ITエンジニアに向いている人の特徴とは？仕事で活かせるスキルも紹介

ITエンジニアとは？

ITエンジニアとは、データやコンピュータシステム、ネットワークなどの情報技術（IT）を扱う仕事です。情報技術に関する専門的かつ幅広い知識やスキルを有し、システムやITインフラの設計や構築、運用・保守などを担当します。

なお、ITエンジニアが扱う仕事は幅が広いため、企業によっても定義や仕事内容が異なります。そのため、ITエンジニアとして転職するときは、転職先で求められている仕事内容を正確に把握しておくことが必要です。

ITエンジニアの主な職種と仕事内容

ITエンジニアは仕事内容によって次の3つに大別できます。

・システムエンジニア（SE）

・Webエンジニア

・インフラエンジニア

システムエンジニア（SE）とは、システムの開発や設計、管理を担当する仕事です。クライアントからニーズを聞き取り、具体的なシステムとして形にしていきます。そのため、単に開発・設計をするだけでなく、営業や導入サポートなども担当することがあります。

Webエンジニアとは、Webサイトやアプリケーションの開発・設計に関わる仕事です。ユーザーが触れる部分を担当するなら「フロントエンドエンジニア」、直接触れない部分なら「バックエンドエンジニア」、Androidの開発専門なら「Androidエンジニア」と呼び分けられることもあります。

インフラエンジニアとは、コンピューターを利用する仕組みそのものを開発・設計・運用するエンジニアです。実際に開発・設計するものによって、「サーバーエンジニア」や「ネットワークエンジニア」、「データベースエンジニア」と呼び分けることがあります。また、セキュリティシステムの開発や管理を専門的に担当する「セキュリティエンジニア」なども、インフラエンジニアの一つです。

ITエンジニアの将来性

ITをビジネスに活用する企業は増えているため、ITエンジニアへのニーズも高まっています。経済産業省によれば2015年時点でIT人材は約17万人不足していましたが、2020年には約29万人、2025年には約43万人、2030年には約59万人の不足が見込まれています。ITエンジニアはニーズの高い仕事ですが、将来的にも高いニーズが見込まれると考えられるでしょう。

また、年収アップやキャリアアップを目指しやすいのもITエンジニアの特徴です。スキルとパソコンさえあれば対応できる仕事も多く、独立も視野に入れられます。

参考：経済産業省「参考資料（IT人材育成の状況等について）」

ITエンジニアに向いている人の特徴

ITエンジニアは特別な資格が不要な仕事です。そのため、ITに関する知識やスキルがあり、なおかつWeb関連の職場で働いた経験がある人なら、誰でもITエンジニアになれます。また、ITに関する知識やスキルがなくても、働きながら身に付けてITエンジニアとして働くことは可能です。

とりわけ次の特徴がある人は、ITエンジニアの仕事に向いていると考えられます。

・論理的思考力に長けている

・好奇心旺盛で学びのモチベーションが高い

・耐力・忍耐力がある

・コミュニケーション能力に長けている

それぞれの特徴について見ていきましょう。

論理的思考力に長けている

ITエンジニアは、数字やデータを基にシステムやアプリケーションを開発する仕事です。また、不具合が生じたときも、状況を論理的に分析して、適切な対応を取る必要があります。

そのため、感覚的に判断するのではなく、具体的な根拠を基に論理的に考えることが求められます。ITエンジニアとして働くなら、論理的思考力に長けていることは必要な要素といえるでしょう。

好奇心旺盛で学びのモチベーションが高い

ITエンジニアとして働くなら、現状の知識やスキルに満足するのではなく、好奇心旺盛で、その都度新たな知識を学んでいこうというモチベーションの高さが必要です。実践から学ぶのはもちろんのこと、セミナーや雑誌などを通して自主的に学ぶ姿勢が求められます。

ITの領域は、日々アップデートされています。また、ITでできることやエンジニアに求められる事柄も日々増加しているため、常にIT関連の技術や知識にアンテナを張り巡らしておきましょう。

体力・忍耐力がある

ITエンジニアは幅広い業務に対応するため、業務量も多くなりがちです。また、納期が短いことも多く、タイトなスケジュールをこなせる体力が求められます。

ITエンジニアの仕事は、やり直し作業が多い点も特徴です。クライアントのニーズを満たすシステムを設計していないときや、設計通りに作動しないとき、システム開発後に期待するような性能を発揮しなかったときなどは、何度でもやり直さなくてはいけません。そのため、ITエンジニアには根気と忍耐力も求められます。

コミュニケーション能力に長けている

ITエンジニアの仕事は、チームのメンバーとコミュニケーションを取りながら進めることが一般的です。コミュニケーション能力に長けている人ほど、スムーズに仕事が進められるでしょう。

また、クライアントと直接交渉するケースもあり、社外でのコミュニケーション能力も求められます。一人で仕事をこなす技術力も必要ですが、コミュニケーション能力もITエンジニアが身に付けるべき重要な要素です。

ITエンジニアが不向きな人の特徴

次のいずれかに当てはまるときは、ITエンジニアに向いていない可能性があります。

・IT業界への関心が乏しい

・ルーティンワークが苦手

それぞれの特徴や克服する方法を紹介します。

IT業界への関心が乏しい

IT業界は必要とされる知識やスキルの移り変わりが激しいため、自主的に学び、スキルアップに励む姿勢が求められます。IT業界そのものへの関心が乏しい人にとっては、仕事を続けることが難しくなるかもしれません。

