工場用語辞典
セクレタリー 【よみ】 せくれたりー 【英語】 secretary
セクレタリー(Secretary)という言葉は、多岐にわたる意味を持ちますが、一般的には「秘書」や「書記」といった役割を指します。個人や組織において、事務処理、スケジュール管理、コミュニケーションのサポートなど、多岐にわたる業務を遂行し、効率的な運営を支える重要な存在です。かつてはタイピングや書類整理が中心の業務でしたが、現代においては、より高度な判断力や問題解決能力、多様なITスキルが求められる職種へと進化しています。
セクレタリーの主な役割
セクレタリーの役割は、働く場所やサポートする対象によって大きく異なりますが、共通して以下のような業務を担います。
①事務処理と文書管理:
書類の作成、ファイリング、整理
報告書やプレゼンテーション資料の準備
郵便物や電子メールの処理
会議資料の準備と議事録作成
例: 企業の役員秘書が、取締役会のための詳細な議題資料を準備し、会議中の重要な発言を正確に記録して議事録を作成する。
②スケジュール管理と調整:
上司やチームの会議、出張、アポイントメントの調整と管理
リマインダーの設定
例: 病院の院長秘書が、複数の診療科との連携を考慮し、院長の診察、手術、会議、講演のスケジュールを緻密に調整する。
③コミュニケーションのサポート:
電話応対、来客対応
内部および外部との連絡調整
上司の代理としての連絡
例: 大学の研究室の秘書が、国内外の研究者からの問い合わせに対応し、教授への取り次ぎや情報提供を行う。
④情報収集と整理:
必要な情報の収集、分析、要約
データ入力とデータベース管理
例: 法律事務所のパラリーガルを兼ねるセクレタリーが、特定の判例や法改正に関する情報をデータベースから検索し、弁護士が訴訟準備に活用できるよう整理する。
⑤経費処理と出張手配:
経費精算のサポート
航空券、宿泊施設、交通手段の手配
例: 大企業の国際事業部で働くセクレタリーが、海外出張する部長のために、複雑な航空券の乗り継ぎや現地のホテル、レンタカーの手配を全て行い、必要なビザ申請もサポートする。
⑥その他:
オフィス用品の管理と発注
備品の故障対応
福利厚生関連の事務処理
例: 中小企業のセクレタリーが、社内のIT機器の不具合発生時に、IT担当者や外部業者との連絡を調整し、迅速な復旧に努める。
現代のセクレタリーに求められる資質
現代のセクレタリーには、従来の事務処理能力に加え、以下のような資質が求められます。
- 高いITスキル: Word, Excel, PowerPointなどの基本ソフトに加え、グループウェア、クラウドツール、データ分析ソフトなどを使いこなす能力。
- 問題解決能力: 予期せぬ問題やトラブルが発生した際に、自律的に解決策を探し、実行する能力。
- コミュニケーション能力: 円滑な人間関係を築き、明確かつ的確に情報を伝え、相手の意図を正確に理解する能力。
- マルチタスク処理能力: 複数の業務を同時に、かつ効率的にこなす能力。優先順位をつけ、状況に応じて柔軟に対応する。
- 機密保持能力: 企業や個人の機密情報を扱うため、高い倫理観と情報管理能力が不可欠。
- 語学力: グローバルな環境では、英語をはじめとする外国語でのコミュニケーション能力が求められる場合も多い。
セクレタリーの多様な呼称と専門性
セクレタリーは、その役割や組織の特性に応じて様々な呼称で呼ばれることがあります。
- エグゼクティブ・アシスタント (Executive Assistant – EA): 役員クラスの幹部をサポートし、より戦略的な業務やプロジェクト管理にも関わる、高度な秘書業務。
- パーソナル・アシスタント (Personal Assistant – PA): 個人(著名人、多忙な専門家など)の個人的な事柄も含めて幅広くサポートする秘書。
- 部署アシスタント/部門アシスタント (Department Assistant): 特定の部署やチーム全体の事務をサポートする。
- 総務事務/一般事務: より広範な事務業務を担う。
- パラリーガル (Paralegal): 法律事務所において弁護士の業務をサポートする専門職。
- メディカルセクレタリー (Medical Secretary): 医療機関において医師や看護師の事務業務をサポートする専門職。
