工場用語辞典
スモールランプ 【よみ】 すもーるらんぷ 【英語】 small lamp
自動車の保安部品の一つで、主に夜間や悪天候時など、周囲の視認性が低下する状況において、自車の存在を他者に知らせることを目的とした灯火類です。一般的には「車幅灯」や「ポジションランプ」とも呼ばれます。
スモールランプの役割と目的
スモールランプの最も重要な役割は、自車の車幅を示すことです。これにより、対向車や後続車、あるいは歩行者などが、夜間でも自車の大きさや位置を正確に把握し、安全な距離を保つことができます。特に、ヘッドランプを点灯するほどではない薄暮時や、トンネルの入り口付近など、明るさが変化する状況では、スモールランプが自車の存在を早期に認識させる上で非常に有効です。
また、悪天候時(雨、霧、雪など)には、視界が悪くなるため、自車の存在を知らせるためにスモールランプの点灯が推奨されます。ヘッドランプほどの強い光量はありませんが、周囲の車両に自車の存在をアピールすることで、追突や接触事故のリスクを低減する効果があります。
さらに、近年では、デイライト(昼間走行灯)の普及により、日中においてもスモールランプを点灯している車両を目にすることが増えました。これは、昼間であっても自車の視認性を高め、安全運転に寄与するという考えに基づいています。
スモールランプの操作と関連する灯火
スモールランプは、通常、ライトスイッチの操作によって点灯します。多くの車両では、ライトスイッチの「OFF」ポジションから一段階回すことでスモールランプが点灯し、さらに回すことでヘッドランプが点灯するようになっています。車種によっては、オートライト機能が搭載されており、周囲の明るさに応じて自動的にスモールランプやヘッドランプが点灯・消灯するものもあります。
スモールランプと混同されやすい灯火として、ヘッドランプやフォグランプがあります。ヘッドランプは、主に前方路面を照らすことを目的とした強い光を放つ灯火であり、スモールランプとは光量も照射範囲も大きく異なります。フォグランプは、霧などの悪天候時に視界を確保するために使用される補助灯で、通常はヘッドランプとは別に操作します。