工場用語辞典
求償 【よみ】 きゅうしょう 【英語】 reimbursement
求償とは、ある者が被った損害について、その損害の原因となった相手に対して損害賠償を請求すること、またはその請求権のことを指します。
具体的に言うと、A氏がB氏の過失によって損害を被った場合、A氏はB氏にその損害の賠償を請求することができます。このとき、A氏のB氏に対する請求が「求償」にあたります。
求償が発生するケース
求償が発生するケースは多岐にわたりますが、代表的なものとして以下のようなものがあります。
- 連帯保証人による求償: 債務者が債務を支払えない場合、連帯保証人は債務者の代わりに債務を支払う義務を負います。連帯保証人が債務を支払った後、債務者に対して支払った金額の返還を求めるのが求償です。
- 保険会社による求償: 保険会社が保険金支払いの義務を負った場合、その損害の原因となった第三者に損害賠償を請求することがあります。例えば、自動車保険で相手方の過失により自損事故が発生した場合、保険会社は相手方に損害賠償を請求し、回収した金額で保険金支払いの負担を軽減しようとします。
- 製品責任法に基づく求償: 製品に欠陥があり、それが原因で損害が発生した場合、製品の製造業者や販売業者は損害賠償責任を負います。製造業者や販売業者は、部品メーカーなど他の事業者に原因があると考えられる場合には、その事業者に損害賠償を請求することができます。
- 共同不法行為に基づく求償: 複数の者が共同で不法行為を行い、その結果、第三者に損害が発生した場合、各行為者は連帯して損害賠償責任を負います。共同不法行為を行った者の一人が損害賠償を支払った場合、他の共同不法行為者に対して支払額の分担を求めることができます。
求償の手続き
求償の手続きは、一般的には、まず相手方に内容証明郵便などで請求書を送付し、その後、訴訟などの法的措置に移行する場合が多いです。
求償に関する注意点
- 時効: 求償権には時効期間が定められているため、時効期間内に請求を行わないと、権利を失ってしまうことがあります。
- 証拠: 求償を行うためには、損害が発生したこと、相手方に損害賠償責任があることなどを証明するための証拠が必要となります。
- 専門家への相談: 複雑な求償事案の場合、弁護士などの専門家に相談することが望ましいです。
求償は、損害を被った者が、その損害の原因となった相手に損害賠償を請求する権利であり、様々な場面で発生する可能性があります。求償を行うためには、法律的な知識や手続きに関する知識が必要となるため、専門家への相談を検討することも重要です。