工場用語辞典
安全の3原則 【よみ】 あんぜんのさんげんそく 【英語】 Three principles on Safty
安全の3原則とは、整理整頓、点検整備、標準作業の3つの要素を組み合わせた、職場における安全の基本的な考え方です。1920年代頃にアメリカで提唱され、その後、日本でも広く採用されています。
安全の3原則は、単なるスローガンではなく、実際に実践することで、労働災害を防止し、安全な職場環境を構築することができます。それぞれの原則について、詳しく説明します。
1. 整理整頓
整理とは、不要なものを取り除き、必要なものを必要な場所に置くことです。整頓とは、整理されたものを、見やすく、取り出しやすく、戻しやすく配置することです。
整理整頓を徹底することで、以下の効果が期待できます。
- 作業スペースの確保:不要なものがなくなれば、作業スペースが広くなり、動きやすくなります。
- 物の紛失防止:必要なものが必要な場所に置かれているため、探す手間が省け、紛失を防ぐことができます。
- 作業効率の向上:必要なものがすぐに取り出せるため、作業効率が向上します。
- 事故・災害の防止:整理整頓されていない状態では、転倒や接触などの事故が起こりやすくなります。
整理整頓を行う際には、以下の5Sを意識することが重要です。
- Seiri(整理): 不要なものを取り除く
- Seiton(整頓): 整理されたものを、見やすく、取り出しやすく、戻しやすく配置する
- Seiso(清掃): 清潔に保つ
- Seiketsu(清潔): 整理整頓、清掃を徹底し、良い状態を維持する
- Shitsuke(躾): 整理整頓、清掃を習慣化し、意識を高める
2. 点検整備
点検とは、機器や設備などの状態を定期的に確認し、異常がないことを確認することです。整備とは、点検で発見された異常を修理したり、調整したりすることです。
点検整備を徹底することで、以下の効果が期待できます。
- 機器・設備の故障防止:定期的な点検によって、故障の兆候を早期に発見し、故障を防ぐことができます。
- 事故・災害の防止:機器・設備の故障は、事故や災害につながる可能性があります。点検整備によって、そのようなリスクを減らすことができます。
- 生産性の向上:機器・設備が良好な状態であれば、生産性も向上します。
点検整備を行う際には、以下の点に注意する必要があります。
- 点検・整備の基準を明確にする:どのような状態であれば異常と判断するのか、具体的な基準を設ける必要があります。
- 点検・整備の頻度を適切に設定する:機器・設備の種類や使用状況に応じて、適切な点検・整備の頻度を設定する必要があります。
- 点検・整備の結果を記録する:点検・整備で発見された異常や、行った作業内容を記録しておくことが重要です。
3. 標準作業
標準作業とは、決められた手順で作業を行うことです。標準作業書と呼ばれる文書を作成し、作業手順、作業者の役割、必要な工具や材料などを明確に定めます。
標準作業を徹底することで、以下の効果が期待できます。
- 作業品質の安定:決められた手順で作業を行うことで、作業品質の安定化が図れます。
- 作業員の負担軽減:標準作業書に従って作業を行うことで、作業員の負担を軽減することができます。
- 事故・災害の防止:標準作業書に従って作業を行うことで、作業手順の誤りによる事故や災害を防ぐことができます。
標準作業を作成する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 現場の作業員と協力して作成する:現場の作業員の意見や経験を取り入れながら、作成することが重要です。
- わかりやすく、実践しやすい内容にする:標準作業書は、誰でもわかりやすく、実践しやすい内容にする必要があります。
- 定期的に見直し、改訂する:作業内容や環境の変化に合わせて、定期的に見直し、改訂する必要があります。
安全の3原則は、職場における安全を支える基本的な理念です。整理整頓、点検整備、標準作業を徹底することで、労働災害を防止し、安全な職場環境を構築することができます。これらの原則を意識し、日々の業務に取り組むことが重要です。