工場用語辞典

梱包 【よみ】 こんぽう 【英語】 packing

梱包(こんぽう)とは、製品を輸送、保管、取り扱いなどの過程における様々な外部からの影響(衝撃、振動、圧力、湿気、光、温度変化、異物混入など)から保護し、製品の品質と価値を維持するために、適切な材料や方法を用いて製品を包み、まとめる作業のことです。単に物を包むだけでなく、製品の特性や流通経路、使用目的などを考慮した、総合的な保護設計と実施が求められます。

梱包の主な目的と機能

梱包の主な目的は、製品を安全に届け、その価値を損なわないことにあります。具体的には、以下のような機能が求められます。

  1. 保護性: 輸送中の衝撃や振動、落下などから製品を守り、破損や変形を防ぎます。また、湿気や温度変化、紫外線などから製品を保護し、品質劣化を防ぎます。
  2. 保全性: 異物や塵の混入を防ぎ、製品の清潔さを保ちます。また、盗難や紛失のリスクを低減する役割も担います。
  3. 荷役性: 製品の積み下ろしや移動を容易にし、作業効率を高めます。適切な梱包は、フォークリフトやクレーンなどを用いた機械荷役にも対応できます。
  4. 情報伝達性: 製品名、数量、取り扱い上の注意、リサイクルに関する情報などを表示し、適切な取り扱いや管理を促します。
  5. 販売促進性: 美しいデザインや適切な表示は、製品の魅力を高め、購買意欲を刺激する効果があります。特に小売業においては、パッケージデザインが重要な販売戦略の一つとなります。
  6. 効率性: 梱包作業の効率化は、時間とコストの削減につながります。適切な梱包材の選定や自動化技術の導入などが重要となります。
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梱包の種類と材料

梱包は、製品の形状、材質、重量、輸送方法、保管期間などに応じて、様々な種類と材料が用いられます。

  • 個装: 製品一個ずつを保護する梱包。化粧箱、ブリスターパック、シュリンクフィルムなどがあります。
  • 内装: 個装された製品をさらにまとめる梱包。段ボール箱の内装仕切り、緩衝材(エアキャップ、発泡スチロールなど)があります。
  • 外装: 輸送や保管のための最も外側の梱包。段ボール箱、木箱、パレット、コンテナなどがあります。

梱包に用いられる材料は多岐にわたり、製品の特性や目的に合わせて最適なものが選ばれます。代表的な材料としては、段ボール、紙、プラスチックフィルム、発泡スチロール、木材、金属などがあります。近年では、環境負荷を低減するために、リサイクル可能な素材や植物由来の素材など、環境に配慮した梱包材の開発も進んでいます。

適切な梱包は、製品の安全な輸送と価値維持に不可欠であり、サプライチェーン全体における重要な要素と言えます。製品の特性を理解し、適切な梱包材と方法を選択することが、品質管理と顧客満足度の向上につながります。