果がはっきりと分かりやすいのも魅力です。
1日の終わりに梱包した数を確認し、「今日は〇〇個梱包できた」「目標よりも〇〇個多く作業できた」など、やりがいを感じられます。
また、梱包作業は製品を安全に届けるために欠かせない作業です。自分の仕事が物流を支えている、という実感を持てるため、モチベーション高く働けるでしょう。
梱包作業の注意点
一方、職場によってはいくつかの注意点があります。
・繁忙期は作業量が増える可能性がある
・暑さ、寒さが厳しい職場がある
・職場によって体力を要する
必ずしもすべての職場に当てはまるわけではありませんが、求人に応募する際は、注意点についても理解しておくことが大切です。
以下では、梱包作業の注意点について解説します。
繁忙期は作業量が増える可能性がある
工場や扱う製品にもよりますが、繁忙期は作業量が増え、忙しくなる可能性があります。作業を終わらせるために残業が増えたり、休憩時間が短くなったりすることもあるでしょう。
しかし、残業では深夜手当や夜勤手当が発生するため、その分給料が増えるというメリットもあります。そのため、仕事の楽さよりも稼ぎを重視する方にとっては、作業量の増加は一概にデメリットであるとは言えません。
繁忙期は作業量が増える分、疲れも溜まりやすいです。帰宅後や休日は体を休ませ、万全の状態で働けるよう体調管理を徹底する必要があります。
また、勤務時間を自由に選べる職場を選ぶことも大切です。特に、工場が24時間体制で稼働している場合は、朝・昼・夜の中から勤務時間を自由に選べる傾向にあります。繁忙期でも休みを十分に確保できるよう、勤務時間を工夫しましょう。
暑さ、寒さが厳しい職場がある
職場によっては、暑さや寒さが厳しいこともあります。
空調設備が整っていない職場の場合は、夏の暑さや冬の寒さが厳しく、体調を崩してしまうこともあるでしょう。扱う製品の都合上、一定の温度に保たなければならない場合もあり、自分の体調に合わせて設定温度を変えられないこともあります。
特に、食品を扱う職場では、寒さが厳しい場合が多いです。業務用の冷蔵庫や冷凍庫の近くで作業をしたり、ピッキングのために冷凍庫に入ったりしなければならない可能性があります。作業服の上に防寒着を着用することはできないため、冬用のインナーを着て防寒対策をすることが必要です。
職場によって体力を要する
職場によっては、体力が必要な場合があります。
梱包作業では、基本的に力作業は多くありません。しかし、梱包する製品のサイズや重量によっては、梱包やピッキングに力を必要とすることがあります。
力仕事に自信がない方は、応募前に工場で扱っている製品を調べ、できるだけ小さな製品や精密機器を扱っている工場を選ぶのがおすすめです。
また、梱包作業は立ち仕事が中心です。倉庫が広い場合は、倉庫中を歩き回ってピッキングしなければならないため、足腰に負担がかかる可能性もあります。不安な方は、ベルトコンベアやフォークリフトを使って作業できる職場を選ぶとよいでしょう。
梱包作業に役立つ資格
梱包作業に役立つ資格を2つ紹介します。
・包装管理士
・工業包装技能士
梱包作業を始めるうえで、特別な資格は必要とされません。しかし、上記の資格を取得することで、作業の質が向上し、戦力として活躍できるようになるでしょう。
ここでは、あると便利な2つの資格について、概要や取得方法などを解説します。
包装管理士
包装管理士は、日本包装技術協会が認定する民間資格です。製品を安全に配送できるようにすることはもちろん、コストや環境負荷などにも考慮して、梱包する技術を持っていることを証明します。
包装管理士の資格を取得するためには、日本包装技術協会の会員になったうえで、3カ月にわたる研修を受け、その後、最終試験に合格する必要があります。
生活者包装コースと輸送包装コースがあるため、仕事内容に合わせてコースを選択しましょう。
また、受験資格が以下のように細かく定められている点に注意が必要です。
・高校卒業以上の基礎学力を有する22歳以上で、満3年以上の包装関連の実務経験があり、所属事業所の推薦がある方 ・大学院や高専などで包装分野に関係する専門的知識や学問を学んだ21歳以上で、満1年以上の包装関連の実務経験と所属事業所の推薦があり、本講座の研修委員長がその経歴を認めた方 |
参考:公益社団法人日本包装技術協会「2023年度 包装管理士講座(58期)」
工業包装技能士
工業包装技能士は、工業製品を輸送用に包装する技能を認定する、国家資格です。
工業製品を梱包する際は、製品を衝撃から保護することはもちろん、運びやすさや積みやすさなども重視する必要があります。工業包装技能士は、こうした優れた包装技術を有する者が取得できる資格です。
また、梱包した製品が万が一破損していた場合、原因の調査を行うのも工業包装技能士の仕事です。
1級と2級があり、いずれも、取得するためには学科試験と実技試験に合格しなければなりません。
また、受験資格として、2級は2年以上、1級は7年以上の実務経験も必要です。ただし、学歴や卒業資格などによっては、求められる年数が変化する場合もあります。
参考:中央職業能力開発協会「実施職種・試験概要(実技試験及び学科試験)」
まとめ
梱包作業は、製品を安全に配送できるよう、箱に詰めたり緩衝材を入れたりする作業のことです。製品に問題がないかを検品することや、ピッキングをする仕事も含まれます。
特別なスキルや資格がなくても始められるため、初心者でも問題なく挑戦できるでしょう。特に、単純作業が苦ではない方や、黙々と作業に没頭できる方に向いています。物流を支える重要な仕事であり、やりがいをもって働ける仕事です。
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