工場用語辞典

手配番数(リードタイム) 【よみ】 りーどたいむ 【英語】 order number

「手配番数」とは、生産管理や物流、在庫管理の分野で使われる用語で、一般的には「リードタイム(lead time)」として知られています。これは、あるモノを注文・手配してから、そのモノが実際に使用可能になるまでにかかる時間や日数のことを指します。たとえば、部品を発注してから工場に届くまでに7日かかる場合、その手配番数(リードタイム)は7日と表現されます。

製造業や流通業、小売業など、モノの流れが発生するあらゆる現場でリードタイムの管理は重要です。リードタイムが長すぎると、在庫不足や生産の遅延につながる可能性があります。一方で、必要以上に在庫を持つとコストが増えるため、最適なリードタイム管理は業務効率化やコスト削減に直結します。

リードタイムの主な種類とその構成

リードタイムはその用途や対象によっていくつかの種類に分けられます。それぞれのリードタイムは、サプライチェーンの中で異なる役割を果たしています。

1. 調達リードタイム

調達リードタイムとは、部品や原材料を外部の仕入先から入手するまでにかかる時間です。これは、注文から納品完了までの工程に該当します。国内のサプライヤーからの調達であれば1〜3日で済む場合もありますが、海外調達や特殊な材料の場合は数週間かかることもあります。

例:

  • A社が中国の工場にねじを発注
  • 製造に3日、海上輸送に10日、通関・国内輸送に2日
  • 合計で15日のリードタイム(手配番数)

2. 生産リードタイム

生産リードタイムは、製造に必要な部品や材料が揃ってから、製品が完成するまでの時間を指します。加工、組立、検査、梱包など、すべての工程を含みます。生産工程が複雑であったり、機械の稼働状況によって変動することもあります。

例:

  • 工場である製品を組み立てるのにかかる工程
  • 加工2日、組立1日、検査・出荷準備1日
  • 合計4日の生産リードタイム

3. 配送リードタイム

配送リードタイムとは、完成した商品を倉庫や顧客に届けるまでの時間です。輸送手段(トラック、船、航空)や距離、交通事情によって大きく左右されます。

例:

  • 東京都の倉庫から大阪の取引先に製品を送る場合
  • 出荷準備に1日、トラック輸送に1日
  • 合計2日の配送リードタイム
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リードタイム管理の重要性と活用例

リードタイムを適切に管理することは、企業活動の中でも特に重要です。なぜなら、リードタイムが不明確であったり、過剰であったりすると、さまざまな問題が発生するからです。

1. 在庫の最適化

リードタイムが長い場合、それに備えて多めに在庫を持つ必要があります。しかし、在庫が多いと保管コストが増加し、商品の劣化リスクや資金の固定化も発生します。一方、リードタイムが短ければ、必要な時に必要な分だけを調達・生産できる「ジャストインタイム(JIT)」の考え方が実現しやすくなります。

例:

  • B社は部品の調達リードタイムを10日から5日に短縮
  • これにより、安全在庫の水準を30%削減し、倉庫スペースを効率化

2. 顧客満足の向上

リードタイムを短縮すれば、顧客からの注文に迅速に対応でき、納期の遅れや在庫切れによる機会損失を防ぐことができます。BtoCビジネスにおいては、スピード感が重要な競争要因となるため、リードタイムの短縮は直接的な顧客満足度の向上につながります。

例:

  • ネットショップC社が倉庫の出荷工程を自動化し、配送リードタイムを2日から当日発送に短縮
  • 顧客満足度が向上し、リピート率が20%増加

3. トラブル対応力の向上

各工程のリードタイムを正確に把握しておけば、納期の遅延やトラブル時にどこで何が遅れているのかを迅速に特定できます。これにより、サプライチェーン全体の見える化が進み、問題への対応力も向上します。