工場用語辞典
攪拌(かくはん) 【よみ】 かくはん 【英語】 stirring
攪拌とは、流体(液体や気体)または粉粒体を、機械的な力によってかき混ぜる操作のことを指します。この操作によって、混合物の均一化、温度の均一化、反応の促進など、様々な目的を達成することができます。
攪拌の目的
- 均一化: 異なる種類の物質を混ぜ合わせ、均一な混合物を得る。
- 溶解: 固体を液体に溶かしたり、気体を液体に溶解させたりする。
- 反応促進: 化学反応の速度を速める。
- 温度均一化: 混合物の温度を均一にする。
- 粘度の低下: 高粘度の液体を攪拌することで、粘度を低下させる。
攪拌の原理
攪拌は、主に以下の原理に基づいて行われます。
- 乱流: 流体に乱れを生じさせ、物質間の接触を促進することで、混合を促進する。
- 拡散: 濃度差によって物質が移動する現象を利用し、混合を促進する。
- 対流: 流体の密度差によって生じる対流を利用し、混合を促進する。
攪拌の方法
攪拌方法は、攪拌する物質の状態や目的によって様々です。
- 機械的な方法:
- 回転式攪拌: プロペラ、パドル、タービンなど、回転する翼を使って攪拌する。
- 往復式攪拌: ピストンや棒状の攪拌機を上下させたり、左右に動かしたりして攪拌する。
- 流体力学的攪拌: 液体をパイプやノズルに通すことで、せん断力を発生させ、混合を促進する。
- 超音波攪拌: 超音波振動を利用して、微細な気泡を発生させ、物質を分散させる。
攪拌装置の種類
攪拌装置は、攪拌の目的に応じて様々な種類があります。
- ミキサー: 一般的な攪拌装置で、液体や粉体を混合するのに使用される。
- ホモジナイザー: 微粒子の分散や乳化に用いられる。
- ブレンドミキサー: 複数の成分を混合して均一な混合物を得るために用いられる。
- ニーダー: 粘度の高い生地などを練り上げるために用いられる。
攪拌の応用例
攪拌は、私たちの日常生活や産業において幅広く利用されています。
- 食品産業: パン生地の捏ね上げ、マヨネーズの製造、ジュースの製造など
- 化学工業: 化学反応の促進、溶液の調製
- 医薬品製造: 医薬品の混合、乳化
- 建設業: コンクリートの混合
- 環境分野: 汚水の処理