IT業界への関心を持ちづらいときは、興味が湧いてから行動するのではなく、学びやスキルアップも含めて仕事の一貫として捉えてみてはいかがでしょうか。習慣的に学ぶことで、IT業界への興味が高まることもあります。

ルーティンワークが苦手

システム開発は、さまざまなシチュエーションを想定しては検証し、不具合が見つかれば修正するという作業を繰り返す必要があります。ルーティンワークが苦手な場合は、毎日の作業が苦痛に感じるかもしれません。

また、日々の作業をスムーズに進めるためには、チーム内の協調性が必要です。個人作業を好む人も、ITエンジニアに向いていない可能性があります。

繰り返し作業やチーム作業が苦手な人は、ITエンジニアの中でも顧客サポートをメインで行う「カスタマーエンジニア」を検討できるかもしれません。トラブルは顧客ごとに異なるため、常に異なる対応が求められるだけでなく、一人で対応することも多く、チーム作業が苦手な人にも働きやすいでしょう。

未経験からITエンジニアに！役立つスキル

未経験からITエンジニアを目指すときは、次のスキルを身に付けていることが望ましいでしょう。

・基礎的なITスキル

・ドキュメント作成スキル

・営業・接客スキル

・デザインスキル

・マネジメントスキル

・検索スキル

基礎的なITスキル

コンピューターの構成やネットワークの仕組みなど、業務上で必須となる基礎的なITスキルは身に付けておきましょう。また、IT関連の用語なども覚えておくと、クライアントやチームメンバーとの間でコミュニケーションを取りやすくなります。

ドキュメント作成スキル

ITエンジニアはドキュメントを作成する機会が多くあります。仕様書や報告書、マニュアルなどを作成することも多いため、ITエンジニアを目指すのであればドキュメントの作成方法はマスターしておきましょう。

ただし、高度な文章能力が求められているわけではありません。事務業務を担当したことがあり、Googleドキュメントで文章や表を作成できる程度であれば問題なく対応できます。

営業・接客スキル

ITエンジニアは、クライアントの要望に沿ってシステムを構築します。営業や接客のスキルがあると、クライアントとの交渉がスムーズに進むでしょう。

また、カスタマーエンジニアなどは、サポート業務も担当します。クライアントが抱える問題を丁寧に聞き取ってトラブル解決につなげる際にも、高い接客スキルが求められます。

デザインスキル

デザイン設計は専門のWebデザイナーが担うケースがほとんどです。

しかし、デザインセンスのあるITエンジニアなら、プログラミングやシステム開発に加えてデザインもトータルで対応できるため、業務がスムーズに進みやすくなります。職場で重宝されるだけでなく、転職の際のアピールポイントにもなるでしょう。

マネジメントスキル

ITエンジニアは、プロジェクトチーム内で働くことが多いです。

マネジメントスキルがあれば、チームをまとめるリーダーとしても活躍できます。また、プロジェクトマネージャーなどの管理職へのキャリアアップも可能になります。

検索スキル

検索力とは、短時間で正確に情報を見つける力のことで、効率よく検索できる力です。検索力を身につけることで、疑問点や問題点の解決につながります。

ITエンジニアになるための学習方法

ITエンジニアになるためには、基礎的なIT関連の知識とスキルを身に付けておく必要があります。すでにIT関連の業界で働いたことがある人なら、さらに高度な業務に対応できるように応用的な知識とスキルも習得しておくとよいでしょう。

IT関連の知識・スキルは、独学またはスクールで学べます。それぞれの学習方法の特徴や注意点を紹介します。

独学で知識を身に付ける

市販の参考書などを使って、空き時間を活用して学ぶこともできます。毎日1時間、土日に数時間などと時間を決めて、計画的に勉強を始めてみてはいかがでしょうか。

費用が安く、好きな時間や場所で学べる点は独学のメリットです。しかし、疑問が生じてもその場で解決できない点や、根気がないと続かない点に注意が必要です。

スクールやオンライン学習サービスで学ぶ

スクールで学ぶ方法もあります。独学に比べるとコストはかかりますが、モチベーションを保ちやすく講師から直接実践的なスキルが学べる点はメリットです。疑問もその場で解決できるため、不安なく勉強を続けていけます。

スクールに通うのが難しい場合は、オンライン学習サービスを利用するのも一つの方法です。好きな時間に学べるため、残業が多い職場に勤めている人でも無理なく続けられます。

まとめ

ITエンジニアに向いているヒトの特徴は、以下のとおりです。

・論理的思考力に長けている

・好奇心旺盛で学びのモチベーションが高い

・耐力・忍耐力がある

・コミュニケーション能力に長けている

常に新しいことにチャレンジし、成長していける仕事です。自分の手で何かを創り上げたいという人や、最新の技術に触れてみたいという人には、非常に魅力的な職業といえるでしょう。

求人数が多く、将来性の高い仕事を目指すなら、ITエンジニアは良い選択肢です。工学系の学校を卒業していなくても、独学やスクールなどで知識・スキルを習得できます。また、IT関連の企業に勤務している人なら、実践からITエンジニアとしての技量を身に付けられるでしょう。

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