工場用語辞典

外観検査 【よみ】 がいかんけんさ 【英語】 Visual inspection

外観検査とは、製品や部品の表面に目視や計測機器を用いて、傷、汚れ、変形、異物混入などの外観上の欠陥がないかを確認する検査のことです。製造業において、製品の品質を確保し、顧客への信頼性を高める上で、欠かせない工程の一つとなっています。

外観検査の目的

  • 不良品の排除: 製造過程で発生した不良品を製品として出荷してしまうことを防ぎ、製品の品質を維持します。
  • 品質の安定化: 検査結果を分析することで、製造工程における問題点を早期に発見し、品質の安定化を図ります。
  • 顧客満足度の向上: 高品質な製品を提供することで、顧客満足度を高め、リピートに繋げます。
  • 法的規制への対応: 製品に関する法規制への適合性を確認し、法的な問題を回避します。

外観検査の種類と方法

外観検査は、検査対象物や検査項目、使用する機器などによって様々な種類に分けられます。

検査の種類

  • 目視検査: 人間の目で直接、製品の表面を観察する方法です。最も一般的な方法ですが、検査員の熟練度や疲労によって検査結果にばらつきが生じる可能性があります。
  • 機械視覚検査: カメラや画像処理システムを用いて、製品の画像をデジタルデータ化し、自動で検査を行う方法です。高精度で高速な検査が可能であり、近年ではAI技術の導入により、より高度な検査が可能になっています。
  • 触覚検査: 製品表面の凹凸や硬さなどを、触覚センサーを用いて検査する方法です。
  • 寸法測定: ノギスやマイクロメータなどを使用して、製品の寸法を測定する方法です。

検査方法

  • ランダムサンプリング検査: 製品の一部をランダムに抽出して検査する方法です。
  • 全数検査: 全ての製品を検査する方法です。
  • パトロール検査: 製造工程中に定期的に検査を行う方法です。

外観検査の重要性と課題

外観検査は、製品の品質を確保するために非常に重要な工程ですが、いくつかの課題も存在します。

外観検査の重要性

  • 顧客への信頼性向上: 高品質な製品を提供することで、顧客からの信頼を獲得できます。
  • ブランドイメージの向上: 製品品質の向上は、企業のブランドイメージ向上に繋がります。
  • コスト削減: 不良品の発生を抑制することで、再加工や返品などのコストを削減できます。

外観検査の課題

  • 人手不足: 目視検査は人手が必要であり、人手不足が深刻な問題となっています。
  • 検査員の疲労: 長時間の検査作業は、検査員の疲労によるミス発生のリスクを高めます。
  • 検査時間の短縮: 出荷スケジュールに間に合わせるため、検査時間を短縮したいという要求と、検査の精度を確保したいという要求が対立することがあります。