工場用語辞典
生産材 【よみ】 せいさんざい 【英語】 production material
他の製品やサービスを生産するために使われる、原材料、部品、機械、設備などの財全般を指します。別名「生産財」や「産業財」とも呼ばれます。これらは直接的に最終消費者の手に渡ることはなく、企業間の取引(BtoB: Business to Business)で売買されるのが一般的です。
生産材の主要な特徴
生産材には、主に以下のような特徴があります。
- 中間的な役割: 完成品として直接消費される「消費財」とは異なり、生産材はさらに加工されたり、組み込まれたりして、別の製品やサービスを生み出すための「中間的な役割」を担います。例えば、自動車工場で使われる鉄板やエンジン部品は生産材ですが、完成した自動車は消費財です。
- 需要の派生性: 生産材の需要は、最終製品の需要に大きく依存します。例えば、スマートフォンの売上が伸びれば、それに使われる半導体やディスプレイパネルなどの生産材の需要も増加します。
- 専門性: 生産材は、特定の産業や生産プロセスに特化したものが多く、その機能や性能が重要視されます。そのため、専門的な知識や技術を持つ企業間で取引されることがほとんどです。
- 長期的な関係性: 生産材の取引では、品質、納期、コスト、技術サポートなどが重視されるため、供給企業と需要企業の間で長期的なパートナーシップが築かれる傾向があります。
生産材の種類
生産材は、その用途や性質によっていくつかの種類に分けられます。
- 原材料: 製品の製造に直接使われる基本的な素材です。
- 例: 鉄鉱石、木材、原油、綿花、小麦など
- 部品・半製品: 製品を構成する個別のパーツや、製造工程の途中で加工されたものです。
- 例: 自動車部品(エンジン、タイヤ)、電子部品(半導体、回路基板)、プラスチック成形品など
- 設備・機械: 製品を製造するための機械装置や施設です。
- 例: 工作機械、ロボット、コンベア、工場設備、コンピュータシステムなど
- MRO(Maintenance, Repair, and Operating)材: 生産活動を維持するために必要な消耗品や備品です。製品に直接組み込まれるわけではありませんが、生産プロセスには不可欠です。
- 例: 工具、潤滑油、事務用品、清掃用品、燃料など
生産材の経済的意義
生産材は、経済活動において非常に重要な役割を担っています。生産材の供給が滞れば、最終製品の生産が滞り、経済全体に大きな影響を与えます。逆に、高性能な生産材や効率的な生産設備が開発されれば、製品の品質向上や生産性向上につながり、企業の競争力強化、ひいては経済全体の発展に貢献します。
