工場用語辞典
支払いサイト 【よみ】 しはらいさいと 【英語】 payment site
商取引において掛取引や手形とセットでよく使われるビジネス用語である。
買い手(支払う側)からすると、支払サイトは猶予期間になる。
支払いサイトとは、企業間取引(BtoB)において、商品やサービスを提供した側が、その代金を受け取るまでの期間を指します。具体的には、取引が完了した日(または締め日)から、実際に支払いが行われる日までの期間のことです。
この「サイト」という言葉は、英語の “site” ではなく、**「期間」「期日」**といった意味合いで使われます。そのため、「支払いサイトが30日」という場合、一般的には「締め日から30日後に支払いが行われる」という意味になります。
企業間の取引においては、即時現金払いではなく、一定期間後にまとめて支払いが行われることが一般的です。これは、買い手側にとっては資金繰りの都合をつけやすく、売り手側にとっては一定期間の売掛金を管理する必要があるという特徴があります。
支払いサイトの長さは、業界の慣習、取引先の関係性、買い手側の信用力など、さまざまな要因によって決定されます。一般的には、30日、60日、90日といった期間が設定されることが多いですが、中には120日を超えるような長い支払いサイトも存在します。
2. 支払いサイトの種類と影響
支払いサイトには、その起算日の設定方法によっていくつかの種類があります。主なものとしては以下の通りです。
- 月末締め翌月払い: その月の末日を締め日とし、翌月の নির্দিষ্ট日に支払いが行われる方式です。最も一般的な形式の一つです。例えば、「月末締め翌月30日払い」の場合、4月中の取引は4月30日に締め切られ、5月30日に支払いが行われます。
- 都度締め翌月払い: 個々の取引が発生するたびに締め日を設定し、翌月の নির্দিষ্ট日に支払いが行われる方式です。取引のタイミングによって支払日が異なるため、管理がやや煩雑になる場合があります。
支払いサイトの長さは、企業の資金繰りに大きな影響を与えます。
- 短い支払いサイトのメリット・デメリット:
- メリット: 早期に代金を回収できるため、資金繰りが安定しやすいです。売掛金残高が少なくなるため、貸倒れのリスクを軽減できます。
- デメリット: 買い手側にとっては、短期的な資金負担が大きくなります。
- 長い支払いサイトのメリット・デメリット:
- メリット: 買い手側にとっては、資金繰りに余裕が生まれます。
- デメリット: 売り手側にとっては、代金回収までの期間が長くなるため、資金繰りが悪化する可能性があります。売掛金残高が増加し、貸倒れのリスクが高まります。
特に中小企業にとっては、長い支払いサイトは資金繰りの大きな負担となることがあります。
3. 支払いサイトを巡る動向と注意点
近年、働き方改革やサプライチェーン全体の効率化といった観点から、支払いサイトの短縮化を求める動きが強まっています。政府も、中小企業の資金繰り改善を目的に、支払いサイトの適正化を推進しています。
支払いサイトを設定する際には、以下の点に注意が必要です。
- 契約内容の明確化: 取引開始前に、支払いサイト、締め日、支払日などを書面で明確に合意しておくことが重要です。
- 業界の慣習の考慮: 業界における一般的な支払いサイトを考慮しつつ、自社の資金繰りの状況を踏まえて適切な期間を設定する必要があります。
- 買い手側の信用力の確認: 新規の取引先や、支払い履歴に不安がある取引先に対しては、支払いサイトを短く設定するなどの対策を検討することが重要です。
- 下請法の遵守: 下請取引においては、下請代金の支払期日が親事業者の都合で不当に遅延することのないよう、下請法に定められた支払い期日の制限を遵守する必要があります。