工場用語辞典
シートリクライナー・シートアジャスター 【よみ】 しーとりくらいなー・しーとあじゃすたー 【英語】 seat recliner/seat adjuster
動車のシートは、単に座るためのものではなく、運転者の疲労軽減や安全確保に大きく貢献する重要な要素です。その中でも、**シートリクライナー(Seat Recliner)とシートアジャスター(Seat Adjuster)**は、運転者や同乗者が体格や好みに合わせてシートの角度や位置を調整し、快適なドライビングポジションや乗車姿勢を得るために不可欠な機構です。これらは、長距離運転での疲労軽減や、万が一の事故の際の安全性を高める上で重要な役割を果たします。
1. シートリクライナーの機能と種類
シートリクライナーは、シートバック(背もたれ)の角度を調整する機構です。これにより、運転者は運転しやすい姿勢を取ったり、休憩時にリラックスできる姿勢にしたりすることができます。
- 1.1 シートリクライナーの主な機能:
- 背もたれ角度の調整: レバーやダイヤル、スイッチなどを操作することで、シートバックを前後に傾けることができます。調整範囲は車種やシートの種類によって異なりますが、直立に近い角度からほぼ水平に近い角度まで調整可能なものもあります。
- 微調整機能: 細かい角度調整が可能な機構を備えているものもあり、より細やかなドライビングポジションの設定が可能です。
- メモリー機能(一部車種): 電動式のリクライナーでは、複数の設定を記憶させ、ボタン一つで好みの角度に戻せるメモリー機能が搭載されている場合があります。
- 1.2 シートリクライナーの種類: シートリクライナーの操作方式には、主に以下の種類があります。
- 手動式レバータイプ: シートサイドに設置されたレバーを操作して角度を調整するタイプです。シンプルな構造でコストも比較的安価なため、多くの車種で採用されています。
- 手動式ダイヤルタイプ: シートサイドに設置されたダイヤルを回転させて角度を調整するタイプです。レバータイプに比べて微調整がしやすいという特徴があります。
- 電動式スイッチタイプ: スイッチ操作によってモーターを駆動させ、角度を調整するタイプです。微調整が容易で、メモリー機能などを搭載しやすいというメリットがあります。高級車や一部の乗用車に採用されています。
2. シートアジャスターの機能と種類
シートアジャスターは、シート全体の前後方向や上下方向、座面角度などを調整する機構です。これにより、様々な体格の運転者が適切なペダル操作や視界を確保し、安全かつ快適な運転姿勢を得ることができます。
- 2.1 シートアジャスターの主な機能:
- 前後スライド調整: シート全体を前後に移動させることで、アクセルペダルやブレーキペダルとの距離を調整します。
- 上下高さ調整: シート全体の高さを調整することで、適切な視界を確保します。
- 座面角度調整: 座面の前後の傾きを調整することで、太もものサポート性を変え、疲労を軽減します。
- チルトステアリングとの連携: シートの前後位置だけでなく、ステアリングホイールの前後・上下位置を調整できるチルトステアリングと組み合わせることで、より細やかなドライビングポジションの設定が可能です。
- メモリー機能(一部車種): 電動式のアジャスターでは、複数のシート位置を記憶させ、ボタン一つで好みの位置に戻せるメモリー機能が搭載されている場合があります。
- 2.2 シートアジャスターの種類: シートアジャスターの操作方式にも、主に以下の種類があります。
- 手動式レバー・ノブタイプ: シート下やサイドに設置されたレバーやノブを操作して、各調整を行います。前後スライドはレバーを操作してロックを解除し、手動でシートを移動させるタイプが一般的です。上下高さ調整や座面角度調整には、レバーをポンプのように上下させるタイプや、ダイヤルを回転させるタイプなどがあります。
- 電動式スイッチタイプ: シートサイドなどに設置されたスイッチ操作によってモーターを駆動させ、各調整を行います。微調整が容易で、メモリー機能などを搭載しやすいというメリットがあります。高級車や一部の乗用車に多く採用されています。