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2024.09.19

回路設計エンジニアの将来性|必要スキルやおすすめの資格も

回路設計エンジニアの将来性|必要スキルやおすすめの資格ものイメージ画像‐回路設計エンジニアとして働いているエンジニアの男女

回路設計エンジニアは将来性がある業種と言えます。当記事では、回路設計エンジニアの主な仕事内容や将来的があると言われる理由、さらに平均年収、求められるスキルとおすすめの資格まで徹底解説しています。

回路設計エンジニアは、電子機器の心臓部とも言える「電子回路の設計」を担当する専門職です。電子回路は、パソコンやスマートフォン、家電製品から自動車や医療機器に至るまで、さまざまな製品に欠かせません。

当記事では、回路設計エンジニアの仕事内容や将来性、求められるスキルについて詳しく解説します。また、回路設計エンジニアとしてのキャリアアップに役立つ、おすすめの資格も紹介します。これから回路設計エンジニアを目指す方やスキルを磨きたい方は、ぜひご一読ください。

そもそも回路設計とは?

そもそも回路設計とは?のイメージ画像‐ノートパソコンを持っている回路設計エンジニアの男性

回路設計とは、電子機器や家電製品に内蔵される電子回路の設計を行う仕事です。回路は、デジタル信号を扱うデジタル回路と、アナログ信号を扱うアナログ回路に大きく分けられます。

そして、回路設計エンジニアは電子回路の設計と製造を担当する技術者です。電子回路は、電源や素子、配線などで構成され、これらの部品を組み合わせて機能する回路を作り出します。

回路設計エンジニアは、この設計プロセスを通じて、製品が要求される性能を満たすように調整し、最適化するのが仕事です。たとえば、パソコンやスマートフォン、自動車の電子制御システムなど、さまざまな製品に組み込まれる回路は回路設計エンジニアによって設計されています。

回路設計エンジニアには、デジタル回路とアナログ回路の両方の知識を持つことが求められます。どちらか一方に特化することもありますが、相互に依存する部分が多いため、幅広い知識が必要です。高度な技術を持つ回路設計エンジニアは日本の基幹産業を支える重要な存在であり、やりがいを感じられる仕事と言えるでしょう。

回路設計エンジニアの主な仕事内容

回路設計エンジニアの仕事は、大きく「デジタル回路設計」と「アナログ回路設計」の2つに分けられます。0と1のデジタル信号を扱う回路を担当するのが「デジタル回路設計」、連続的なアナログ信号を用いる回路の設計を行うのが「アナログ回路設計」です。

どちらの領域も電子機器の製品開発に欠かせないものであり、専門的な知識と技術が求められます。ここからは、デジタル回路設計とアナログ回路設計における具体的な業務について紹介します。

(1)デジタル回路設計

デジタル回路設計では、デジタル信号を用いた回路の設計を行います。たとえば、コンピュータやスマートフォンのCPUやメモリなど、論理演算やデータ処理を行うための回路が代表的です。

デジタル回路設計では、一般的に専用のEDAツールを使用して複雑な論理回路を効率的に設計します。これにより、回路のシミュレーションや検証が容易になり、高速かつ正確な設計が可能です。製品設計者の依頼内容を回路で実現するため、デジタル回路設計には高い論理的思考力と問題解決能力が求められます。

また、技術の進歩が非常に早いため、常に最新の技術動向を追い続ける姿勢も欠かせません。

(2)アナログ回路設計

アナログ回路設計は、アナログ信号を扱う回路の設計を行います。アナログ信号は、音声や電圧など、連続的な値を持つ信号です。

アナログ回路設計は、高度な電子工学の知識と実践的な経験が求められます。理論上は問題なく動作するはずの回路でも、実際には部品の配置や配線の微妙な違いによって特性が変わることが多いためです。

設計支援ツールの発展により、経験の浅いエンジニアでも高品質な設計が可能になっていますが、それでも高度な解析力と専門知識は欠かせません。

回路設計エンジニアの将来性

回路設計エンジニアの将来性のイメージ画像‐半導体基板を虫眼鏡でみている写真

回路設計エンジニアの将来性は非常に高いと言えます。電子回路は家電製品や自動車、医療機器、宇宙産業などさまざまな分野で不可欠な存在です。

さらに、IoTや工業用ロボット、5G製品などの最先端技術の発展により、回路設計の需要は減るどころかますます増加すると予測されます。AIにも一部の業務代替は可能なものの、回路設計には依然として人の手を必要とする複雑な業務が少なくありません。

