製造業・工場のお仕事
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2024.03.21

工場での「組み立て」の仕事がきついと言われる理由|克服のコツも

工場で組立作業をするウイルテックの女性従業員

人々の生活に欠かせないさまざまな製品の多くは、工場での組み立て作業を経て市場に出回ります。今回は、組み立て作業の概要から「きつい」と言われる理由、さらに組み立て作業のきつさを乗り越える方法まで徹底解説しています。

日常生活に欠かせないさまざまな製品が、工場での組み立て作業を経て市場に出されます。しかし、「組み立て作業」という言葉を耳にしたことはあるものの、具体的な業務内容や必要なスキルについては良く知らない、という方も少なくありません。

当記事では、組み立て作業の概要から「きつい」と言われる理由、さらに組み立て作業のきつさを乗り越える方法まで詳しく解説します。仕事としての魅力や向いている人の特徴も紹介するため、組み立て作業に興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

そもそも工場における「組み立て作業」とは?

自動車パーツ組立の自動化の様子

組み立て作業とは、工場で生産される製品を完成させるために、さまざまな部品を組み合わせたり、マニュアルに沿って仕上げたりする工程です。

自動車のように大きな部品を取り扱う仕事から、精密機械のように非常に小さな部品を慎重に扱う仕事まで、扱う製品や業務内容は工場によって大きく異なります。ベルトコンベアで流れてくるパーツをレーン作業で組み立てる大量生産の工場もあれば、作業台の上で一人ひとりが手作業で丁寧に組み立てる工場もあるなど、さまざまです。

特に資格を必要としない上、性別や年齢を問わない求人が多く、未経験からでも始めやすい職場が少なくありません。さらに、冷暖房完備で快適に保たれている工場も多いため、性に合えば働きやすい環境が整っています。

次に、組み立て作業にはどのような種類があり、具体的にどのような業務が行われているのかを見ていきましょう。

組み立て作業の種類|種類ごとの具体的な業務

組み立て作業には、製品の種類や作業内容に応じてさまざまな種類があります。ここでは、その中から代表的なものをいくつか紹介します。

●大型機械の組み立て

自動車・モーター・大型家電など、大型機械の組み立て作業は、部署ごとに分かれたパーツを組み立てるライン作業が中心です。大きなパーツや重量物を扱うことが多く、体力や筋力が求められます。組み立て工程が多岐にわたる製品の場合、パーツごとに担当部署があり、ベルトコンベアの前で割り当てられたパーツを取りつけていく体制が一般的です。

●精密機器の組み立て

OA機器や電子機器、家電製品全般など、電子部品や精密機器の組み立て作業では、基板にネジやハンダで部品を取りつける作業が中心です。細かい作業が多く、手先の器用さや集中力が求められます。また、組み立てた製品の目視検査やシール貼りなどの作業も行われることがあります。個人の作業スペースで複数の工程を行う工場や業種も珍しくありません。

●プラスチック製品の組み立て

機械部品や食品容器、日用雑貨など、プラスチック製品の組み立て作業では、製品を型取りした後、カッターで切り取る作業や目視検査、シール貼りなどがあります。扱う製品や部品が比較的軽く作業もシンプルなため、体力に自信がない人や未経験者にも始めやすい種類です。

上記以外にも、住宅建材・家具・インテリア雑貨・医療製品・スポーツ用品・おもちゃなど、多岐にわたる分野で組み立て作業が行われています。

【工場】組み立ての仕事が「きつい」と言われる5つの理由

試作のモーターを取り付けて組立作業をしている、ウイルテックの従業員たち

組み立て作業はマニュアルに沿った作業指導があり、未経験者でも始めやすいとされています。しかし、製造現場という仕事の性質上、体力的な負担や労働環境、人間関係など、さまざまな面で合わないケースがないわけではありません。

ここからは、組み立ての仕事が「きつい」と言われる5つの理由を詳しく見ていきましょう。

(1)体力的な負担が大きい

組み立て作業は長時間にわたる立ち仕事が基本であり、体力的な負担が大きいのが、「きつい」と言われる主要な理由の1つです。

組み立て中は同じ姿勢での作業が続くため、肩や首、腰に負担がかかり、肩こりや腰痛といった身体の不調を引き起こすことも少なくありません。さらに、製品によっては数十キロに及ぶ重い部品を持ち上げる必要もあり、筋力に対する要求も高くなります。

また、製品によっては低い姿勢が続く作業もあり、膝や関節に痛みを感じる人も多くいます。ただ、続けるうちに自然に体力がつき、負担が軽減されるケースも珍しくありません。

