工場用語辞典

ステーター 【よみ】 すてーたー 【英語】 stator

ステーターとは?:回転しない固定部分

ステーター(Stator)は、電動機(モーター)や発電機といった回転機械において、回転しない固定された部分を指します。「固定子(こていし)」とも呼ばれます。モーターや発電機の動作原理において、ローター(回転子)と対をなす非常に重要な部品です。

身近な例としては、扇風機のモーターや、自動車のエンジンルーム内にあるオルタネーター(発電機)などにステーターが使われています。これらの機器が電気エネルギーを運動エネルギーに変換したり、運動エネルギーを電気エネルギーに変換したりする上で、ステーターは不可欠な役割を担っています。

ステーターは、主にフレーム(外枠)コア(鉄心)、そして**巻線(コイル)**という3つの主要な要素で構成されています。フレームはステーター全体の構造を支える役割を持ち、コアは磁気的な特性を高めるために積層された薄い金属板でできています。そして、巻線はコアに巻き付けられた導線で、電流を流すことで磁界を発生させます。

ステーターの構造:磁界を生み出す心臓部

ステーターの内部構造は、モーターや発電機の種類や用途によって様々なバリエーションがありますが、基本的な構成要素とその役割は共通しています。

まず、**コア(鉄心)**は、一般的にケイ素鋼板などの電磁鋼板を薄く打ち抜き、多数重ねて作られています。これは、交流電流が流れる際に発生する渦電流によるエネルギー損失を低減するためです。コアの形状は、内側に歯のような突起(ティース)を持つものが多く、このティースに巻線が巻き付けられます。

次に、**巻線(コイル)**は、銅線などの導線を絶縁処理したエナメル線が、コアのティースに整然と巻き付けられたものです。この巻線に電流が流れると、電磁誘導の法則に従って磁界が発生します。モーターの種類によっては、複数の巻線が異なるパターンで配置され、複雑な回転磁界を作り出すものもあります。

**フレーム(外枠)**は、これらのコアと巻線をしっかりと固定し、機械的な強度を保つ役割を果たします。また、モーターや発電機によっては、冷却のための機構がフレームに組み込まれている場合もあります。

ステーターの設計は、モーターや発電機の性能を大きく左右する重要な要素です。巻線の巻き方、コアの形状、使用する材料などが、効率や出力特性に影響を与えます。

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ステーターの役割:ローターを動かす、電気を生み出す

ステーターの主な役割は、モーターと発電機で異なります。

モーターにおけるステーターの役割は、回転磁界を生成し、ローターを回転させる力(トルク)を生み出すことです。ステーターの巻線に電流が流れると、周囲に磁界が発生します。この磁界は時間とともに変化する交流である場合が多く、その変化によってローターに誘導電流が流れ、ローター自身の磁界との間で吸引力や反発力が生まれます。この力によって、ローターは回転運動を開始します。モーターの種類によっては、ステーター自体に永久磁石が配置され、ローター側の電磁石と反発・吸引することで回転力を得るものもあります。

一方、発電機におけるステーターの役割は、ローターの回転によって生じる磁界の変化を捉え、電気エネルギーを取り出すことです。ローターが外部からの力(例えば、エンジンの回転や風力など)によって回転すると、ローターの磁界がステーターの巻線を通過します。この時、電磁誘導の法則により、ステーターの巻線に電流が流れます。この電流が、発電機によって生成された電気エネルギーとなります。発電機によっては、ローターに永久磁石が使われ、ステーター側の巻線との相対的な movimiento によって起電力を生み出すものもあります。