加えて、専門知識と経験が求められる回路設計エンジニアは、慢性的な人手不足が続いており、就職や転職市場でも有利な立場にあります。

特にアナログ回路設計の分野では、経験豊富なエンジニアが引っ張りだこです。IT社会の存続と発展が続く限り、回路設計エンジニアの重要性は変わらず、安定したキャリアを築ける職種と言えるでしょう。

回路設計エンジニアの需要が高まる2つの理由

回路設計エンジニアの需要は年々高まっています。背景にはさまざまな要因が絡み合ってはいますが、特に電子回路が幅広い産業で必要とされることや、専門知識を持つエンジニアの不足が挙げられるでしょう。

以下では、回路設計エンジニアの需要が高まる2つの理由を詳しく説明します。

人手不足の慢性化

専門的な知識とスキルが求められる回路設計エンジニアは、誰にでも就ける職業ではありません。特に不足しているのが、アナログ回路設計を担うエンジニアです。

アナログ回路設計はデジタル回路設計に比べて難易度が高く、部品の配置や配線の違いで特性が変わるため、高い技術と経験が必要とされます。また、熟練者ならではの直感も重要とされるため、優秀な人材が足りません。

さらに、ベテランのエンジニアが定年退職を迎える時期に差し掛かっているのも、人手不足の一因です。加えて、電気工学や機械工学を専攻する学生が減少していることもあり、新しい人材の確保が難しい状況です。

結果として、回路設計エンジニアは慢性的な人手不足に直面しており、需要が高まり続けています。

幅広い産業における電子回路ニーズの高まり

電子回路は、民生品から産業機械まで、あらゆる分野で欠かせない存在となりました。特に近年は、IoTやAI、5G技術の普及・躍進に伴い、電子回路のニーズ拡大が止まりません。

また、これまでアナログ技術で運用されていた機器やシステムがデジタル化されるケースも増えており、電子回路の需要はますます広がっています。

たとえば、自動車の電子制御システムやスマート家電など、新しい分野でも回路設計の技術は必須です。これにより、電子回路の設計・製造を担当する回路設計エンジニアの需要も増加しています。

回路設計エンジニアが「きつい」「やめとけ」と言われる理由

回路設計エンジニアは需要が高く、将来性も十分に期待される職業です。しかし、「きつい」「やめとけ」といった意見が聞かれることもあります。その理由として挙げられるのが、以下の3点です。

●   幅広い知識が求められる
●   常に最新の情報をキャッチしなければならない
● 業務の大変さや責任と給料が見合っていない

電子回路の設計には、電気工学をはじめとするさまざまな専門知識が必要であり、部品の特性や役割を理解しなければなりません。技術の進化が速いため、常に最新の情報をキャッチし続け、新しい技術や設計手法を習得する必要もあります。

加えて、設計ミスが許されないプレッシャーや、厳しい納期の中で高品質な設計を求められるのに対し、給料が見合わないと感じる場合もあるでしょう。

ただ、回路設計エンジニアの仕事が「きつい」と感じるかどうかは、主に職場の影響によるものです。良好な職場環境では適切なサポートやリソースが提供されたり、ストレスを感じることが少ない場合も多く見受けられます。

さらに、仕事に慣れると、新たな知識やスキルの習得もスムーズになり、徐々に大変さも緩和されます。自分に合った職場を見つけることが、回路設計エンジニアとしての成功の鍵となるでしょう。

回路設計エンジニアの平均年収

回路設計エンジニアの平均年収は、約500万~600万円です。この金額は、経験年数やスキル、勤務する地域や企業の規模によって大きく異なります。スキルアップ・キャリアアップを図れれば、平均以上の年収が期待できるでしょう。

たとえば、経験5年程度のエンジニアであれば年収は450万円程度ですが、実務経験が10年を超えると700万円以上を得られるケースも珍しくありません。

特に、アナログ回路設計や大規模プロジェクトの経験が豊富なエンジニアは好条件です。特定の専門分野に特化したり管理職に昇進したりすれば、900万円以上の年収を得られる場合もあります。

回路設計エンジニアに求められるスキル

回路設計エンジニアに求められるスキルのイメージ画像‐英二新聞の上にSKILLと1文字ずつ書かれた立方体の木が並べられている。

高度な技術を駆使して電子機器の回路を設計する回路設計エンジニアには、多岐にわたるスキルが必要となります。業務の効果的・効率的な遂行に重要なのが、専門的な理系知識や論理的思考力、コミュニケーション能力です。

以下では、それぞれのスキルについて、詳しく説明します。

専門的な理系知識

回路設計エンジニアには、回路理論や電磁気学、制御工学などの専門的な理系知識が必須です。これらの知識は、電子回路の設計や評価、電気信号の流れや特性を理解するために欠かせません。また、CAD(コンピュータ支援設計)ツールもスムーズに操作できるとなおよいでしょう。