(2)労働環境が良くない

労働環境の厳しい工場が存在するのも、組み立ての仕事が「きつい」と言われる理由の1つです。24時間稼働する工場では夜勤や交替制勤務となるため、睡眠不足や不調を引き起こすことがあります。人手が足りず、長時間労働をせざるを得ないケースも珍しくありません。

また、機械の騒音や塗料、薬品の強い臭いが苦手な人にとっては、作業に集中しづらい環境というだけでなく、頭痛や吐き気を感じる原因となります。さらに、空調が効いていない工場や温度設定に制限がある工場では暑すぎたり寒すぎたりする場合も多く、体調不良やストレスの原因となるでしょう。

(3)人間関係に何らかの問題がある

組み立て作業を行う工場では、幅広い年齢層や背景を持つ人々が集まります。高校を卒業して直ぐに働き始める人から、他業種から転職してくる人、長年その職場で働いているベテランまでさまざまです。この多様性は、異なる価値観や考え方がぶつかり合うことによる「人間関係のトラブル」の発展要因にもなり得ます。

また、1人で黙々と作業する場面が多いため、コミュニケーションを重視する人にとっては、寂しさを感じることもあるでしょう。厳しい上司がいる場合や寮生活のストレスも、人間関係における負担を増やす要因となり得ます。

(4)繰り返す単調作業に精神的苦痛を感じる

組み立て作業では、同じ作業を繰り返す単調な業務が大半です。仕事が難しいわけではないものの、変化のない作業を続けることで時間が長く退屈に感じられたり、精神的な苦痛を感じたりする場合があります。

また、長時間同じ作業を続けることで集中力が途切れがちになり、うっかりミスを引き起こすケースも珍しくありません。自分のスキルやアイデアを生かしたいと考える人にとっては、「きつい」と感じてしまうこともあるでしょう。

(5)プレッシャーが大きい

組み立て作業では生産性と効率が重視されるため、作業のスピードと正確さが強く求められます。ノルマが課せられることも少なくありません。特にライン作業では、ベルトコンベアの流れに合わせて迅速に作業を進めなければならず、自分のペースで仕事をするのは不可能です。

また、1人のミスが全体の作業遅延につながるため、わずかな間違いも許されない大きなプレッシャーを感じる人もいます。このように、目標スピードや製造ノルマを達成するための圧力は、精神的な苦痛を伴い、作業中のストレスとなるケースが少なくありません。職場によっては監視の目が常にあるのも、精神的苦痛が積み重なりやすい要因の1つです。

きつい点ばかりではない?組み立ての仕事の魅力3選

自動車のパーツ取り付け作業をするウイルテックの従業員

組み立て作業が持つ厳しい面ばかりがクローズアップされることも多いですが、同時に、この仕事には多くの魅力があることも事実です。特に、組み立て作業のメリットや魅力として挙げられるのが、働きやすさや求人条件の良さです。

ここからは、組み立ての仕事が持つ魅力的な側面を3つ紹介します。

経験・スキル・資格を問わず働ける

組み立て作業は、未経験者でも気軽に始められる点が大きな魅力の1つです。特別なスキルや資格、学歴を問わずに働けるため、さまざまな背景を持つ人が挑戦しやすい職種と言えます。入社後に必要な知識や技術を学べるため、転職者やブランクがある人でも安心してスタートできる職場が大半です。

また、努力次第で正社員への道が開かれる、社員登用制度を設けている企業も少なくありません。未経験からキャリアアップを目指せる環境が整っている点も、魅力の1つとして挙げられます。

業務自体は比較的シンプルで覚えやすい

組み立て作業は、マニュアル化されたシンプルな作業が多いため、覚えやすく慣れやすいのも魅力と言えるでしょう。はじめの1か月は「きつい」と感じることがあるものの、ある程度慣れてしまえば、比較的楽に作業をこなせるようになります。

また、接客や営業のように予測不能なイレギュラー対応が少なく、一定のルーティンに従って作業を進めることが可能です。このため、完全な未経験者でも比較的短期間で作業効率が上がり、仕事に自信を持てるようになります。

好条件の求人が多い

組み立て作業の求人は、好条件であることが多い点が大きな魅力です。製造業界では人手不足が続いている上、組み立て作業は人によって向き不向きが分かれる職種のため、求人数が豊富です。勤務地や勤務時間、給与面で自分に合った選択肢を見つけやすい傾向にあります。

大手メーカーでは特に福利厚生が充実しており、寮や社員食堂を完備している場所も少なくありません。また、24時間稼働する工場に夜勤で入れば深夜手当がつくため、日勤よりも高収入を得られる可能性が高くなります。

