工場用語辞典
定期発注方式 【よみ】 ていきはっちゅうほうしき 【英語】 Regular order method
在庫管理や資材調達において、あらかじめ決められた周期(例:週1回、月2回など)で在庫量に応じた発注を行う方式です。発注のタイミングを一定にすることで、業務の計画性や効率を高めることができ、製造業・流通業・小売業など、幅広い分野で活用されています。
この方式は、需要の予測が比較的安定しており、在庫の補充タイミングを定型化したい場合に効果的です。一方で、需要の急激な変動に弱いという側面もあります。
定期発注方式の仕組み
定期発注方式では、次のような流れで在庫管理と発注が行われます:
1. 発注間隔の設定
発注は「毎週火曜日」「月末」「10日おき」など、あらかじめ決められた間隔で行うことが基本です。
2. 在庫量の確認
発注日ごとに、現在の在庫数を確認し、必要な数量を算出します。これには、次の発注日までの消費量の予測も含まれます。
3. 発注量の決定
以下の式で発注量を算出します:
発注量 = 基準在庫量 − 現在庫量
ここでいう「基準在庫量」は、次の発注日までの需要を想定し、安全在庫を加味した数量です。
定期発注方式の活用例
● 小売業
スーパーやコンビニでは、毎週決まった曜日に飲料や食料品などの定期発注を行うケースが多く見られます。天候やイベントなどによる多少の需要変動はありますが、日常消費品のため概ね予測が立てやすいとされています。
● 製造業の資材調達
製造ラインで使用する部品や材料を、週ごとや月ごとに補充する場面でも、定期発注方式が有効です。特に部材の納入に時間がかかる場合、計画的に仕入れを行う必要があるため、定期的なサイクルでの発注が好まれます。
定期発注方式のメリット
1. 発注業務の効率化
発注のタイミングを固定することで、発注業務がルーチン化され、担当者の作業負担が軽減されます。発注忘れやミスも減少します。
2. 業務スケジュールが立てやすい
取引先や物流担当と調整しやすく、入荷や在庫補充のスケジュールが明確になります。これにより、倉庫管理や人員配置も計画的に行えます。
3. 安定した取引が可能
仕入先との定期的な取引が継続することで、信頼関係が構築されやすく、価格交渉や納期調整も円滑になる傾向があります。
定期発注方式のデメリット
1. 需要変動への対応力が弱い
発注のタイミングが固定されているため、急激な売上増加や天候変化、流行商品などに即座に対応しにくいという欠点があります。在庫切れや販売機会の損失が発生する可能性があります。
2. 過剰在庫のリスク
予測が外れた場合、基準在庫量よりも消費が少ないと、過剰在庫が発生しやすくなります。これは保管コストの増加や在庫の劣化につながるため、注意が必要です。
他の発注方式との比較
定期発注方式とよく比較されるのが「定量発注方式」です。
| 比較項目 | 定期発注方式 | 定量発注方式 |
| 発注タイミング | 一定の周期で発注 | 在庫が一定量を下回った時に発注 |
| 発注量 | 在庫状況に応じて変動 | 発注量は固定(定量) |
| 適したケース | 需要が安定している場合 | 需要が変動しやすい場合 |
| 管理方法 | は中火ベースの管理 | 在庫量ベースの管理 |
どちらの方式が適しているかは、商品の特性や業務環境によって異なります。近年では、両者を組み合わせて柔軟に運用する企業も増えています。