さらに、現代の電子機器は高度に複雑化しているため、機械工学やソフトウェア工学の知識もあると有利です。これにより、システム全体の最適化や効率的な設計が可能となります。継続的な学びとスキルの更新が必要とされる分野であり、新しい技術や手法に対応できる柔軟性も求められます。

論理的思考力

回路設計エンジニアには、問題解決能力と論理的思考力が求められます。電子回路の設計では、仕様に基づいた最適な構成を考えなければなりません。これには、さまざまな要素や制約条件を考慮しながら、回路の動作を論理的に組み立てる力が必要となります。

また、設計した回路が期待通りに動作しない場合、その原因を特定し、対策を講じる能力も重要です。故障やトラブルシューティングの際には、問題を体系的に分析し、解決策を導き出すスキルが求められます。このような論理的思考力は、設計の精度を高めるだけでなく、効率的な業務遂行にも寄与するでしょう。

コミュニケーション能力

回路設計エンジニアの仕事では、ほかのエンジニアやプロジェクトマネージャー、さらには顧客とのコミュニケーションも重要です。チームでの作業が多いため、設計の意図や進捗を明確に伝える能力が求められます。特に、設計の変更や調整が必要な場合、迅速かつ的確なコミュニケーションがプロジェクトの成功に欠かせません。

さらに、技術進歩が早い分野であるため、最新の情報や技術トレンドを把握する力も必須です。情報の収集方法には、専門書籍やインターネットの活用、学会への参加などが挙げられます。英語の文献や国際的な技術会議からの情報も役立つため、英語力も大切です。

回路設計エンジニアにおすすめの資格

回路設計エンジニアにおすすめの資格のイメージ画像‐机の上に黒字で資格取得と書いてある青い参考書と黒縁メガネとボールペンが置かれている写真

回路設計エンジニアとしてのスキルを証明し、キャリアアップを図るには、適切な資格の取得が有効です。回路設計エンジニアに資格は必須でないものの、取得すれば専門知識や技術力をアピールできるため、採用や昇進で有利に働くでしょう。

最後に、回路設計エンジニアに特におすすめの3つの資格を紹介します。

情報処理技術者試験

情報処理技術者試験は、ITの幅広い知識を習得できる国家試験です。経済産業省が認定する資格で、情報処理技術者としての知識と技能を評価します。回路設計エンジニアにとっても情報処理の知識は重要であり、この試験を通じて得られるスキルは業務に役立つでしょう。

試験は試験は4つのレベルに分かれており、上位の試験ほど専門的な知識が求められます。試験の種類は12あり、基本的なIT知識を問うITパスポート試験から専門的なシステムアーキテクト試験まで幅広いレベルの試験があります。特に、基本情報技術者試験は試験範囲が広く、合格には相応の勉強時間が必要です。

EMC設計技術者資格

EMC設計技術者資格は、電子機器の設計において必須のEMC(電磁両立性)対応設計力を証明する資格です。この資格は、KEC関西電子工業振興センターとアメリカのiNARTEが共同で創設したもので、世界共通の資格として認められています。

EMC設計技術者資格を取得することで、電気機器や電子回路の設計におけるEMC対応力を証明できます。受験には、5年以上の実務経験または学士以上の学歴が必要です。試験は2段階に分かれており、「EMC設計技術者」資格を取得した後、さらに3年の実務経験を経て「シニアEMC設計技術者」資格を受験できます。

CAD利用技術者試験

CAD利用技術者試験は、製品の設計図を作成するためのツールであるCAD(コンピュータ支援設計)の使用能力を証明する資格です。回路設計では、2次元および3次元の図面を作成することが多く、CADのスキルは欠かせません。

試験は2次元CADと3次元CADに分かれており、それぞれ異なるスキルが求められます。2次元CAD利用技術者試験には1級・2級・基礎があります。基礎は初心者向け、2級は設計・製図に関する基本的な知識を持つ人向け、1級はより高度な設計能力を証明する資格です。

3次元CAD利用技術者試験も、基本的な操作スキルを問う2級とより実践的なスキルを証明する準1級、実務経験を積んだプロフェッショナル向けの1級に分かれています。

まとめ

回路設計エンジニアは、電子回路の設計を担当する専門職であり、幅広い知識と高度なスキルが求められる職種です。需要は高く将来性も十分にありますが、業務の難しさや責任の重さから「きつい」と感じることもあります。

しかし、自分に合った職場環境を選び、継続的なスキルアップを図れれば、回路設計エンジニアとしてのキャリアを成功に導けるでしょう。

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