工場用語辞典

電話を利用して顧客に対して商品やサービスの案内、営業活動、調査、フォローアップなどを行うマーケティング手法の一つです。「テレフォンマーケティング」の略であり、略して「テレマ」とも呼ばれます。企業が見込み客や既存顧客に直接アプローチできる手段として、BtoB（法人向け）・BtoC（個人向け）問わず、さまざまな業界で活用されています。

テレマーケティングは、単に電話をかけて商品を売り込むだけでなく、顧客ニーズの把握、アポイント獲得、アフターフォロー、アンケート調査など、幅広い目的に対応できるのが特長です。

テレマーケティングの種類と役割

テレマーケティングには大きく分けて2つのタイプがあります。どちらも企業活動において重要な役割を果たしています。

1. アウトバウンドテレマーケティング

アウトバウンドとは、企業から顧客へ電話を発信する形態です。新規顧客の開拓や既存顧客への追加提案などに使われます。

主な目的：

• 商品・サービスの営業
• アポイントメントの取得
• イベント・セミナーの案内
• キャンペーンの告知
• 市場調査・アンケート

たとえば、保険会社が見込み客リストに基づいて電話をかけ、生命保険や医療保険の提案を行うのがアウトバウンドテレマーケティングの典型例です。

2. インバウンドテレマーケティング

インバウンドとは、顧客からの電話を受ける形態で、主にコールセンターやカスタマーサポートの業務にあたります。

主な目的：

• 商品・サービスに関する問い合わせ対応
• 購入・申込受付
• クレーム対応
• 技術サポート
• 契約内容の変更手続き

例えば、通信会社のサポート窓口に顧客が料金プランの相談で電話をかけると、それを受ける担当者がインバウンドのテレマーケティングにあたります。

テレマーケティングの具体例と活用メリット

実例：ソフトウェア企業のテレマーケティング活用

ある中堅のソフトウェア会社が、新しく開発したクラウド型業務管理ツールを販売するためにテレマーケティングを導入しました。まず、アウトバウンドチームが中小企業の経営者リストに電話をかけ、ニーズがあるかをヒアリング。興味を持った企業に対して、営業担当とのアポイントを設定します。

その後、営業がオンライン商談を実施し、契約に至った企業に対しては、カスタマーサポート部門がインバウンド対応を担当。導入後の質問やトラブルに迅速に対応することで、顧客満足度を高め、継続利用へとつなげています。

このように、アウトバウンドとインバウンドを連携させることで、見込み顧客の発掘から契約、アフターケアまでを一貫して行えるのがテレマーケティングの強みです。

テレマーケティングのメリット

①即時性がある
電話はリアルタイムで相手とやりとりできるため、すぐにフィードバックを得られる点が大きなメリットです。メールやDMよりも反応が速く、相手の反応を見ながらトーク内容を調整することも可能です。

②コスト効率が良い
営業担当が実際に訪問するよりも、電話1本で複数の見込み客にアプローチできるため、人件費や交通費を抑えることができます。

③人間的な接点が持てる
デジタルマーケティングが主流となっている中でも、「人と人とのやりとり」がある電話は信頼構築に有効です。丁寧な対応によって企業イメージの向上にもつながります。