工場用語辞典

抵抗器 【よみ】 ていこうき 【英語】 resistor

電流の流れに対して抵抗(流れにくさ)を与える電子部品です。電気回路において、電流を制限したり、電圧を分けたり、電力を消費して熱に変えたりする役割を担っています。電気・電子機器のほぼすべてに使用されており、最も基本的で重要な部品の一つです。

抵抗器の基本的な役割

抵抗器が果たす主な役割は、以下のとおりです。

1. 電流を制限する

抵抗器を回路に挿入することで、電流が流れすぎるのを防ぐことができます。これにより、LEDなどの電子部品を適正な電流で動作させることができます。

2. 電圧を分割する(分圧)

2つ以上の抵抗器を直列に接続すれば、入力された電圧を抵抗比に応じて分けることができます。これを「分圧回路」と呼び、センサーやアナログ回路でよく利用されます。

3. 電気エネルギーを熱に変える

抵抗器は流れた電流のエネルギーをジュール熱(電力)として消費します。ヒーターや安全装置の一部では、あえて熱を発生させる用途でも使われます。

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抵抗値とオームの法則

抵抗器の「抵抗値」は、電気の流れにくさの程度を示す値で、単位は「Ω(オーム)」です。抵抗値が高いほど、電流は流れにくくなります。

また、**オームの法則(Ohm’s Law)**という基本的な電気の法則があり、以下のように表されます:

                        V = I × R
  • V:電圧(ボルト)
  • I:電流(アンペア)
  • R:抵抗(オーム)

この式を用いることで、抵抗値を調整して希望の電流や電圧を得る設計が可能になります。

抵抗器の種類

抵抗器には多くの種類があり、目的や使用環境に応じて選ばれます。代表的なものは以下の通りです。

1. 炭素皮膜抵抗器(Carbon Film Resistor)

最も一般的で安価な抵抗器。電子工作や家電製品で多用されます。抵抗値の誤差(許容差)はやや大きめです。

2. 金属皮膜抵抗器(Metal Film Resistor)

精度が高く、温度変化やノイズに強いのが特長です。測定器やオーディオ機器など、高精度を求められる回路で使用されます。

3. 可変抵抗器(Variable Resistor)

抵抗値を変えることができる抵抗器。ボリュームコントロールや調整つまみに使われ、「ポテンショメータ」「トリマ」とも呼ばれます。

4. セメント抵抗器(セメント型)

大電力に対応できる放熱性に優れた抵抗器。電源回路やモーター制御回路など、熱を多く発生する用途で使われます。

抵抗器の読み方(カラーコード)

多くの抵抗器は、筒状の本体に色の帯(カラーコード)で抵抗値が表記されています。たとえば「茶・黒・赤・金」のように色の並びで値を表す仕組みです。各色には数字が割り当てられており、カラーコード表を使って抵抗値を読み取ることができます。

抵抗器の用途

抵抗器は、日常のあらゆる電気機器の中で活躍しています。

  • LEDを適正な明るさで点灯させる
  • 音量や明るさを調整する回路に使う
  • センサーの信号を調整・補正する
  • 電源回路で突入電流を防止する
  • フィルター回路や発振回路の構成要素となる

家庭用家電からスマートフォン、工場の自動制御装置まで、抵抗器は電気を使うあらゆる場所で欠かせない存在です。