工場用語辞典

定期健康診断 【よみ】 ていきけんこうしんだん 【英語】 Regular health checkup

労働者や一般の人々の健康状態を定期的にチェックするために行われる健康診査のことです。特に企業においては、労働安全衛生法に基づき、使用者(事業者)が従業員に対して年に1回以上の健康診断を実施することが義務付けられています。これにより、疾病の早期発見や健康リスクの予防、職場環境の改善などを目的としています。

定期健康診断の法的根拠と対象者

日本では、定期健康診断は労働安全衛生法第66条に基づき実施されます。この法律により、常時使用する従業員に対しては、事業主が少なくとも年1回の健康診断を実施する義務があります。

対象となるのは、正社員だけでなく、週の労働時間が通常の従業員の4分の3以上のパート・アルバイトも含まれます。加えて、雇入時健康診断(入社時)や、深夜業従事者の6ヶ月ごとの健康診断なども、状況に応じて義務付けられています。

健康診断の目的

定期健康診断の主な目的は、以下の3点です:

1. 病気の早期発見・早期治療

自覚症状が出にくい生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)や、がんなどの重篤な病気を早期に発見し、迅速な治療につなげます。

2. 従業員の健康維持と働き方の最適化

健康状態を把握することで、体調に応じた配置転換や労働時間の見直しなど、労働環境の調整が可能になります。

3. 労働災害の予防と職場の安全性確保

身体的・精神的な不調が原因で起こる労災を防止し、職場全体の安全性と生産性の向上につなげます。

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定期健康診断の主な項目

厚生労働省が定める「定期健康診断」の基本的な検査項目は以下の通りです(一般定期健康診断):

  • 既往歴および業務歴の調査
  • 自覚症状および他覚症状の有無の検査
  • 身長・体重・視力・聴力の測定
  • 血圧の測定
  • 胸部エックス線検査(肺の状態など)
  • 尿検査(糖・蛋白)
  • 貧血検査(赤血球数、血色素量)
  • 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTPなど)
  • 血中脂質検査(LDL、HDL、トリグリセライド)
  • 血糖検査(空腹時血糖、HbA1c)
  • 心電図検査(不整脈や心臓疾患の有無)

※35歳以上は、血液検査などの追加項目が増える場合があります。

健康診断後のフォローアップ

定期健康診断の実施後、結果に基づいて必要なフォローアップが行われます。これには以下が含まれます:

  • 再検査・精密検査の案内
  • 産業医や保健師との面談
  • 就業上の措置(休養、職種変更など)
  • 健康指導や生活習慣改善プログラムの提供

企業には、健康診断結果に応じた適切な対応を行う義務があります。健康診断を受けさせるだけでなく、結果を放置せず、従業員の健康管理に活かすことが重要です。

健康診断と個人情報の取り扱い

健康診断の結果は、個人情報として厳重に管理されるべきものです。企業は、本人の同意なく診断結果を第三者に開示してはならず、結果を扱う担当者には守秘義務が課せられます。特にプライバシーへの配慮は重要であり、適切な管理体制が求められます。