工場用語辞典

荷札 【よみ】 にふだ 【英語】 tag

出荷される貨物や商品に貼り付ける識別用の札(ラベル)**で、荷物の内容、送り先、送り主、数量、取扱注意事項などの情報が記載されたものです。荷札は主に紙やシール、プラスチックタグの形で使用され、物流における「名札」や「案内板」のような役割を果たします。

荷札があることで、荷物の追跡や確認、誤配送の防止、正確な納品が可能となり、物流の正確性と効率性を支える重要な要素となっています。

荷札と伝票の違い

混同されがちですが、「荷札」と「送り状(伝票)」は異なるものです。

  • 荷札:荷物自体に貼る目印。誰が見てもすぐに識別できるように大きく表示される。
  • 送り状(伝票):配送業者が配送管理や請求のために使用する書類。荷札に比べて記載内容が多い。

両方を併用することで、作業者とシステム両方に対応できます。

荷札の種類と記載内容

荷札の種類

荷札にはいくつかの種類があり、用途に応じて使い分けられます。

1. 一般荷札(宛名札)

  • 最も基本的な荷札。
  • 宛名(届け先)、差出人、品名、数量などが記載されます。
  • 手書き、スタンプ、印刷などの方法で作成されます。

2. カラー荷札(注意喚起用)

  • 赤、青、黄など色付きで「ワレモノ注意」「下積厳禁」「納品先別」「至急」などの注意点を目立たせるために使用されます。
  • 視認性が高く、現場でのミスを減らします。

3. バーコード付き荷札

  • バーコードやQRコードが印刷された荷札。
  • 倉庫管理システム(WMS)や出荷管理システムと連携し、スキャンするだけで出荷先や商品を特定可能。
  • ECや大規模物流倉庫で主流。

4. タグ型荷札

  • プラスチックや合成紙などで作られ、ひもで商品に結び付ける形式。アパレル業界や部品管理などに用いられます。

荷札に記載される主な情報

荷札には以下のような情報が記載されます:

  • 送り先(宛名・住所・会社名・担当者)
  • 差出人(会社名・住所・部署など)
  • 商品名や品番
  • 数量・ロット番号
  • 取扱注意情報(例:割れ物・横積み厳禁・常温保管など)
  • 出荷日や納期
  • バーコードやQRコード(システム連携用)

これらの情報により、「何を」「どこへ」「どのように」運ぶべきかが一目でわかるようになります。

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荷札の役割と使用例

荷札の主な役割

荷札の存在は、物流の現場において以下のような役割を果たします。

  1. 仕分け作業の効率化
     宛名や品番がはっきり書かれているため、作業員が一目で荷物の行き先を確認できます。
  2. 誤配送の防止
     正確な情報が表示されていれば、間違った配送先へ送るリスクが大きく減少します。
  3. トレーサビリティ(追跡性)の確保
     バーコード付き荷札を使えば、荷物の履歴や現在地をシステム上で管理できます。
  4. 取扱注意事項の周知
     破損を防ぐための「ワレモノ注意」や「天地無用(上下を逆にしない)」などの表示が、物流品質の向上につながります。

荷札の使用例

例1:製造業での荷札使用

自動車部品メーカーでは、納品する部品ごとに荷札をつけて出荷します。荷札には部品番号、数量、納入先工場名、納入予定日時などが記載され、取引先工場ではその情報をもとに受け入れ・検品を行います。

例2:アパレル業界での荷札

衣類や靴などの商品タグとして、品番やサイズ、カラー、価格などを記載した荷札(タグ)が使用されます。バーコード付きでPOSシステムと連携し、在庫管理や販売分析にも利用されます。

例3:EC物流での荷札

ネット通販では、段ボールに宛名シール型の荷札が貼られ、スキャンすることで正確な出荷・配送が行われます。最近では配送業者のスマートフォン端末で読み取るだけで配送が完了する仕組みが一般化しています。