工場での組み立て作業に向いている人の特徴

電動工具で組立作業をするウイルテックの従業員

組み立て作業は、人によって合うか合わないかがはっきりと分かれる職種です。仕事に挑戦してからつらい思いをする前に、組み立て作業が合う人のタイプを知り、自分に向いているかどうかを見極めることが大切です。

次に、工場での組み立て作業に特に適しているとされる人の特徴を5つ紹介します。

1人で黙々と作業するのが好きな人

組み立て作業は、1人で黙々と作業を進めるのを好む人に特に向いています。手先の器用さや作業の正確さも求められますが、技術面の問題は慣れや経験を通じて身につけることが可能です。しかし、与えられた仕事に集中して取り組む能力は天性の部分が多く、この職種において非常に重要視される資質の1つと言えるでしょう。

ただ、1人で作業を行うことが多いものの、業種によっては他部署との連携も求められるため、ある程度のコミュニケーション能力も必要になります。

細々とした作業が得意な人

細かい作業が得意な人は、組み立て作業に特に向いています。業種にもよりますが、扱う部品が非常に小さく、ミリ単位でものを扱う職場も珍しくありません。手先の器用さや作業の正確さが必須となるため、細々とした作業を好む人は、高い仕事効率と品質を実現することができます。

機械いじりやプラモデルの組み立てが趣味の人などは比較的挫折しにくく、楽しみながら仕事ができる可能性が高いと言えるでしょう。

単純作業の繰り返しに苦痛を感じない人

組み立て作業は決められたルーティンワークが基本であり、マニュアルに従って正確に作業を進めなければなりません。そのため、ルーティンワークを通じて効率化の工夫を見つけ出せる人や、マニュアル通りに作業を進めることに満足感を得られる人にとって、この職種は非常に向いています。

一貫した作業を続ける中で自分なりのやり方を見つけ出し、作業の効率化に挑めるのもこの仕事の醍醐味の1つです。

体力にある程度自信のある人

デスクワークよりも手を動かしたり身体を動かしたりすることが好きな人や、長時間立っての作業や重い物を持ち運ぶことが可能な人には、組み立て作業がおすすめです。組み立て作業の多くは、勤務中のほとんどの時間を立ち仕事で過ごし、業種によっては重い部品や荷物の運搬も求められます。

そのため、体力的な負担を感じずに働ける丈夫な身体を持つ人には、この仕事が向いていると言えるでしょう。特に大型機械などの組み立てに携わる工場では、体力のある人のほうが仕事に慣れやすく、挫折しにくい傾向にあります。

モノづくりに興味がある人

製品の仕組みや製造過程を深く理解したい、自分の手で何かをつくり上げたいという思いを持つ人にとって、組み立て作業は非常に充実した仕事となるでしょう。組み立て作業は、仕事を通じて製品の内部構造や仕組みを学びながら、モノづくりの醍醐味を存分に味わうことができます。

自分が関わった製品が完成し、それが市場に出ていく過程を目の当たりにできるのも、大きな達成感や満足感を得られる瞬間です。プラモデル製作やDIYなどを趣味にする人も、この仕事でそのスキルや情熱を生かして楽しみながら働けます。

工場における組み立て作業のきつさを克服するコツ

組み立て作業のきつさを克服するコツは、適切な職場選びと作業スタイルの工夫にあります。

特に、大手メーカーの求人を選ぶのは、効果的な方法の1つです。大企業は比較的人員に余裕があるケースが多く、作業環境への投資も積極的に行っているため、労働者にとって快適な環境で働ける可能性が高くなります。また、収入面や待遇面、福利厚生が充実している職場が多いのも、長期的に働くことを考えれば大きなメリットです。

さらに、ある程度作業に慣れてきたら、周囲の経験者の動きを観察し模倣する方法も有効です。特に優秀な先輩の効率的な動きを真似ることで、作業のコツを掴みやすくなります。また、自分なりの工夫を取り入れることも重要です。ほぼ同じことを繰り返し行う組み立て作業でも、作業の順序やツールの配置を少し変えるだけで効率が上がり、精神的な負担が軽くなることが少なくありません。

完璧を求めすぎずに、検品に通るレベルを保てば良いことを意識するのも大切です。これらのコツを活用することで、組み立て作業のきつさが軽減され、より快適に仕事を進められるようになるでしょう。

まとめ

組み立て作業は未経験者でも始めやすく好条件の求人も多い一方で、体力や精神的な負担が伴う場合もあります。人によっては向かない場合もありますが、適切な求人を選び、作業のコツを掴むことで、これらの課題を乗り越えることが可能です。

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